不動産会社のSEO対策では、ポータルサイトと正面から競うのではなく、エリアの情報や売却の相談など、自社だからこそ書ける情報で検索の入口をつくることが近道です。

 

あわせて、不動産会社のホームページに載せる物件情報や表現は、不動産の広告表示のルール(表示規約)の対象になる点にも注意が必要です。

 

本記事では、不動産会社のSEO対策で狙うキーワード、やるべき施策、守るべき表示規約のルール、やってはいけないこと、外注先の選び方を、公式の資料をもとに解説します。

 

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この記事でわかること
  • 不動産会社のSEO対策で狙うキーワードの種類
  • エリアページや売却ページなど、不動産会社のSEO対策でやるべき5つの施策
  • 「不動産の表示に関する公正競争規約」で守るべきルール
  • 不動産会社のSEO対策でやってはいけないことと、外注先の選び方

 

不動産会社のSEO対策の基本を3段階で示した図。①「エリア+物件の条件」「売却・査定の相談」「住まい探しの疑問」の3種類に分けて受け止めるページを決める、②エリアページの地域情報、正確な物件情報、売却ページ、会社とスタッフの情報を整える、③ホームページも表示規約の対象のため、特定の用語・おとり広告・二重価格・所要時間の表示の決まりに沿って書く。

 

不動産会社のSEO対策とは

青空と広がる住宅街の街並み

 

不動産会社のSEO対策とは、物件や売却の相談先を探している人に、検索結果から自社のホームページを見つけてもらうための取り組みです。

 

「地域名+賃貸」のような検索では、物件の数が多いポータルサイトが上位に並びやすく、地域の不動産会社が同じキーワードで競うのは簡単ではありません。

 

たとえば「吉祥寺 賃貸」の検索結果(Ahrefsで2026年10月に確認)では、1位がSUUMO、2位がLIFULL HOME'Sで、地域の不動産会社のサイトは5位以下でした。

 

そのため不動産会社のSEO対策では、エリアの暮らしの情報、売却や査定の相談、地域ならではの物件の探し方など、自社の強みが生きるテーマで入口を増やすことが大切です。

 

また、物件の情報や会社の紹介も広告表示にあたるため、検索で上位を目指すことと、ルールに沿った正確な表示を両立させる必要があります。

 

不動産会社のSEO対策で狙うキーワードの種類

スマホやパソコンで部屋探しのイメージ

 

この章でわかること
  • 種類①|エリア+物件の条件のキーワード
  • 種類②|売却・査定の相談のキーワード
  • 種類③|住まい探しや手続きの疑問のキーワード

 

不動産会社のSEO対策で狙うキーワード3種類を示した図。エリア+物件の条件(〇〇駅 2LDK 賃貸など)はエリアページ・条件別の物件一覧、売却・査定の相談(〇〇市 不動産売却など)は売却・査定のページ、住まい探しや手続きの疑問(住み替え 流れなど)は解説記事・よくある相談のページで受け止める。

 

不動産会社のSEO対策で狙うキーワードは、検索する人の目的によって、大きく3つに分けられます。

 

キーワードの種類検索語句の例受け止めるページ
エリア+物件の条件〇〇駅 2LDK 賃貸/〇〇市 中古戸建てエリアページ・条件別の物件一覧
売却・査定の相談〇〇市 不動産売却/マンション 査定 〇〇区売却・査定のページ
住まい探しや手続きの疑問住み替え 流れ/相続した家 売却解説記事・よくある相談のページ

 

種類①|エリア+物件の条件のキーワード

駅名や地域名に、間取りや物件の種類を組み合わせた検索語句です。

 

条件を細かく組み合わせた検索ほど、地域に詳しい不動産会社のページが選ばれる余地があります。

 

種類②|売却・査定の相談のキーワード

家や土地を売りたい人が、相談先や売却の進め方を調べるときの検索語句です。

 

売却の相談は、ポータルサイトの物件一覧では答えにくく、地域の不動産会社の強みが生きるテーマのため、優先して受け止めるページを用意しましょう。

 

種類③|住まい探しや手続きの疑問のキーワード

住み替えの流れや相続した家の扱いなど、取引の前に疑問を解消したい人の検索語句です。

 

疑問に答える記事から、相談の窓口や売却のページへ内部リンクでつなぐと、問い合わせにつながる導線になります。

 

不動産会社のSEO対策でやるべき5つの施策

タブレットを使い提案する作業着姿の女性

 

この章でわかること
  • 施策①|エリアページに、地域の暮らしの情報を載せる
  • 施策②|物件ページの情報を、正確で最新の状態に保つ
  • 施策③|売却・査定のページを用意する
  • 施策④|会社とスタッフの情報で、信頼できる相談先であることを示す
  • 施策⑤|Googleビジネスプロフィールを整える

 

不動産会社のSEO対策でやるべき5つの施策を示した図。①エリアページに地域の暮らしの情報を載せる、②物件ページの情報を正確で最新の状態に保つ、③売却・査定のページを用意する、④会社とスタッフの情報(宅地建物取引業の免許番号、宅地建物取引士など)で信頼できる相談先であることを示す、⑤Googleビジネスプロフィールを整える。

 

ここからは、不動産会社のSEO対策でやるべき施策を5つ紹介します。

 

どれも、地域の不動産会社だからこそ書ける情報を、検索する人に届けるための施策です。

 

施策①|エリアページに、地域の暮らしの情報を載せる

物件の一覧だけのページは、ポータルサイトとの違いが出にくくなります。

 

駅や商店街の雰囲気、子育てや通勤の環境など、地域を歩いて知っている会社ならではの情報を加えましょう。

 

駅や施設までの所要時間を書く場合は、後述する表示規約の算出方法にそろえます。

 

施策②|物件ページの情報を、正確で最新の状態に保つ

成約した物件をそのまま掲載し続けると、問い合わせた人をがっかりさせるだけでなく、表示規約で禁止されているおとり広告にあたるおそれがあります。

 

成約や条件の変更があった物件は、すぐに掲載を止めるか内容を更新する運用を決めておきましょう。

 

施策③|売却・査定のページを用意する

売却を考えている人は、相談先の会社が地域でどのような取引をしているかを知りたいと考えます。

 

売却の流れ、査定の方法、費用の内訳、相談できる担当者を、1つのページで分かるようにまとめましょう。

 

取引の事例を載せる場合は、お客様の了承を得たうえで、個人が特定されないよう配慮します。

 

施策④|会社とスタッフの情報で、信頼できる相談先であることを示す

Googleは、有用なコンテンツの作成に関する公式ガイドのなかで、経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)について、次のように述べています。

 

中でも、信頼性は最も重要なものです。

出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」

 

同じガイドは、経済的な安定などに大きく影響するテーマをYMYLと呼び、E-E-A-Tの優れたコンテンツを特に重視するとしています(2026年10月7日更新のページ)。住まいの売買は、多くの人にとって大きなお金が動く取引です。

 

宅地建物取引業の免許番号、所在地、宅地建物取引士などスタッフの紹介を載せ、誰が責任を持って情報を出しているかを明らかにしましょう。

 

施策⑤|Googleビジネスプロフィールを整える

「地域名+不動産会社」のような検索では、地図とともに店舗の一覧が表示されることがあります。

 

Googleは、ローカル検索の順位は主に関連性・距離・知名度で決まり、ビジネスの情報が充実していて正確なほど表示されやすくなると説明しています。

 

店舗ごとにオーナー確認を済ませ、営業時間、定休日、取り扱う物件の種類などを、ホームページと同じ内容で登録しましょう。

 

不動産会社のSEO対策で守るべき表示規約のルール

インフルエンザ予防接種 予診票

 

この章でわかること
  • ルール①|ホームページの物件情報も表示規約の対象になる
  • ルール②|「最高」「格安」「完全」「日本一」などの用語は、根拠がなければ使えない
  • ルール③|取引できない物件を載せる「おとり広告」は禁止
  • ルール④|二重価格や所要時間の表示にも決まりがある

 

不動産会社のSEO対策で守るべき表示規約の4つのルールを示した図。①ホームページの物件情報も表示規約の対象になる、②「最高」「格安」「完全」「日本一」などの用語は合理的な根拠がなければ使えない(第18条第2項)、③取引できない物件を載せるおとり広告は禁止(第21条)、④二重価格の表示に決まりがあり、徒歩の所要時間は道路距離80メートルにつき1分として表示する。

 

不動産の広告表示には、「不動産の表示に関する公正競争規約」(表示規約、2022年9月1日に改正版を施行)という業界のルールがあります。

 

SEOのために書く文章や物件の情報も対象になるため、次の4つのルールを押さえておきましょう。

 

ルール①|ホームページの物件情報も表示規約の対象になる

表示規約は、規約の対象となる「表示」の1つ目に、インターネットによる広告表示を挙げています。

 

自社のホームページやブログに載せる物件の情報も、チラシなどと同じように表示規約のルールに沿って書く必要があります。

 

ルール②|「最高」「格安」「完全」「日本一」などの用語は、根拠がなければ使えない

表示規約の第18条第2項は、最上級を意味する「最高」、著しく安い印象を与える「格安」、欠けるところがないことを意味する「完全」、他社より優位に立つことを意味する「日本一」などの用語を挙げています。

 

これらの用語は、内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料がある場合を除いて使えないため、SEOのための見出しや本文でも安易に使わないようにしましょう。

 

「最高」「格安」などの用語は、根拠がある場合でも、その根拠となる事実をあわせて表示することが求められます。

 

ルール③|取引できない物件を載せる「おとり広告」は禁止

表示規約の第21条は、おとり広告として、次のような表示を禁止しています。

 

物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示

出典:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」

 

同じ条文は、物件は存在するものの実際には取引の対象にならない物件や、取引する意思がない物件の表示も禁止しています。

 

アクセスを集めるために成約済みの物件を残しておくことは、おとり広告にあたるおそれがあります。

 

ルール④|二重価格や所要時間の表示にも決まりがある

表示規約の第20条は、実際の価格より高い価格を並べて表示する二重価格表示について、事実と異なる表示や、実際より有利だと誤認させる表示を禁止しています。

 

また、施行規則では、徒歩の所要時間は道路距離80メートルにつき1分として計算し、1分未満の端数は1分として表示するよう定めています。

 

エリアページや物件ページで「駅徒歩〇分」と書くときは、この計算方法にそろえましょう。

 

不動産会社のSEO対策でやってはいけないこと

ボード / warning

 

この章でわかること
  • NG①|ポータルサイトや他社の文章を流用する
  • NG②|地域名だけを入れ替えたページを大量に作る
  • NG③|ランキング目的でリンクを購入する
  • NG④|対価と引き換えにクチコミを集める

 

検索順位を短期間で上げようとする施策のなかには、Googleのポリシーに反するものがあります。

 

次の4つは、不動産会社のSEO対策で特に避けたいことです。

 

NG①|ポータルサイトや他社の文章を流用する

Googleのスパムに関するポリシーは、他のサイトのコンテンツを集めて、検索ランキングの操作を目的に掲載する行為を「スクレイピング」としています(2026年9月2日更新)。

 

物件の説明や地域の紹介は、ポータルサイトや他社の文章を写さず、自社で確かめた情報をもとに書きましょう。

 

NG②|地域名だけを入れ替えたページを大量に作る

同じポリシーは、ユーザーの役に立つことではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを作る行為を「大量生成されたコンテンツの不正使用」としています。

 

対応エリアのページを作る場合も、地域ごとに実際の取引や暮らしの情報を載せ、中身のないページは作らないようにしましょう。

 

NG③|ランキング目的でリンクを購入する

同じポリシーは、ランキングを上げることを目的としたリンクの売買を、リンクスパムの例に挙げています。

 

お金を払ってリンクを集める施策は、スパムポリシーに違反するおそれがあり、サイトの評価を下げるリスクがあります。

 

NG④|対価と引き換えにクチコミを集める

Googleマップのポリシーは、金銭や割引、無料のサービスなどと引き換えにクチコミの投稿を求める行為を禁止しています。

 

成約のお礼としてクチコミを依頼する場合も、特典と引き換えにしたり、良い評価だけを選んで依頼したりしないようにしましょう。

 

不動産会社のSEO対策を外注するときの選び方

カフェで話すビジネスウーマン

 

この章でわかること
  • ポイント①|表示規約を踏まえた提案ができるか
  • ポイント②|物件データのしくみに合わせた改善ができるか
  • ポイント③|同業種での実績があるか
  • ポイント④|施策の内容と理由を共有してくれるか

 

不動産会社のSEO対策を外注する場合は、一般的なSEOの知識に加えて、不動産の広告表示のルールや物件データの扱いに詳しいかが重要です。

 

次の4つのポイントで依頼先を比べましょう。

 

ポイント①|表示規約を踏まえた提案ができるか

SEOの知識があっても、表示規約を知らなければ、使えない用語を含む見出しや記事を作ってしまうおそれがあります。

 

提案や原稿が表示規約のどの規定を踏まえているかを説明できる会社を選びましょう。

 

ポイント②|物件データのしくみに合わせた改善ができるか

物件ページは、物件管理のシステムから自動で作られている場合があり、改善できる範囲がシステムによって変わります。

 

自社が使っているシステムで、物件ページのタイトルや構造をどこまで変えられるかを、外注先と一緒に確認しましょう。

 

ポイント③|同業種での実績があるか

Googleの公式ガイドは、SEO業者に尋ねる質問として、同業種での実績を挙げています。

 

不動産会社の支援実績と、その事例でどの検索語句から問い合わせが増えたのかを確認しましょう。

 

ポイント④|施策の内容と理由を共有してくれるか

同じ公式ガイドは、サイトに加えたすべての変更と、アドバイスの理由を伝えてくれるかも確認するよう勧めています。

 

何をどう変えたのかが分かれば、自社でも表示規約に沿っているかを確認できます。

 

まとめ:不動産会社のSEO対策は「地域の情報」と「表示規約に沿った正確さ」で差がつく

住宅購入と鍵の引き渡しを表す契約イメージ

 

本記事では、不動産会社のSEO対策で狙うキーワード、やるべき施策、表示規約のルール、やってはいけないこと、外注先の選び方を解説しました。

 

  • キーワードは「エリア+物件の条件」「売却・査定の相談」「住まい探しの疑問」の3種類に分けて、受け止めるページを決める
  • エリアページの地域情報、正確な物件情報、売却ページ、会社とスタッフの情報、Googleビジネスプロフィールを整える
  • ホームページも表示規約の対象で、特定の用語、おとり広告、二重価格、所要時間の表示に決まりがある
  • 文章の流用、中身のないページの量産、リンクの購入、対価と引き換えのクチコミ依頼は避ける
  • 外注先は、表示規約の理解、物件データのしくみへの対応、同業種の実績、施策の説明で選ぶ

 

まずは売却・査定のページとエリアページを見直し、自社だからこそ書ける情報が載っているかを確認するところから始めましょう。

 

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