PHPの脆弱性「php2shell」をきっかけに、
「今のホームページをこのままにしていいのか」「作り変えるなら何で作るのが正解なのか」と考え直す企業が増えています。

 

WordPressのままでいいのか、AIで手軽に作り直せばいいのか、
ノーコードのサービスなら安全なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか?

 

この記事では、今回の騒動で見えた「作った後」の問題を整理し、AIで作るときの危険性と、
ノーコードのサービスで実際に起きたセキュリティの出来事を紹介します。

 

そのうえで、Wix、WordPress、AI作成、
Studioの4つを比べ、作り変えるときの最適解をまとめました。

 

※2026年10月22日時点の情報をもとにしています。

php2shell騒動で見えた「作った後」の問題

php2shell騒動で見えた「作った後」の問題

php2shellは、
WordPressなど多くのシステムの土台であるPHP本体に見つかった、深刻な脆弱性です。

 

欠陥がPHPにあるため、WordPressを最新にしても塞がらず、
サーバーのPHPを更新する必要がありました。

 

このとき多くの企業がつまずいたのは、
技術そのものより「そのPHPを誰が更新するのか」という点でした。

 

ビジネス動画メディアPIVOTの解説でも、イーセットジャパンの永野智社長が、
今日確認すべきこととして「PHPを使っているか」「更新の責任者は誰か」「いつまでに直すか」の3つを挙げています(PIVOT NEWS(YouTube))。

 

ホームページは作って終わりではなく、
作った後に土台を誰が守るかまで含めて選ぶ時代になったと言えます。

WordPressにアラートが出ている背景

WordPressにアラートが出ている背景

WordPressそのものが悪いわけではありません。

 

世界中で使われている優れたCMSで、自由度の高さは今も大きな魅力です。

 

それでも今回、WordPressのサイトにアラートが集まったのには、
次のような背景があります。

 

1つ目|サーバーの保守は、利用者側の責任になる契約が多い

 

PIVOTの解説では、クラウドやレンタルサーバーを使っていても、
PHPやOSの保守は利用者側の責任とする契約が一般的だと指摘されています。

 

制作会社に外注していても裏側でPHPが動いていることは多く、
保守の範囲が契約で決まっていないと「誰も直さない」状態が生まれます。

 

2つ目|「作って放置」のサイトが多い

 

公開後に更新されないまま残っているサイトや、
サポートが終わった古いPHPで動き続けているサイトは、攻撃の標的になりやすくなります。

 

今回もPHP 8.1以前には公式の修正が出ず、移行が必要になりました。

 

3つ目|プラグインやテーマの更新とは別の作業が必要だった

 

WordPressの運用に慣れている担当者ほど、
「プラグインを更新すれば大丈夫」と考えがちです。

 

今回はその外側にある土台の問題だったため、ふだんの運用では手が届きませんでした。

AIでホームページを作る危険性

AIでホームページを作る危険性

最近は、AIを使って短時間でホームページを作るサービスやツールも増えました。

 

作るハードルが下がったこと自体は、大きな前進です。

 

一方で今回の騒動は、AIの時代ならではの危険性も浮かび上がらせました。

 

脆弱性が見つかるスピードが上がっている

 

報道によると、今回の脆弱性はOpenAIの取り組みに参加する研究チームなどが見つけたもので、
OpenAIは自社のAIモデルが発見に役立ったとし、
今後こうした発見が増えるとの見方を示しています(ANNnewsCH)。

 

PIVOTの解説でも、「何年も問題なく動いてきた」ことは、
もはや安全の根拠にならないと指摘されています。

 

攻撃のスピードも上がっている

 

公表から45分で悪用の試みが数万件に達し、
その後数百万件規模になったという報告もあります(ITmedia NEWS)。

 

脆弱性が公表されてから対応するまでの猶予は、どんどん短くなっています。

 

作るのが簡単になっても、守る責任は残る

 

AIでコードやページを生成して自分でサーバーに置く場合、
そのサーバーや使っている仕組みの更新は、作った人の責任になります。

 

作るのは一瞬でも、公開している限り守り続ける必要があるという点は変わりません。

ノーコードでも油断はできない Studioで起きた不正アクセス

ノーコードでも油断はできない Studioで起きた不正アクセス

「それならノーコードのサービスに乗り換えれば安心」と考えたくなりますが、
話はそれほど単純ではありません。

 

国産のノーコードツールとして人気のStudioは、10月16日、
第三者による不正アクセスで利用者の情報が外部に流出した可能性があると公表しました(Studio公式のお知らせ)。

 

お知らせによると、9月30日から10月1日にかけて、
Studioの一部機能の脆弱性を突いてクラウド環境に不正アクセスがあり、登録しているすべての利用者が対象とされています。

 

流出した可能性がある情報には、アカウント情報、サイトのデザインやCMSの内容、
フォームの送信内容、APIキーなどの認証情報が含まれると説明されています。

 

Studioは脆弱性を修正して経路を塞ぎ、認証情報の切り替えや個人情報保護委員会への報告を行ったうえで、
利用者にパスワードの変更や認証情報の再設定を呼びかけています。

 

なお、この件とPHPの脆弱性との関係は、お知らせには書かれていません。

 

さらに10月21日には、PHPの脆弱性の告知を受けて、
予防措置として一部機能を一時停止したことをXで告知しています(Studio公式のXポスト)。

 

ここで伝えたいのは、Studioを選んだことが間違いだったという話ではありません。

 

どんな仕組みにも脆弱性は見つかりうるもので、大切なのは、
提供する側が早く公表して手を打つことと、使う側がすぐにパスワード変更などで動けることです。

Wix・WordPress・AI作成・Studioを比較

Wix・WordPress・AI作成・Studioを比較

作り変えの候補になりやすい4つを、セキュリティの観点で比べてみます。

作り方土台(サーバーなど)の保守今回のPHPの脆弱性2026年10月の主な出来事向いている会社
WixWix影響なし(WixのVP Engineeringが発信)Wix System Statusに関連する障害の記載なし(10月22日時点)保守に人手をかけず、デザインや機能も妥協したくない会社
WordPress自社・委託先・サーバー会社対象(サーバーのPHP更新が必要)php2shellで多くのサイトが対応に追われた保守の体制や契約がある会社
AI作成(生成して自分で公開)自社使っている仕組みしだい脆弱性の発見と攻撃のスピードが上がっている技術に詳しい担当者がいる会社
StudioStudio予防措置として一部機能を一時停止別件の不正アクセスによる情報流出の可能性を公表デザインの自由度を重視する会社

この表は、どれかを下げるためのものではありません。

 

WordPressは保守の体制があれば今も有力な選択肢で、
Studioも公表と対応を進めています。

 

今回の件で分かったのは、何を選ぶにしても、
セキュリティをしっかり固めておくことに損はないということです。

結局、作り変えるなら何が最適か

結局、作り変えるなら何が最適か

最適な作り方は、会社の体制によって変わります。

会社の状況おすすめの考え方
Webの専任担当やエンジニアがいない土台の保守をサービス側に任せられるSaaS型(Wixなど)が合理的
すでにWordPressで、保守契約がある契約の範囲(PHPの更新・痕跡の調査まで入っているか)を確認して継続
WordPressだが、保守の担当が決まっていない保守契約を結ぶか、SaaS型への移行を検討
予約・会員・決済など独自の仕組みが必要開発会社と保守の範囲を明確にしたうえで開発

社内にエンジニアがいない中小企業の多くにとっては、
作った後の保守までサービス側に任せられるかどうかが、いちばん大きな判断軸になります。

 

その意味で、Wixのようにサーバーの管理をサービス側が担い、
今回のPHPの脆弱性の影響も受けなかった仕組みは、作り変えの有力な候補です。

 

ただし、どのサービスでも、
2段階認証やパスワードの使い回しをしないといった利用者側の守りは欠かせません。

Wixで作り変えるなら 相談先の選び方

Wixで作り変えるなら 相談先の選び方

Wixで作り変える場合、構成やデザイン、公開後の運用まで任せたいなら、
Wixに詳しい制作会社に相談するのが近道です。

 

選ぶときは、Wixのパートナープログラムでのレベルと、実際の制作実績を確認すると安心です。

 

おすすめを1社挙げるなら、
Wixレジェンドレベルパートナーの株式会社ラジャです(筆者が代表を務める会社です)。

 

Wixでのホームページ制作代行の費用相場や会社の選び方は、
Wixホームページ制作代行おすすめ10選で詳しく解説されています。

まとめ

php2shellの騒動で見えたのは、
ホームページは「何で作るか」だけでなく「作った後に土台を誰が守るか」で選ぶべきだということです。

 

AIで作る場合も守る責任は残り、
ノーコードのサービスでもセキュリティの出来事は起こりえます。

 

どれを選ぶにしても、提供する側の対策と、使う側の対策の両方を固めておくこと。

 

そのうえで、保守に人手をかけられない会社にとっては、
土台の管理をサービス側に任せられるWixのような仕組みが現実的な最適解になります。