弁護士のSEO対策では、取扱い分野ごとに相談者の疑問に答えるページを整えつつ、日本弁護士連合会の業務広告のルールに沿って表示することが欠かせません。

 

法律事務所のホームページは、相談者を集めることを目的とする以上、弁護士の業務広告として扱われます。

 

そのため、一般的なSEOの手法をそのまま当てはめると、「専門」の表記や解決事例の書き方などで、ルールに反する表現になってしまうおそれがあります。

 

本記事では、弁護士のSEO対策で狙うキーワード、やるべき施策、守るべき業務広告のルール、やってはいけないこと、外注先の選び方を、日本弁護士連合会とGoogleの公式資料をもとに解説します。

 

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この記事でわかること
  • 弁護士のSEO対策で狙うキーワードの種類
  • 取扱い分野のページや費用の表示など、弁護士のSEO対策でやるべき5つの施策
  • 「弁護士等の業務広告に関する規程」と指針で守るべきルール
  • 弁護士のSEO対策でやってはいけないことと、外注先の選び方

 

弁護士のSEO対策の全体像。相談者に必要な情報をそろえながら日本弁護士連合会の業務広告のルールに沿って表示する。キーワードを3種類に分ける、5つの施策でページを整える、業務広告のルールで確認、NGを避けて外注先を選ぶ

 

弁護士のSEO対策とは

相談者と面談をする女性弁護士

 

弁護士のSEO対策とは、法律の問題を抱えた人に、検索結果から法律事務所のホームページを見つけてもらい、相談につなげる取り組みです。

 

日本弁護士連合会の「弁護士等の業務広告に関する規程」は、広告を、自己や自己の業務を知らせるための情報の伝達・表示行為のうち、顧客や依頼者になるよう誘引することを主な目的とするものと定めています(第2条)。

 

相談の依頼につなげるためのホームページや記事は、この規程の「広告」にあたると考えて、ルールに沿って作る必要があります。

 

この規程は2025年12月5日に改正され、改正部分は2026年4月1日と7月1日から順に施行されています。

 

弁護士のSEO対策で狙うキーワードの種類

スマホを見て笑うシニアカップル

 

この章でわかること
  • 種類①|相談先を探すキーワード
  • 種類②|法律問題のキーワード
  • 種類③|手続きや費用の疑問のキーワード

 

狙うキーワードは3種類。相談者の状況によって検索語句が変わるため種類ごとに受け止めるページを決める。相談先を探す、法律問題、手続き・費用

 

弁護士のSEO対策で狙うキーワードは、相談者の状況によって、大きく3つに分けられます。

 

キーワードの種類検索語句の例受け止めるページ
相談先を探すキーワード〇〇市 弁護士 離婚/〇〇駅 法律事務所トップページ・取扱い分野のページ/Googleビジネスプロフィール
法律問題のキーワード交通事故 示談金/残業代 請求取扱い分野ごとの解説ページ
手続きや費用の疑問のキーワード弁護士費用 相場/相続放棄 期限費用のページ・よくある相談の解説記事

 

種類①|相談先を探すキーワード

地域名や駅名と「弁護士」「法律事務所」、分野名を組み合わせた検索語句です。

 

相談に最も近いキーワードのため、取扱い分野のページとGoogleビジネスプロフィールの両方で受け止めましょう。

 

種類②|法律問題のキーワード

交通事故や労働問題など、自分の問題について調べるときの検索語句です。

 

問題の解決の流れや必要な準備を説明し、弁護士に相談すべき場面を示すページを用意しましょう。

 

種類③|手続きや費用の疑問のキーワード

弁護士費用や手続きの期限など、依頼の前に確かめたいことを調べるときの検索語句です。

 

費用の考え方や手続きの期限を正確に説明すると、依頼を迷っている人の不安を減らせます。

 

弁護士のSEO対策でやるべき5つの施策

書類を見る弁護士男性のイメージ

 

この章でわかること
  • 施策①|取扱い分野ごとにページを分ける
  • 施策②|弁護士の氏名と所属弁護士会を表示する
  • 施策③|費用の種類と考え方を明示する
  • 施策④|解決事例は、依頼者の同意と特定されない形を確認して載せる
  • 施策⑤|Googleビジネスプロフィールを整える

 

やるべき5つの施策。業務広告のルールに沿いながら相談者が知りたい情報をそろえる。取扱い分野ごとにページを分ける、弁護士の氏名と所属弁護士会を表示する、費用の種類と考え方を明示する、解決事例は同意と特定されない形を確認、Googleビジネスプロフィールを整える

 

ここからは、弁護士のSEO対策でやるべき施策を5つ紹介します。

 

いずれも、業務広告のルールに沿いながら、相談者が知りたい情報をそろえるための施策です。

 

施策①|取扱い分野ごとにページを分ける

離婚、相続、交通事故、企業法務など、取扱い分野ごとにページを分けると、検索する人が自分の問題に合うページにたどり着きやすくなります。

 

業務広告に関する指針は、「取扱い分野」「取扱い業務」という表示は、専門などの評価を伴わないため、規程に違反しないとしています。

 

分野ごとのページの見出しには、「専門」ではなく「取扱い分野」などの表記を使いましょう。

 

施策②|弁護士の氏名と所属弁護士会を表示する

規程の第9条は、弁護士が広告をするときは、氏名と所属弁護士会を表示しなければならないと定めています。

 

弁護士法人の場合は、名称、主たる法律事務所などの名称、所属弁護士会の表示が求められます。

 

弁護士の紹介ページに加えて、分野ごとのページや記事の中でも、誰が情報を出しているかが分かるようにしましょう。

 

施策③|費用の種類と考え方を明示する

規程の第9条の2は、電話やメールなどの通信手段で法律事務を受任する場合の広告に、受任する範囲、報酬の種類・金額・算定方法と支払時期、契約の解除と精算の方法を表示するよう求めています。

 

オンラインで依頼を受ける場合はもちろん、それ以外の場合も、相談料・着手金・報酬金などの種類と算定方法を分かりやすく載せましょう。

 

施策④|解決事例は、依頼者の同意と特定されない形を確認して載せる

規程の第4条は、過去に取り扱った事件を、依頼者の書面などによる同意がある場合などを除いて、広告に表示してはならないと定めています。

 

解決事例を載せる場合は、依頼者の書面またはメールなどでの同意を得るか、依頼者が特定されず利益を損なうおそれがない形かを確認しましょう。

 

同意を得た場合も、規程の第11条にもとづき、同意を証する書面などを広告の終了から3年間保存する必要があります。

 

施策⑤|Googleビジネスプロフィールを整える

「地域名+弁護士」のような検索では、地図とともに法律事務所の一覧が表示されることがあります。

 

Googleは、ローカル検索の順位は主に関連性・距離・知名度で決まり、ビジネスの情報が充実していて正確なほど表示されやすくなると説明しています。

 

オーナー確認を済ませ、事務所の名称、所在地、相談の受付時間、取扱い分野を、ホームページと同じ内容で登録しましょう。

 

弁護士のSEO対策で守るべき業務広告のルール

弁護士イメージ

 

この章でわかること
  • ルール①|禁止されている7つの広告を避ける
  • ルール②|勝訴率や依頼者名など、表示できない事項がある
  • ルール③|「専門」「スペシャリスト」などの表示は控えるのが望ましい
  • ルール④|広告物と広告業者との契約の記録を保存する

 

守るべき業務広告のルール。SEOのために書く記事も業務広告の対象規程と、その解釈を示した指針の両方を押さえる。第3条、第4条、第9条、第11条

 

弁護士の業務広告には、日本弁護士連合会の「弁護士等の業務広告に関する規程」と、その解釈を示した「業務広告に関する指針」(2026年2月19日最終改正)があります。

 

SEOのために書く記事も対象になるため、次の4つのルールを押さえておきましょう。

 

ルール①|禁止されている7つの広告を避ける

規程の第3条は、禁止される広告として、次のものを挙げています。

 

誇大又は過度な期待を抱かせる広告

出典:日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」

 

第3条はこのほか、事実に合致していない広告、誤導または誤認のおそれのある広告、困惑させたり過度な不安をあおったりする広告、特定の弁護士や事務所と比較した広告、法令や会則に違反する広告、品位や信用を損なうおそれのある広告を禁止しています。

 

「必ず勝てる」「地域で一番」のような表現や、他の事務所と比べる表現は、SEOのための見出しや記事でも使わないようにしましょう。

 

ルール②|勝訴率や依頼者名など、表示できない事項がある

規程の第4条は、訴訟の勝訴率を広告に表示してはならないと定めています。

 

顧問先や依頼者、受任中の事件、過去に取り扱った事件も、依頼者の書面などによる同意がある場合などを除いて、表示できません。

 

指針は、勝訴率の表示を、誤導または誤認のおそれのある広告として規程に違反する例に挙げています。

 

ルール③|「専門」「スペシャリスト」などの表示は控えるのが望ましい

業務広告に関する指針は、専門分野の表示について、次のように述べています。

 

客観性が担保されないまま専門家、専門分野等の表示を許すことは、誤導のおそれがあり

出典:日本弁護士連合会「業務広告に関する指針」

 

指針は、そのため専門家や専門分野の表示は控えるのが望ましいとし、スペシャリスト、プロ、エキスパートといった用語も同様だとしています。

 

一方で「得意分野」は主観的な評価と分かるため違反しないとされ、経験が多くない分野は「積極的に取り組んでいる分野」などと表示することが望ましいとされています。

 

ルール④|広告物と広告業者との契約の記録を保存する

規程の第11条は、広告物やその記録、広告をした日時や場所などの記録を、広告の終了から3年間保存するよう定めています。

 

2026年7月1日からは、広告業者との契約書や、その契約に関する入出金の記録も保存の対象になりました。

 

指針は、SEO対策のために第三者が管理するウェブサイトを利用する場合、広告配信の方針や報酬が発生する条件を記載した資料を保存するよう求めています。

 

ウェブサイトの広告は、リンク先のURLも含めて、データや印刷物で保存することとされています。

 

弁護士のSEO対策でやってはいけないこと

子どもの手のひらに注意イメージ

 

この章でわかること
  • NG①|実在しない「お客様の声」や、脚色した解決事例を載せる
  • NG②|弁護士の優劣を論じるランキング記事にお金を払ったり協力したりする
  • NG③|ランキング目的でリンクを購入する
  • NG④|地域名だけを入れ替えた中身のないページを大量に作る

 

検索順位や問い合わせを早く増やそうとする施策のなかには、業務広告の規程やGoogleのポリシーに反するものがあります。

 

次の4つは、弁護士のSEO対策で特に避けたいことです。

 

NG①|実在しない「お客様の声」や、脚色した解決事例を載せる

指針は、事実に合致していない広告の例として、架空の解決事例や脚色した解決事例、実在の依頼者が関与していない「お客様の声」を挙げています。

 

記事を外注する場合も、事例や依頼者の声は事務所が実際の内容と照らし合わせて確認しましょう。

 

実際には回答していない相談を含めて法律相談の実績を水増しすることも、同じく違反の例とされています。

 

NG②|弁護士の優劣を論じるランキング記事にお金を払ったり協力したりする

規程の第8条は、第三者が行う規程に抵触する情報の伝達や表示に対して、金銭などの利益を提供したり協力したりすることを禁止しています。

 

指針は、その例として、特定の弁護士の優劣を論じるランキング記事を挙げ、原稿の提供やアンケートへの回答、インタビューへの応答も「協力」にあたるとしています。

 

「おすすめ弁護士ランキング」などへの掲載を持ちかけられた場合は、内容が規程に抵触しないかを確認してから判断しましょう。

 

NG③|ランキング目的でリンクを購入する

Googleのスパムに関するポリシーは、ランキングを上げることを目的としたリンクの売買を、リンクスパムの例に挙げています(2026年9月2日更新)。

 

お金を払ってリンクを集める施策は、スパムポリシーに違反するおそれがあり、事務所のサイトの評価を下げるリスクがあります。

 

NG④|地域名だけを入れ替えた中身のないページを大量に作る

同じポリシーは、ユーザーの役に立つことではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを作る行為を「大量生成されたコンテンツの不正使用」としています。

 

対応地域のページを作る場合も、その地域の裁判所や相談の受け方など、実際に役立つ情報を載せましょう。

 

弁護士のSEO対策を外注するときの選び方

オフィスで会議をする若いビジネスマン

 

この章でわかること
  • ポイント①|業務広告の規程と指針を踏まえた原稿を作れるか
  • ポイント②|契約の内容と広告配信の方針を書面で出してくれるか
  • ポイント③|同業種での実績があるか
  • ポイント④|検索順位を保証しないか

 

弁護士のSEO対策を外注する場合は、一般的なSEOの知識に加えて、弁護士の業務広告のルールを理解しているかが重要です。

 

次の4つのポイントで依頼先を比べましょう。

 

ポイント①|業務広告の規程と指針を踏まえた原稿を作れるか

SEOの知識があっても、規程と指針を知らなければ、「専門」の表記や比較の表現を含む記事を作ってしまうおそれがあります。

 

原稿のどの表現を、規程や指針のどの部分にもとづいて直したのかを説明できる外注先を選びましょう。

 

ポイント②|契約の内容と広告配信の方針を書面で出してくれるか

規程と指針は、広告業者との契約書や、SEO対策で第三者のサイトを使う場合の広告配信の方針・報酬の条件を記載した資料の保存を求めています。

 

外注先が、作業内容と報酬の条件を記載した契約書や資料を出してくれるかを、契約前に確認しましょう。

 

ポイント③|同業種での実績があるか

Googleの公式ガイドは、SEO業者に尋ねる質問として、同業種での実績を挙げています。

 

法律事務所を支援した実績と、その事例でどのような分野の相談が増えたのかを確認しましょう。

 

ポイント④|検索順位を保証しないか

Googleは、SEO業者について解説した公式ガイドのなかで、次のように述べています。

 

Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません。

出典:Google 検索セントラル「SEO 業者の利用を検討する」

 

これは、検索エンジンを運営するGoogle自身の公式見解です(2026年6月10日更新のページ)。

 

順位の保証をうたう業者ではなく、相談件数などの成果の測り方と見通しを根拠とともに説明する会社を選びましょう。

 

まとめ:弁護士のSEO対策は「相談者に必要な情報」と「業務広告のルール」の両立から

ビルの契約をする作業着姿のビジネスマン

 

本記事では、弁護士のSEO対策で狙うキーワード、やるべき施策、業務広告のルール、やってはいけないこと、外注先の選び方を解説しました。

 

  • 相談者を集めるためのホームページや記事は、弁護士の業務広告にあたる
  • キーワードは「相談先を探す」「法律問題」「手続きや費用の疑問」の3種類に分けて、受け止めるページを決める
  • 取扱い分野のページ、氏名と所属弁護士会の表示、費用の明示、同意を得た解決事例、Googleビジネスプロフィールを整える
  • 誇大な広告や比較広告、勝訴率の表示は禁止され、「専門」の表示は控えるのが望ましい
  • 架空の「お客様の声」、ランキング記事への協力、リンクの購入、中身のないページの量産は避ける

 

まずは取扱い分野のページを1つ選び、表記や事例の書き方が規程と指針に沿っているかを確認するところから始めましょう。

 

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