ショート動画広告は、最初のひと言で見てもらえるかが決まります。
では2026年、実際に当たった広告はどんな言葉で始まっていたのか。
2026年1月〜10月に配信量の多かった日本の獲得広告から、文字起こしの残っている273本の「冒頭のひと言」を集め、型ごとに分けてみました。
(この記事の「当たった」は、配信量が多かったという意味です。売上や成果までは分かりません)

この記事では、そこから見えた冒頭の型を10個、キャプチャ(ぼかしを入れています)と一緒に紹介します。台本を書くときのネタ帳として使ってください。

キャプチャ(ぼかし)

まず数字から:冒頭は「約19文字」

冒頭のひと言の長さは、中央値で19文字でした。
広告のナレーションは1秒に6〜7文字ほどの速さなので、約3秒で言い切っている計算です。「最初の3秒」で勝負が決まる、というのは数字の上でもその通りでした。

273本の冒頭を、言葉の特徴で分けるとこうなります(1本が複数に当てはまることがあります)。

キャプチャ(ぼかし)
  • いちばん多いのは、数字を入れる冒頭(64本)。「最大5センチ」「3選」「20代」のように、具体的な数を最初に出す
  • 次に多いのが問いかけ(34本)と、「〜な人」と相手を名指しする呼びかけ(24本)
  • 「やめてください」「ヤバい」のような警告・否定も23本
  • 「私」「僕」から始まる体験談は21本

半分強は、こうした分かりやすい型のどれかに当てはまっていました。ここからは、実際の広告でよく使われていた10の型を見ていきます。

1. 呼びかけ+祝福

キャプチャ(ぼかし)

「〇〇な女性、おめでとうございます」のように、悩みのある人を名指ししたうえで、逆の言葉を重ねる型です。
ポイントは、名指しの範囲をはっきり絞ること。「女性」だけでなく「〇〇に悩んでいる女性」まで言うと、当てはまる人は自分のことだと気づきます。

2. やめてください型

キャプチャ(ぼかし)

良かれと思ってやっている行動を、いきなり否定する入り方です。
「〇〇していませんか?今すぐやめてください」のように、問いかけと否定を続けて使うと、見る人は「自分は損をしていないか」を確かめたくなります。

3. 思い込みを否定する

キャプチャ(ぼかし)

「〇〇は老眼じゃない」のように、多くの人が当たり前だと思っていることをひっくり返す型です。
1文で「え、そうなの?」を作れるので、その後の説明に自然とつながります。
ただし、健康食品や化粧品で症状の改善を思わせる言い方は、薬機法で使えません。使える業種と言い方を確認したうえで使います。

4. 当てはまるとヤバい○選

キャプチャ(ぼかし)

「当てはまるとヤバい〇〇の特徴」のように、数や項目を先に示すチェックリスト型です。
見る人は「あと何個あるか」を数えながら見るので、離脱しにくくなります。子ども向けや健康の商品で特に多く見られました。

5. 体のサインを示す

キャプチャ(ぼかし)

「〇〇な人は△△のサイン」と、身近な症状に名前をつける型です。
普段なんとなく気になっていたことに理由がつくので、「自分も当てはまるかも」と続きを聞きたくなります。
ただし、健康食品や化粧品で病気の名前や症状を出す言い方は、薬機法で使えません。この型は、使える業種と言い方を確認したうえで使います。

6. 会話の途中から始める

キャプチャ(ぼかし)

寸劇の広告では、あいさつや前置きをせず、会話の真ん中から始めるものがほとんどでした。
「えっ、この車が〇〇万円?」のように、驚きの数字をいきなりセリフで出すと、見る人は状況をつかもうとして次のセリフを待ちます。

7. 自信のない本人

キャプチャ(ぼかし)

「僕、〇〇すら知らないんですけど」のように、知識のない人が自分の弱みを先に言う型です。
同じ立場の視聴者が自分を重ねやすく、その人がどう変わるのかを最後まで見届けたくなります。投資や副業の講座でよく使われていました。

8. 肩書き+年齢テロップ

キャプチャ(ぼかし)

話す人の職業と年齢をテロップで出してから話し始める型です。
「美容部員・53歳」と出るだけで、同じ言葉でも重みが変わります。何人も続けて出すと「みんながすすめている」空気が作れます。

9. ビフォーを先に見せる

キャプチャ(ぼかし)

変化の前の姿から見せて、後を気にさせる型です。
ただし、健康食品や化粧品は「効果をうたう表現」のルールが厳しい業種です。見せ方と言い方は、必ずルールを確認してから使います。

10. ポイント数え上げ

キャプチャ(ぼかし)

「借りられるポイント、5つ教えます」のように、最初に数を約束する型です。
手続きや条件の説明が多い金融やサービスの商品でも、数を数えながら最後まで見てもらえます。

冒頭を書くときに、私たちが気をつけていること

10の型を並べると、共通点が見えてきます。

誰に向けた広告かを、最初の3秒で言い切る

呼びかけ、思い込みの否定、体のサイン。どの型も「誰のための話か」が最初の1文で分かります。

冒頭で使う型は1つにしぼる

問いかけと警告と数字を全部入れると、何の話か分からなくなります。1本に1つの型、が基本です。

同じ商品で、冒頭だけ変えた版を何本も出す

冒頭は、いちばん差が出る場所です。私たちは本編はそのままに、冒頭だけ違う版を作って比べるようにしています。

業種の表現ルールを先に確認する

「必ず治る」「絶対痩せる」のような言い切りは、使えない業種が多くあります。強い冒頭ほど、ルールの確認が欠かせません。

調べ方

  • 対象:日本の獲得目的・縦長の動画広告。2026年1月〜10月に配信を始め、配信量の多かった上位の広告
  • 冒頭の文字起こしが残っていた273本を、言葉の特徴で分類
  • キャプチャは、各期間の上位20本から型ごとに選び、広告主や人物が分からないようぼかしを入れています
  • 配信量は「どれだけ配信されたか」の目安で、売上や成果を示すものではありません
  • 広告の言葉は、広告主が分からないよう一部を「〇〇」に置き換えています

データは、動画広告分析Proで集めました。冒頭の文字起こしまで一覧で見られるので、今回のような「冒頭の型集め」がとても楽になります。
https://kashika-20mile.com/dpro/

2026年の型の移り変わりは、こちらの記事にまとめています。
https://freelance-meikan.com/freelance/1646/blog/3138

業種別の当たり型はこちらです。
https://freelance-meikan.com/freelance/1646/blog/3142

この記事を書いた人

樋口 慧(株式会社BUZZ MEET)
ショート動画広告の企画・撮影・編集・運用を担当。納品した広告動画は1,000本以上・100社以上、提携演者は1,600名以上。

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