SaaS企業のLLMO対策は、製品の選定、機能や連携、セキュリティと契約、導入事例など、AIに聞かれやすい質問に答えるページを公開し、比較の根拠と独自の事例、AIのクローラーの扱いを整えることが基本です。

 

本記事では、法人向けのSaaS企業に絞って、AIに聞かれやすい質問と作りたいページ、やるべき施策、AIのクローラーの扱い、避けたい施策、外注先の選び方を解説します。

 

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この記事でわかること
  • SaaSの選定でAIに聞かれやすい質問と、作りたいページ
  • 最初に作るページや導入事例、比較記事の書き方など4つの施策
  • ChatGPTの検索に関わるクローラーの扱い
  • SaaS企業のサイトで避けたい施策と、外注先の選び方

 

SaaS企業のLLMO対策の3つの柱を並べた図。製品の基本情報では、製品でできること、向いている会社、料金の考え方を、ログインせずに読める1つのページにまとめる。独自の事例と比較では、導入事例を業種や規模、変わった数字と担当者の言葉で書き、競合との比較記事は根拠と方法を示して向いていない場合も正直に書く。クローラーの扱いでは、ChatGPTの検索機能に使われるOAI-SearchBotをrobots.txtなどで止めず、学習への利用は別に方針を決める。

 

SaaS企業のLLMO対策とは

パソコンとクリップボード

 

SaaS企業のLLMO対策とは、AIによる概要やAIモード、ChatGPTなどの対話型のAIがツールの選び方に答えるときに、自社の製品が正しく紹介されるように整える取り組みです。

 

「ai検索」は月7,900回、「ai モード」は月25,000回検索されており(Ahrefsの推計、2026年10月時点)、AIを使った検索への関心の高さがうかがえます。

 

AIに参照されやすいよう、製品の情報を検索で見つかるページとして公開し、内容を正確で新しい状態に保ちましょう。

 

運営側でも、「saas llmo」(同30回)のように、SaaS企業のLLMO対策の進め方を調べる検索が見られます。

 

SaaS企業のLLMO対策で押さえたい、AIに聞かれやすい質問と作りたいページ

WEB SITEの積み木とキーボード

 

この章でわかること
  • 種類①|選定の相談(例:「会計ソフト おすすめ」「勤怠管理システム おすすめ」)
  • 種類②|機能・連携(例:「api 連携」)
  • 種類③|セキュリティ・契約(例:「sla とは」「saas セキュリティ」)
  • 種類④|導入事例(例:「saas 導入事例」)

 

SaaS企業のLLMO対策で押さえたい、AIに聞かれやすい4つの質問と作りたいページを並べた図。選定の相談は、会計ソフト おすすめがGoogleで推計月1,700回検索されており、製品の紹介ページに向いている会社の規模や業種、向いていない場合を書く。機能・連携は、api 連携が月900回検索されており、機能の一覧と連携できるサービス、APIの公開の有無をログインせずに読めるページで示す。セキュリティ・契約は、sla とはが月2,200回検索されており、セキュリティの取り組みと稼働率の目標などの契約の条件をまとめる。導入事例は、saas 導入事例が月200回検索されており、事例を業種や規模、課題で探せるように整理する。

 

ツールの選定では、比較や条件の確認を含む質問がAIに寄せられます(数値はGoogleでの検索数で、Ahrefsの推計)。

 

ここでは、4種類の質問と、答えを載せるページを紹介します。

 

種類①|選定の相談(例:「会計ソフト おすすめ」「勤怠管理システム おすすめ」)

「会計ソフト おすすめ」は月1,700回、「勤怠管理システム おすすめ」は月900回、「sfa おすすめ」と「crm おすすめ」はいずれも月700回検索されています。

 

自社に合うツールの候補を、AIに挙げてもらうときにも使われる質問です。

 

製品が向いている会社の規模や業種、向いていない場合を、製品の紹介ページにはっきり書きましょう。

 

種類②|機能・連携(例:「api 連携」)

「api 連携」は月900回検索されています。

 

今使っているシステムとつなげられるか、必要な機能があるかを確かめる質問です。

 

機能の一覧と、連携できるサービス、APIの公開の有無を、ログインせずに読めるページで示しましょう。

 

種類③|セキュリティ・契約(例:「sla とは」「saas セキュリティ」)

「sla とは」は月2,200回、「saas セキュリティ」は月450回、「セキュリティチェックシート」は月400回検索されています。

 

情報システムの担当者が、導入の前に安全性や契約の条件を確かめるための質問です。

 

セキュリティの取り組みと、稼働率の目標や障害の連絡などの契約の条件を、まとめたページを作りましょう。

 

種類④|導入事例(例:「saas 導入事例」)

「saas 導入事例」は月200回検索されています。

 

同じ業種や規模の会社が、どのように使っているかを知りたい担当者の質問です。

 

導入事例を業種や規模、課題で探せるように整理し、事例ごとにページを分けましょう。

 

SaaS企業のLLMO対策でやるべき4つの施策

売上分析と戦略イメージ ビジネスイメージ

 

この章でわかること
  • 施策①|最初に、製品の基本情報をまとめたページを作る
  • 施策②|導入事例は、業種・規模・数字と担当者の言葉で書く
  • 施策③|競合との比較記事は、比較の根拠と方法を示す
  • 施策④|セキュリティと契約の情報を、公開のページにまとめる

 

SaaS企業のLLMO対策でやるべき4つの施策を並べた図。最初に製品の基本情報では、製品の概要、主な機能、向いている会社、料金の考え方、導入の流れをログインせずに読める1つのページにまとめる。事例は数字と言葉ででは、AIシステムはさまざまなソースをチェックするため目立つ独自の視点があると役立つことから、導入事例に業種と規模、導入前の課題、使った機能、変わった数字、担当者の言葉を書く。比較は根拠と方法を示すでは、消費者庁が示す比較広告の3つの要件である客観的な実証、正確かつ適正な引用、公正な比較の方法を参考に、比べた項目と時点、情報の出典を書く。セキュリティを公開するでは、取得している認証、データの保管場所、稼働率の目標、障害の連絡の方法を更新した日とあわせて公開のページにまとめる。

 

質問に答えるページを用意したら、次の4つの施策で中身を整えます。

 

施策①|最初に、製品の基本情報をまとめたページを作る

法人向けのSaaSでまず作りたいのは、何ができるのか、誰に向いているのか、いくらで使えるのかを、1つのページで答える製品の基本情報のページです。

 

こうした基本情報が資料のダウンロードの先にしかないと、AIも担当者も、製品の全体像をつかみにくくなります。

 

製品の概要、主な機能、向いている会社、料金の考え方、導入の流れを、ログインせずに読める1つのページにまとめましょう。

 

施策②|導入事例は、業種・規模・数字と担当者の言葉で書く

Googleは、生成AI検索向けのガイドで、独自の視点について次のように述べています。

 

AI システムはさまざまなソースをチェックするため、目立つ独自の視点があると役立ちます。

出典:Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」

 

同じガイドは、体験談は個人的な経験にもとづく独自の視点をもたらす一方、既存のコンテンツの要約はほかで手に入る情報の言い換えにすぎないとしています(2026年10月9日更新)。

 

導入事例は、顧客の了承を得て、業種と規模、導入前の課題、使った機能、変わった数字、担当者の言葉を書きましょう。

 

施策③|競合との比較記事は、比較の根拠と方法を示す

消費者庁は、比較広告が不当表示とならないための要件として、主張する内容が客観的に実証されていること、実証された数値や事実を正確かつ適正に引用すること、比較の方法が公正であることの3つを示しています。

 

この考え方は一般消費者向けの表示を前提にしたものですが、法人向けの比較記事でも、根拠と方法を示すことは読み手の信頼につながります。

 

比較記事では、比べた項目と時点、情報の出典を書き、自社の製品が向いていない場合も正直に示しましょう。

 

施策④|セキュリティと契約の情報を、公開のページにまとめる

セキュリティの情報が営業の担当者からの個別の回答だけだと、担当者は比較の初期の段階で確かめることができません。

 

よく聞かれる項目を公開しておけば、問い合わせの前の確認と、社内での説明がしやすくなります。

 

取得している認証、データの保管場所、稼働率の目標、障害の連絡の方法などを、更新した日とあわせて公開のページにまとめましょう。

 

SaaS企業のLLMO対策で確かめたい、AIのクローラーの扱い

屋外でスマホを使う女性・ビジネスウーマン

 

この章でわかること
  • 扱い①|ChatGPTの検索に表示されるには、OAI-SearchBotを止めない
  • 扱い②|検索での表示と学習への利用は、別々に設定できる

 

OpenAIの公式の説明をもとに、AIのクローラーの2つの扱いを並べた図。検索用は止めないでは、OAI-SearchBotはChatGPTの検索機能でサイトを表示するために使われ、拒否したサイトは検索の回答に表示されないため、robots.txtやWAFで意図せず拒否していないかを確かめる。学習は別に決めるでは、GPTBotは生成AIの基盤モデルの学習に使われる可能性のあるコンテンツの収集に使われ、拒否すると学習に使わないよう示せるうえ、それぞれの設定は独立しているため、検索への表示と学習への利用の方針を別々に決めてrobots.txtに書き分ける。

 

ChatGPTの検索機能にサイトが表示されるかどうかは、OpenAIのクローラーをrobots.txtでどう扱うかにも左右されます。

 

ここでは、OpenAIの公式の説明から2つのポイントを紹介します。

 

扱い①|ChatGPTの検索に表示されるには、OAI-SearchBotを止めない

OpenAIは、OAI-SearchBotをChatGPTの検索機能でサイトを表示するために使い、OAI-SearchBotを拒否したサイトはChatGPTの検索の回答に表示されない(ナビゲーションのリンクとしては表示される場合がある)としています。

 

そのうえで、検索結果に表示されるよう、robots.txtでOAI-SearchBotを許可することを勧めています。

 

robots.txtやWAFの設定で、OAI-SearchBotを意図せず拒否していないかを確かめましょう。

 

扱い②|検索での表示と学習への利用は、別々に設定できる

OpenAIは、GPTBotを生成AIの基盤モデルの学習に使われる可能性のあるコンテンツの収集に使い、GPTBotを拒否すると学習に使わないよう示せるとしています。

 

また、それぞれの設定は独立しており、OAI-SearchBotを許可して検索に表示されるようにしつつ、GPTBotを拒否することもできると説明しています。

 

検索への表示と学習への利用のそれぞれを社内で方針として決め、robots.txtにクローラーごとに書き分けましょう。

 

SaaS企業のLLMO対策でやってはいけないこと

注意する男性スタッフ

 

この章でわかること
  • NG①|プレスリリースや記事広告に、作為的なアンカーテキストのリンクを入れる
  • NG②|AIに推薦されるように、製品名を不自然に繰り返す

 

Googleのスパムに関するポリシー(2026年9月2日更新)は、Google検索の生成AIの応答を操作する試みもスパムに含めています。

 

ここでは、SaaS企業のサイトで特に避けたいことを2つ紹介します。

 

NG①|プレスリリースや記事広告に、作為的なアンカーテキストのリンクを入れる

Googleは、検索ランキングの操作を主な目的としたリンクの作成を、リンクスパムとしています。

 

その例として、ランキングの評価を渡すリンクや、ほかのサイトで配布されるプレスリリースなどに作為的なアンカーテキストのリンクを含め、その掲載に支払いをすることを挙げています。

 

プレスリリースは製品の事実を伝える目的で配信し、配信先に載せる自社へのリンクは、名前どおりの自然なリンクにとどめましょう。

 

NG②|AIに推薦されるように、製品名を不自然に繰り返す

Googleは、ランキングを操作する目的でページにキーワードを詰め込むことを、キーワードの乱用としています。

 

その例として、同じ単語や語句を不自然なほど繰り返すことを挙げています。

 

比較表やよくある質問に製品名を詰め込むのではなく、質問への答えと根拠を、読み手に伝わる文章で書きましょう。

 

SaaS企業のLLMO対策を外注するときの選び方

明るい会議室で意見交換するビジネスチーム

 

この章でわかること
  • ポイント①|AIの回答をどう計測するかを説明できるか
  • ポイント②|比較記事の根拠と方法まで確かめて原稿を作れるか
  • ポイント③|robots.txtなどの技術的な設定まで相談できるか
  • ポイント④|AIへの掲載や検索順位を保証しないか

 

SaaS企業のLLMO対策を外注するときは、次の4点を確かめましょう。

 

ポイント①|AIの回答をどう計測するかを説明できるか

対象にするAI、確かめる質問の選び方と数、記録の頻度、検索のデータとの組み合わせ方を聞きましょう。

 

ポイント②|比較記事の根拠と方法まで確かめて原稿を作れるか

比較記事で根拠のない優位性をうたうと、読み手の信頼を失い、トラブルにもなりかねません。

 

比較の項目と出典、比較の方法を、原稿を公開する前に一緒に確かめる手順があるかを確かめましょう。

 

ポイント③|robots.txtなどの技術的な設定まで相談できるか

AIのクローラーの扱いや、ログインせずに読めるページの設計まで、技術的な設定を含めて提案できるかを確かめましょう。

 

ポイント④|AIへの掲載や検索順位を保証しないか

Googleは、SEO業者について解説した公式ガイドのなかで、次のように述べています。

 

Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません。

出典:Google 検索セントラル「SEO 業者の利用を検討する」

 

これは、検索エンジンを運営するGoogle自身の見解です(2026年6月10日更新のページ)。

 

AIへの掲載の保証ではなく、作業の内容と成果の測り方を説明できる会社を選びましょう。

 

まとめ:SaaS企業のLLMO対策は「製品の基本情報・独自の事例・クローラーの扱い」から

握手する女性2人

 

本記事では、SaaS企業に絞って、AIに聞かれやすい質問と作りたいページ、やるべき施策、AIのクローラーの扱い、避けたい施策、外注先の選び方を紹介しました。

 

  • 選定の相談、機能・連携、セキュリティ・契約、導入事例の4種類の質問に答えるページを用意する
  • 最初に、製品の基本情報をログインせずに読める1つのページにまとめる
  • 導入事例は業種・規模・数字と担当者の言葉で書き、比較記事は根拠と方法を示す
  • セキュリティと契約の情報を公開のページにまとめる
  • ChatGPTの検索に表示されるようOAI-SearchBotを止めず、学習への利用はGPTBotで別に決める
  • プレスリリースの作為的なリンクや、製品名の不自然な繰り返しは避ける

 

まずは製品の基本情報が、資料のダウンロードの先ではなく、公開のページで読めるかを確かめましょう。

 

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