士業のSEO対策は、手続きや悩みで検索する相談者に、担当する資格者と対応できる業務の範囲をはっきり示すページを用意することが中心になります。

 

士業は、それぞれの法律で資格者でなければできない業務が決まっているため、ほかの士業の業務まで引き受けるように読める書き方には注意が必要です。

 

本記事では、税理士・行政書士・司法書士・社会保険労務士を中心に、士業のSEO対策で狙うキーワード、やるべき施策、業際(業務の境界)の注意点、外注先の選び方を解説します。

 

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この記事でわかること
  • 士業のSEO対策で狙うキーワードの種類
  • 業務ごとのページや資格者の明示など、やるべき5つの施策
  • 税理士法・司法書士法・社会保険労務士法・行政書士法が定める業務の制限
  • 士業のSEO対策を外注するときの選び方

 

士業のSEO対策の3つの柱を並べた図。業務ごとのページでは手続きの流れ、必要な書類、期間、報酬の目安を手続きごとにまとめること、資格者の明示では記事や業務のページに執筆・監修した資格者の氏名と資格を載せること、業際を守る表示ではほかの士業の業務を引き受けるように読める書き方を避け、誰が担当するかを明記することを示している。

 

士業のSEO対策とは

契約書にサインをする女性の手元

 

士業のSEO対策とは、事務所のホームページを、手続きや悩みを抱えた人の検索で見つけてもらえるように整える取り組みです。

 

相談者は、事務所の名前よりも「相続 手続き」「会社設立 費用」のように、手続きや悩みの言葉で検索することが想定されます。

 

業務や手続きごとにページを分け、誰が担当し、いくらかかり、何をしてもらえるのかを示しましょう。

 

「士業 seo」はAhrefsの推計で月350回検索されており、事務所の側でもSEOの進め方を調べる人がいることが分かります。

 

士業のSEO対策で狙うキーワードの種類

スマートフォンを操作する女性医師

 

この章でわかること
  • 種類①|手続き名+地域(例:「相続登記 ○○市」「会社設立 ○○市」)
  • 種類②|悩み・状況(例:「相続 何から」「助成金 申請 方法」)
  • 種類③|費用(例:「相続登記 費用」「税理士 顧問料」)
  • 種類④|士業名+地域(例:「税理士 ○○市」「行政書士 ○○駅」)

 

士業のSEO対策で狙うキーワード4種類と受け止めるページを並べた図。手続き名+地域は依頼先を探している人の検索で、手続きごとのページで対応地域と担当する資格者を示す。悩み・状況は何から始めればよいか分からない人の検索で、手続きの流れや必要な書類の解説記事で受け止める。費用は予算を知りたい人の検索で、報酬の目安と金額が変わる条件を載せる。士業名+地域は近くの事務所を探している人の検索で、所在地、相談できる時間、資格者の紹介をまとめる。

 

士業のSEO対策で狙うキーワードは、次の4種類に分けて考えると、作るページを決めやすくなります。

 

種類検索する人受け止めるページ
手続き名+地域依頼先を探している人業務・手続きごとのページ
悩み・状況何から始めるか知りたい人手続きの流れの解説記事
費用予算の目安を知りたい人報酬の目安のページ
士業名+地域近くの事務所を探している人事務所紹介・アクセスのページ

 

種類①|手続き名+地域(例:「相続登記 ○○市」「会社設立 ○○市」)

依頼先を探している人の検索で、問い合わせに近いキーワードです。

 

手続きごとにページを作り、対応できる地域と担当する資格者を明記しましょう。

 

種類②|悩み・状況(例:「相続 何から」「助成金 申請 方法」)

何から始めればよいか分からない人の検索です。

 

手続きの流れや必要な書類を説明する記事で受け止め、相談の窓口へつなぎましょう。

 

種類③|費用(例:「相続登記 費用」「税理士 顧問料」)

依頼する前に予算を知りたい人の検索です。

 

報酬の目安と、金額が変わる条件を業務ごとに載せましょう。

 

種類④|士業名+地域(例:「税理士 ○○市」「行政書士 ○○駅」)

近くの事務所を探している人の検索です。

 

事務所の所在地、相談できる時間、資格者の紹介を1つのページにまとめましょう。

 

士業のSEO対策でやるべき5つの施策

パソコンを使って働く女性の手元

 

この章でわかること
  • 施策①|業務・手続きごとにページを分ける
  • 施策②|報酬の目安と、費用が変わる条件を載せる
  • 施策③|担当する資格者の情報を明記する
  • 施策④|よくある相談への回答を記事にする
  • 施策⑤|Googleビジネスプロフィールを整える

 

ここでは、士業の事務所がホームページで取り組みたい施策を5つ紹介します。

 

施策①|業務・手続きごとにページを分ける

「業務内容」のページに全部の業務を並べるだけでは、個別の手続きで検索する人の役に立ちにくくなります。

 

手続きの流れ、必要な書類、期間、報酬の目安を、手続きごとのページにまとめましょう。

 

施策②|報酬の目安と、費用が変わる条件を載せる

報酬が分からないと、相談者は問い合わせをためらいます。

 

「○万円から」の目安に加えて、書類の数や財産の内容など、金額が変わる条件も書きましょう。

 

施策③|担当する資格者の情報を明記する

Googleは、有用なコンテンツの作り方を説明したページで、次のように述べています。

 

著者の情報が求められるであろうコンテンツでは、バイラインを記載するなどして正確な著者の情報を追加することを強くおすすめします。

出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」

 

バイラインとは、記事の執筆者の名前を示す表示のことです(2026年10月7日更新のページ)。

 

記事や業務のページには、執筆・監修した資格者の氏名と資格、所属する会を載せましょう。

 

施策④|よくある相談への回答を記事にする

日々の相談で受ける質問は、同じ悩みを持つ人が検索する言葉と重なります。

 

事例を載せる場合は、依頼者の了承を得たうえで、個人や会社が特定されない形にしましょう。

 

施策⑤|Googleビジネスプロフィールを整える

「税理士 ○○市」のような地域の検索では、地図とともに事務所の一覧が表示されることがあります。

 

Googleビジネスプロフィールのヘルプは、地域の検索結果の順位を決める要素として、関連性、距離、知名度の3つを挙げています。

 

事務所の名称、所在地、相談できる時間、業務の内容を、ホームページとそろえて登録しましょう。

 

士業のSEO対策で注意したい「業際」のルール

ストレスチェック(女医とチェックリスト)

 

この章でわかること
  • ルール①|行政書士は、ほかの法律で制限された書類は作成できない
  • ルール②|ほかの士業の業務を引き受けるように読める表示を避ける
  • ルール③|資格の名称を正しく使う

 

税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士の4つの士業について、業務の制限を定める条文と主な業務を並べた図。税理士法第52条は税理士又は税理士法人でない者は税理士業務を行ってはならないと定め、主な業務は税務代理、税務書類の作成、税務相談。司法書士法第73条の主な業務は登記・供託の手続の代理や法務局に提出する書類の作成など。社会保険労務士法第27条の主な業務は労働社会保険諸法令にもとづく申請書等の作成や提出の手続の代行など。行政書士法第19条に業務の制限があり、行政書士もほかの法律で制限された書類は作成できない(第1条の3第2項)。

 

士業は、それぞれの法律で、資格者でなければ行えない業務が定められています。記事や業務のページを書くときは、この境界(業際)を越えないようにしましょう。

 

士業業務の制限を定める条文主な業務(各法の業務の条文より)
税理士税理士法第52条税務代理、税務書類の作成、税務相談(第2条)
司法書士司法書士法第73条登記・供託の手続の代理、法務局に提出する書類の作成など(第3条)
社会保険労務士社会保険労務士法第27条労働社会保険諸法令にもとづく申請書等の作成、提出の手続の代行など(第2条)
行政書士行政書士法第19条官公署に提出する書類、権利義務・事実証明に関する書類の作成など(第1条の3)

 

条文は、e-Gov法令検索で公開されている各法律の原文にもとづきます。

 

ルール①|行政書士は、ほかの法律で制限された書類は作成できない

行政書士法は、行政書士の業務について、次のように定めています。

 

行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

出典:e-Gov法令検索「行政書士法」第1条の3第2項

 

たとえば、税務書類の作成は税理士法、法務局に提出する書類の作成は司法書士法で、それぞれの資格者の業務とされています。

 

「書類の作成なら何でもお任せ」のような表現は避け、自分の資格で対応できる書類を具体的に書きましょう。

 

ルール②|ほかの士業の業務を引き受けるように読める表示を避ける

税理士法第52条は、税理士又は税理士法人でない者は税理士業務を行ってはならないと定めています。司法書士法第73条と社会保険労務士法第27条にも、同じように業務を制限する定めがあります。

 

ほかの士業と連携している場合は、「相続税の申告は提携する税理士が担当します」のように、誰が担当するかを明記しましょう。

 

ルール③|資格の名称を正しく使う

司法書士法第73条第3項は、司法書士でない者は、司法書士又はこれに紛らわしい名称を用いてはならないと定めています。

 

補助者やスタッフが書いた記事に資格者と誤解される肩書きを付けないこと、所属する士業会に広告に関する定めがあるかを確認することも大切です。

 

士業のSEO対策でやってはいけないこと

注意事項を確認!

 

この章でわかること
  • NG①|地域名だけを入れ替えたページを量産する
  • NG②|実在しない解決事例やお客様の声を載せる
  • NG③|ランキング目的でリンクを購入する

 

短期間で順位を上げようとして、Googleのポリシーに反する方法をとると、かえって事務所の信頼を失いかねません。

 

NG①|地域名だけを入れ替えたページを量産する

Googleのスパムに関するポリシーは、特定の地域や都市を対象としたページを複数持ち、そこから1つのページにユーザーを誘導することを、誘導ページの不正使用の例に挙げています(2026年9月2日更新)。

 

対応地域ごとのページを作るなら、その地域の窓口や来所の方法など、地域ごとに異なる情報を載せましょう。

 

NG②|実在しない解決事例やお客様の声を載せる

架空の事例や声は、相談者に誤った期待を与え、事務所の信頼を損ないます。

 

事例やお客様の声は、依頼者の了承を得た実際の内容だけを載せましょう。

 

NG③|ランキング目的でリンクを購入する

Googleのスパムに関するポリシーは、ランキングを上げることを目的としたリンクの売買を、リンクスパムの例に挙げています。

 

被リンクの購入を勧める提案は、ポリシーに違反するおそれがあるため受け入れないようにしましょう。

 

士業のSEO対策を外注するときの選び方

オフィスで会議をする若いビジネスマン

 

この章でわかること
  • ポイント①|士業の事務所を支援した実績があるか
  • ポイント②|業際を理解したうえで原稿を作れるか
  • ポイント③|資格者の執筆・監修の表示に対応できるか
  • ポイント④|検索順位を保証しないか

 

士業のSEO対策を外注するときは、次の4点を確認しましょう。

 

ポイント①|士業の事務所を支援した実績があるか

Googleの公式ガイドは、SEO業者に尋ねる質問として、同業種での実績を挙げています。

 

税理士や行政書士など、自分と同じ士業の事務所の支援事例を、どの検索語句で何が改善したのかとあわせて示してもらいましょう。

 

ポイント②|業際を理解したうえで原稿を作れるか

士業の記事は、書き方しだいで、ほかの士業の業務を引き受けるように読めてしまいます。

 

原稿を公開する前に、どの法律に照らして表現を確認するのかを説明できる会社を選びましょう。

 

ポイント③|資格者の執筆・監修の表示に対応できるか

外注先が記事を書く場合も、内容を確認した資格者を示すことで、読む人が情報の信頼性を判断しやすくなります。

 

資格者が内容を確認する工程と、監修者の表示方法が提案に含まれるかを確認しましょう。

 

ポイント④|検索順位を保証しないか

Googleは、SEO業者について解説した公式ガイドのなかで、次のように述べています。

 

Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません。

出典:Google 検索セントラル「SEO 業者の利用を検討する」

 

これは、検索エンジンを運営するGoogle自身の見解です(2026年6月10日更新のページ)。

 

順位の保証ではなく、問い合わせや相談の件数など、成果の測り方を説明できる会社を選びましょう。

 

まとめ:士業のSEO対策は「業務ごとのページ・資格者の明示・業際の順守」から

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本記事では、税理士・行政書士・司法書士・社会保険労務士を中心に、士業のSEO対策を解説しました。

 

  • キーワードは、手続き名+地域、悩み・状況、費用、士業名+地域の4種類に分けて、受け止めるページを決める
  • 業務ごとのページ、報酬の目安、資格者の明示、よくある相談への回答、Googleビジネスプロフィールに取り組む
  • 各士業法は資格者でない者の業務を制限しており、行政書士はほかの法律で制限された書類を作成できない
  • ほかの士業と連携している場合は、誰が担当するかを明記し、資格の名称を正しく使う
  • 外注先は、士業の支援実績、業際の理解、資格者の監修への対応、順位を保証しない姿勢で選ぶ

 

まずは自分の資格で対応できる業務を整理し、業務ごとのページと資格者の紹介をそろえるところから始めましょう。

 

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