2026年10月に当たった動画広告438本を1本ずつ見て、どんな「型」がどれくらいあるかを数えました。型は83個、13の群にまとまりました。
「この商品だと、どんな作りの動画がいいですか?」は、打ち合わせでいちばんよく聞かれる質問です。人が話す形がいいのか、アニメがいいのか、文字だけでもいいのか。私自身も、いま当たっている広告の型がずっと気になっていて、1本ずつ6つの場面を見て、作り方で分けてみました。
(この記事の「当たった」は、配信量が多かったという意味です。売上や成果までは分かりません)

当たった動画広告の型 13の群と配信量の割合の一覧

先に3行でまとめると

  • 型は83個あり、13の群にまとまりました。いちばん大きいのは「文字・レイアウトで見せる」で、配信量の17%でした
  • 文字・ナレーション・AIアニメ・手元・価格カードなど、実写の人が話さない型を足すと、配信量の約半分になります
  • SNSでよく見る「検証・比較」は5本、1%だけ。ふだんの投稿で伸びる型と、広告で当たる型はかなり違いました

13の群と、それぞれの主な型

配信量の割合が大きい順に並べました。かっこの中は本数です。

群ごとの一場面(ぼかし)

1. 文字・レイアウトで見せる(63本・17%)

写真やイラストに大きな文字を重ねて、紙芝居のようにめくる型です。動く図解(モーショングラフィックス)が16本、風景や素材の写真に縦書きの大見出しを重ねる型が10本、白い背景に画像と文字を並べる型が7本ありました。サプリや日用品、ネット通販に多く、音を消して見ても内容が伝わります。

2. ナレーション+素材(71本・13%)

本数はいちばん多い群です。イメージの映像や商品のカットに、ナレーションを重ねて説明します。美容では、肌や髪の寄りのカットと商品だけで、声を入れない作りも15本ありました。

3. 人が語る・1人(49本・12%)

1人がカメラに向かって話す型です。31本は医師や講師など専門家の語りで、投資講座や医薬品、育毛剤に多く見られました。「質問募集中」の箱を持って質問に答えていく型や、上に患者さんの自撮りを置いてスタッフが語る型など、新しい形もありました。

4. AI・アニメ(40本・11%)

3DCGのキャラクターが悩みを演じる物語が14本、骸骨や体の中の3DCGで原因を見せる解説が11本です。子ども向けのサプリや口のケア用品など、実写だと見せにくい悩みに使われていました。

5. 口コミ・UGC風(36本・9%)

スマホで自撮りしたような体験談です。料理やメイクをしながら話す「ながら語り」や、美容部員・エステティシャンなど肩書きと年齢を出して同じ質問に答えるリレーもありました。

6. コント・企画・有名人(25本・8%)

居酒屋やカフェでの2人の会話劇が9本、掛け合いのコントが6本、タレントやインフルエンサーの起用が4本です。

7. 切り抜き風(24本・6%)

上下に帯を付け、長い番組や対談の一部を切り出したように見せる型です。本物の対談や番組を使うものが7本、自分たちで撮って切り抜きのように見せるものが8本でした。投資講座や医薬品に多く見られました。

8〜13. そのほかの群

  • 撮影なし・手元(29本・5%):便利グッズを取り付けて使う手元を、音声なしで見せる型が10本
  • 街・店で撮る(26本・5%):街頭インタビューが16本。育毛剤やローン、スキンケアに多い
  • メニュー・チラシ・価格カード(23本・5%):映像の上下に価格と店名をずっと出しておく型が13本。料金表やチラシをそのまま動画にした型も
  • ブランドCM(24本・5%):テレビCMを縦に組み直したものが19本
  • 暮らしを見せる(23本・4%):帰宅から夕食までなど、日常を速いカットでつなぐVlogが16本
  • 検証・比較・クイズ(5本・1%):「◯日間使うとどうなる?」など

意外だった3つのこと

実写の人が話さない型が、約半分

文字・レイアウト、ナレーション+素材、AI・アニメ、撮影なし・手元、メニュー・価格カードの5つの群を足すと、本数で226本、配信量で約51%になりました。演者に話してもらわなくても、当たっている広告はたくさんあります。

SNSで伸びる型は、広告の上位にはあまりない

支度しながら話す「GRWM」、購入品の紹介、コメントへの返信、ドッキリなど、ふだんのSNS投稿で人気の型は、今回の上位にはほとんど出てきませんでした。検証・比較も5本だけです。広告では「何の商品で、いくらで、誰向けか」を早く伝える作りが選ばれているように見えます。

価格や題名を、画面に置きっぱなしにする

メニュー・価格カードの群に限らず、映像の上下に価格や題名を固定しておく作りが、いくつもの群で見られました。途中から見た人にも、何の広告かが伝わり続けます。

型を選ぶときに気をつけていること

私たちが型を選ぶときは、まず商品の業種で上位の型を見て、次に演者の人数と撮影の手間を考えます。演者1人なら「人が語る」「口コミ風」、撮影をしないなら「文字・レイアウト」「AI・アニメ」が候補になります。
テレビ番組風やニュース風、有名人の起用、アニメ作品の場面を使う型は、権利の確認と、見た人が本物の番組と思い込まない作りが欠かせません。

Xでは毎日12時に「業界別・先月の1位」を分解しています

この記事の型分けは、Xの毎日の分解シリーズと同じDProのデータから作りました。Xでは1本を6つの場面に分けて、訴求と構成、編集のコツを1枚の画像にまとめています。よければのぞいてみてください。

データはいつものDProで

今回も、動画広告分析Pro(DPro)でデータを集めました。438本の場面の画像を並べて見られるので、1本ずつ型を付けるのがとても楽でした。
外にいる時は、スマホのDPro Liteで今日の上位をめくっています。気づけばホーム画面に2つ入っていて、夜はお酒を片手にずっと眺めています。

スマホのホーム画面に入れたDPro Lite

調べ方

  • 対象:2026年10月の30日間に配信量の多かった、獲得目的・縦型の動画広告のうち、日本語の491本。海外向けやギャンブルなど53本を除いた438本です
  • 1本ずつ、長さの3%・18%・36%・54%・72%・92%の6つの場面を並べて目で見て、いちばん目立つ作りの型を1つだけ付けました
  • 配信量の割合は、DProの推定(30日間の増加分)に占める割合です。売上や成果を示すものではありません
  • 場面の画像は、各群で配信量がいちばん多かった1本の一場面で、広告主や人物が分からないようぼかしています

この記事を書いた人

樋口 慧(株式会社BUZZ MEET)
ショート動画広告の企画・撮影・編集・運用を担当。納品した広告動画は1,000本以上・100社以上、提携演者は1,600名以上。

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