マッチングサービス・アプリの運営で、失敗しないためのポイント
- 土門 大貴
- 記事制作日2024年9月17日
- 更新日2024年9月17日
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マッチングサービス事業は、一見シンプルで魅力に溢れた事業に思えるかもしれません。
多くの起業家がこの市場に可能性を見出し、そのいくつかは実際に成功を遂げました。
しかしながら、数多くのマッチングサービスが統廃合やサービス終了の憂き目にあっていることにも、目を向けなければなりません。一例を上げると、2022年に登録を申請した10のマッチングアプリのうち、4つのアプリは1年持たずサービスを終了したとのことです。
今回の記事では、マッチングサービスの開発を考えておられる方のため、
『マッチングサービス・アプリで失敗しないために、何を気をつけるべきか』
について検討・解説したいと思います。
マッチングサービスは『課題を解決』するもの
まず大前提として『マッチングサービス』というものは『繋げる』ものではなく『課題を解決』するものでなくてはなりません。
どういうことかご説明します。
例えば”恋愛系マッチングアプリ“の場合は『本来恋愛相手を探すのは、手間がかかったり、危険が生じたりする』という課題を、『相手を探しやすくし、安全にコミュニケーションを取ることができる』サービスを作って解決しています。
これが”フードデリバリーサービス“であれば『デリバリーサービスを飲食店が始めるには、多額のコストとリスクがかかる』という課題を、『アプリで受発注をしやすくし、デリバリーを第三者に業務委託する』という形で解決しているのです。
『需要があるにもかかわらず、何らかのリスクや障害によって繋がれない・繋がりにくい二者間を、サービスによって課題解決し、繋がれるようにする』ことがマッチングサービスの肝となります。
なので”ただ繋ぐだけ”のサービスでは誰も使いません。
失敗する例としては、例えば『内科と患者を繋ぐマッチングサービス』のようなサービスが挙げられます。
作ること自体は可能です。しかし基本的に患者さんは、病気になったとしても『自宅近くの内科』に行くだけで、わざわざお金を払って遠い内科を紹介してもらおうとはしません。
”予約サイト””口コミサイト”といった形であればギリギリ成り立つかもしれませんが、利用者が増えることはないでしょう。
マッチングサービスを立ち上げるのであれば『その二者にどのような課題があるのか』『それをどのように解決するのか』をしっかり吟味してください。
市場調査を徹底的に行う
『どのように課題を解決するのか』について明確になったならば、次に行うのは『市場調査』です。
この『市場調査』では、主に下記のような点について調べてみてください。
- ターゲット市場の規模と成長性
- 潜在的なユーザー数の推定
- 市場の成長率や将来予測
- 関連する産業やトレンドの分析
- 競合分析
- 既存の競合サービスの特定と分析
- 過去に撤退したサービスがないか
- 各競合の強みと弱みの評価
- 競合の価格戦略の分析
- ユーザーニーズの深掘り
- ターゲットユーザーの具体的な課題や不満点の特定
- ユーザーの行動パターンや価値観の理解
- ターゲットユーザーはマッチングサービスを使いたいと思うかどうか
- 技術的実現可能性
- 必要な技術インフラの評価
- 開発コストと期間の見積もり
- セキュリティや個人情報保護の要件分析
特に大事なのは『潜在的なユーザー数の推定』です。
つまりサービスを利用するユーザーがどれだけいるのか、という点ですが、
よくある失敗例としては『潜在的なユーザー数が少なすぎる』という点と、『片方の需要に偏っている』事が挙げられます。
例えばですが、『年収1千万円以上の人限定の恋愛系マッチングアプリ』等を作ろうとします。
一見成り立ちそうに見えるかもしれませんが、年収1千万円以上の男性は8%、女性に至っては1%しかいません。
更にそこから既婚者を除き、30代前後のマッチングサービスを使いたいと望む人…まで絞っていくと、微々たる人数しか残りません。これではサービスとして成り立たせるのは難しいと言えます。
『片方の需要に偏っている』例としては、『スーパーカーのカーシェアリングサービス』といった事例が挙げられるかもしれません。
スーパーカーに一度でも乗ってみたい人は多いかもしれません。しかし肝心の”貸す人”はいるでしょうか?
このように『いいビジネスモデルを思いついた』と感じても、実際に市場調査をしてみると、致命的な欠点が明るみに出ることもあります。
開発を始める前に、ぜひ綿密な市場調査を行ってください。
競合他社に絶対勝てるポイントを明確にする
次に大事な点としては『競合他社』に対して、『絶対勝てるポイントを作る』ことです。
マッチングサービスは『既存サービスが圧倒的に有利』です。
先にサービスを始めているということは「すでにマッチング相手がいる」状態です。
それは多少の使い勝手等では覆せない優位性になります。
なので『似たサービスが軌道に乗っているから』という理由で、『絶対勝てる』という点が明確でないサービスを後発で始めたとしても、間違いなく失敗します。
『UIが使いやすい』とか『AIがマッチングする』等といった曖昧な優位性でなく、ターゲットユーザーが『絶対にこっちを使いたい』と選ぶぐらいの優位性を持つようにしましょう。
でなければ後発サービスが勝つことは難しいです。
集客手段を練る
マッチングサービスを始める際には、必ず集客が必要です。
『いいサービスを作った』からといって、勝手に人が集まる訳では有りません。
なので、最初の計画段階から広告費・広告手段を計画に盛り込んでおく必要があります。
この時『どちらの側を集客するか』について、しっかり考えましょう。
例えば『求人マッチング』であれば、先に求人を行う企業側にアプローチするべきです。求職者を集めても、求人がなければサービスを使うことはありません。
ただし、それなりの規模になってきた場合は、バランスを取るため逆側のユーザーも集客していく必要があります。
なおサービスを使ってもらうにあたっては、やはりWEB広告が一番効果があります。直接サービスに誘導できるからです。
しかしながら『恋愛系マッチングアプリ』や『求人マッチング』『不動産マッチング』等のすでに市場が掲載されている分野に関しては、広告費が非常に高いです。
『uber suggest』というGoogle検索の広告単価等を調べられるツールがあるのですが、それによれば『マッチングアプリ』は1クリックあたり432円、『不動産マッチング』では699円と出てきました。
クリックした人が全て顧客になるわけではありませんし、地域や年齢層等を絞ると更に広告単価は上がることでしょう。
この時点で『集客費用と価格設定は釣り合いが取れているか』『サービスを継続できるだけの集客費用を掛けられるか』について、しっかり計算をおこなってください。
なお、『すでにターゲットユーザーに対して、別事業でつながりがある』『メールアドレスやLINEアカウント等、集客手段が確保できている』場合であれば、大きなアドバンテージがあります。0から始めるよりも格段に集客コストは安く済むでしょう。
安価なHPや既存のサービスでテストマーケティングを行う
これはマッチングサービスに限らず、新たな事業を立ち上げる時全てで言えることですが、
最初から全ての資産を注ぎ込んでスタートするのではなく、テストマーケティングを行うことは大切です。
最初から全て計画通りに事業が進むことは有りません。
よって安価なホームページや、MVP開発のアプリ、もしくはFacebook等のコミュニティ等をつかってテストマーケティングを行い、軌道修正していくことが肝要です。
この点で参考になるのが『Airbnb』です。
今では10兆円を超える巨大企業になった同社ですが、最初は小さなウェブサイトから始まりました。
デザインイベントでホテルが満室になったので、創業者は自分の部屋にエアベッドと朝食を用意し、1晩80ドルで泊まる人を募集したのです。
その際、3人の顧客を獲得できたことから、ビジネスのアイデアにつなげたわけですが……そのアイデアですら『ルームメイトのマッチング』『エアベッドのレンタル』等紆余曲折を経て、最終的に今の形のAirbnbとなりました。
もし『ルームメイトのマッチング』を思いついた時点で全財産を注ぎ込んでいたなら、事業は失敗し今のAirbnbはなかったでしょう。
他にも『LinkedIn』や『Uber』『Tinder』等も、最初は人数を限定したり、地域を限定したミニマムなサービスから始まりました。
いずれも最初に目指していた形態とは変わっており、途中で方針転換をしたサービスですが、今では市場で支配的な位置を取るほどの大企業に成長しています。
テストマーケティングが成功後、はじめてマッチングサービス・アプリを開発着手
そのように需要が確認できた後、初めてマッチングサービス・アプリの開発に入ります。
『開発着手が遅すぎるのではないか』『事業をやるのが決定しているのであれば、テストマーケティングと並行して開発を始めてもいいのではないか』と思うかもしれませんが、それはあまりおすすめできません。
なぜならテストマーケティングは『どのようにサービスを提供するのがベストか、確認する作業』でもあるからです。
例えば以下のような点を、テストマーケティングで確認することが出来ます。
テストマーケティングで確認するべき点
- マーケティングの需要はどの程度あるか
- ユーザーはこのサービスにどの程度興味を持っているか
- ユーザーは幾らまでこのサービスに課金をするか
- どの程度の頻度でユーザーはサービスへログインするか
- UIで重要な部分はどこか
- 最も使われている機能は何か、更に必要となりそうな機能は何か
- 1ユーザーを集客するにあたって、掛かるコストはどのぐらいか
- 顧客のプライバシーは保たれているか
- 想定されるユーザー数はどのぐらいか
- 想定されるユーザー数・利用頻度から算出できる、ベストなインフラ構成はどのようなものか …等
これらの点について、『サービスの開発後に調整する』のは非常に難易度が高く、コストも無駄になります。
一方で、上記の点についてしっかり把握出来たうえでサービスを設計するのであれば、コストも期間も最低限に抑えた上で最適なサービスを提供することが可能です。
マッチングサービス・アプリで失敗しないために、ぜひともテストマーケティングで検証した後に開発を行いましょう。
マッチングサービスを運営するには?
『マッチングサービス』は、今大変需要が高まり、急成長している分野です。
ただし、その運営は決して簡単ではありません。
TodoONadaでは、マッチングサービスを低コストに始める方法や、サービスで決めないといけないこと・運用方法等についてnoteでご紹介しています。
各記事をご拝読いただければ幸いです。
また本記事でご紹介した内容を含め、各形態でのマッチングサービスを低コストで開発したいなら『マッチングワン』がおすすめです。
『マッチングサービスを開発したいけれど、あまりコストは掛けられない』『必要な機能をしっかり揃えたい』という方におすすめなパッケージとなりますので、ぜひ一度ご相談ください。
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システムエンジニア(SE)
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▼実績例 ・公共インフラ事業者様向け管理システム開発(Windows、Python、PostgreSQL) ・官公庁様向け地図情報アプリのインフラ開発(Windows、PostgreSQL) ・自治体様向けポイント管理サービスのAPI開発(Linux、PostgreSQL、JS、Python) ・大手製造業様向けクラウド環境開発支援(AWS全般、Terraform) ・公共事業様向け顔認証決算システム基盤開発(Windows、PostgreSQL、JS、Python) ・リース業様向け代理店向けWebAPI開発(AWS全般、GoLang、JS) ・通販サイトインフラ構築支援、要件定義~開発(AWS, ECCube) ・結婚相談所様向けオウンドメディア制作(WordPress、JS、ウェブディレクトションな)
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