社員3人の会社が、AIに任せる業務をどう決めているか
- 石丸 真平
- 記事制作日2026年10月21日
- 更新日2026年10月21日
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社員が3人、5人、多くても十数名という会社の経営者から、同じ相談をよく受けます。人を増やす前に、AIに回せる業務をまず見極めたいという相談です。採用には時間もコストもかかります。先に業務を整理しなければ、何人必要かも、どんな人を採るべきかも決まりません。
私が経営するネクストスケールも、社員は数名で動いています。デジライズの事業運営にも関わっていますが、どちらも人数で勝負する組織ではありません。だからこそ、AIに任せる業務の選び方を、自社と支援先の両方で試してきました。今回はその判断基準を整理します。
人を増やす前に整理しておく業務の棚卸し
最初にやるべきことは、ツール選びではありません。今、社内で誰が何をしているかを書き出すことです。小さな会社ほど、業務が個人の頭の中にしかなく、本人以外は把握していません。棚卸しをすると、同じ作業を複数人がそれぞれのやり方でしている、ということがよく見つかります。
棚卸しの単位は、部署や職種ではなく「作業」にします。例えば「営業事務」ではなく「見積書の作成」「請求書の発行」「顧客への初回メール返信」のように分けます。作業単位まで分解しないと、AIに任せられる部分と、人が判断すべき部分が混ざったまま残ります。
私が支援先でよく使う方法は、1週間分の作業を本人にメモしてもらうことです。所要時間と、やり方を誰かに説明できるかどうかも一緒に書いてもらいます。これだけで、次に挙げる3条件に当てはめる準備ができます。
AIに任せやすい業務の3条件
手順が言語化できる
本人が「いつもこうやっている」と口で説明できる業務は、AIに任せやすい業務です。逆に「その場の空気で決めている」「相手によって対応を変えている」業務は、言語化が終わっていないので、まだ任せる段階ではありません。言語化できないまま任せると、出てきた結果を毎回人が全部直すことになり、むしろ手間が増えます。
やり直しが効く
一度送ってしまうと取り返しがつかない業務、例えば契約条件の最終確認や、重要な顧客への謝罪連絡は、AIの出力をそのまま使うのは避けた方がいいと考えています。一方で、議事録の下書きや、社内向けの資料の初稿は、間違っていても誰かが見て直せます。やり直しが効く業務から任せると、失敗しても被害が小さく済みます。
判断が少ない
「この条件なら承認」「この条件なら保留」のように、判断の分岐が少ない業務は任せやすくなります。分岐が多い業務は、判断の基準自体を先に整理する作業が必要になるので、AI導入の前にもう一段階、業務整理が必要だということです。
逆に、人が持つべき業務
任せられない業務にも共通点があります。一つは、相手との関係性そのものが価値になっている業務です。顧客との信頼関係を築く商談や、社員への評価面談は、内容以前に「誰が言うか」が重要なので、人が持つべきだと考えています。
もう一つは、会社として初めて判断する業務です。過去に例のない価格設定や、新しい取引先との契約条件は、まだ基準が存在しません。基準がないものをAIに判断させると、根拠のない出力をそのまま信じてしまう危険があります。基準ができるまでは、経営者か責任者が判断し、その判断を言語化してから、次回以降の任せる業務に回すという順番が安全です。
この切り分けを誤ると、AIに任せた業務の品質が落ちて、結局人が全部やり直す羽目になります。少人数の会社ほど、この手戻りのダメージが大きいので、最初の切り分けを丁寧にやる価値があります。
小さな会社で実際に起きた詰まり方と、その戻し方
ある支援先では、問い合わせ対応の一次返信をAIに任せたところ、最初の2週間はうまくいきました。ところが、問い合わせの内容が少し複雑になった途端、見当違いの返信が増え始めました。原因は、担当者が「典型的な質問」だけを想定して手順を作り、例外のパターンを言語化していなかったことでした。
戻し方はシンプルでした。例外が出た時だけ、担当者が一度目を通して直す運用に戻し、直した内容を蓄積していきました。1か月ほどで例外パターンが見えてきた段階で、再びAIに戻しました。つまり、任せる範囲を一度狭めて、基準が固まったら広げ直すという往復が、小さな会社では現実的な進め方になります。
任せて失敗したら人がやるに戻す、この往復ができるかどうかが、AI導入がうまくいく会社とそうでない会社の差だと、私は現場で何度も見てきました。最初から完璧な線引きを目指すより、戻せる前提で始める方がうまくいきます。
最初の1業務を選ぶ時の優先順位
いくつも同時に任せようとすると、どこで詰まったのか分からなくなります。最初は1業務に絞ることをおすすめしています。選ぶ基準は、頻度が高く、失敗しても影響が小さい業務です。頻度が高いと効果を早く確認できますし、影響が小さいと試行錯誤がしやすくなります。
議事録の要約、社内向け資料の初稿作成、定型メールの下書きなどは、この条件に当てはまりやすい業務です。逆に、頻度は高くても失敗の影響が大きい業務、例えば請求額の確定は、最初の1業務には向きません。
1業務で効果が確認できたら、その成功パターンを言語化して、次の業務に広げます。この順番を守ると、人を増やす前にどこまでAIで回せるかが、感覚ではなく実績で見えてきます。
私たちはこの業務選定から実装、社員教育、効果測定までを、1業務に絞って一緒に進めるFDE型のAX伴走支援を行っています。人を増やす前にどこまで任せられるか整理したい方は、ネクストスケールまでお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人

稼働ステータス
◎現在対応可能
- 石丸 真平
職種
コンサルタント
経営・戦略コンサルタント
希望時給単価
10,000円~30,000円
株式会社ネクストスケール代表取締役の石丸真平です。 中小企業のAX(AIトランスフォーメーション)を、戦略から現場実装まで一気通貫で支援しています。 AIを「個人の効率化ツール」で終わらせず、経営・業務・人材に組み込んで、会社の利益を伸ばせる体制づくりを一緒に進めます。 ■ 提供サービス 1. 法人向け実践型生成AI研修 御社の実際の業務(メール、議事録、提案準備、社内文書など)を題材に、社員が生成AIを使い、結果を確認して仕事へ戻せるようにする研修です。座学で終わらせず、現場で使う手順まで持ち帰れる形にします。 2. FDE型AX伴走支援 経営・業務の課題整理→優先業務の選定→AIの実装→社員教育→運用→効果測定まで伴走します。まず効果を確かめられる1業務に絞り、現場で動く仕組みまで作ります。AI担当役員を外部に置く感覚でご利用いただけます。 3. マーケティングAX 集客・問い合わせ・商談のどこを直すべきかを整理し、優先する媒体と導線に絞って制作・改善・効果確認まで進めます。広告・SEO・SNS・LP・営業支援の中から、御社の主力商品に合う施策を選びます。 ■ こんなお悩みの方へ ・ChatGPTは使っているが、会社の利益につながっていない ・AI研修を受けたが、現場で使われていない ・改善したい業務はあるが、設計・実装・運用を進める人がいない ・記事やSNSを更新しても商談につながらない ■ 実績・経歴 ・2002年 愛媛県生まれ。15歳でWeb制作を始め、フリーランスとして活動 ・2022年 19歳で株式会社ネクストスケールを創業(愛媛・東京を拠点) ・株式会社デジライズ 事業部責任者を兼務。AI研修・AI開発・AXコンサルティングを推進 ・愛媛新聞、FM愛媛、PR TIMESなど掲載メディア35社以上 ・愛媛スタートアップサミット2024、若者サミットなどに登壇 ■ 進め方 まず現状をうかがい、「最初の30日で確認したい成果」を1つ決めてから提案します。目的が固まっていない制作だけのご依頼より、戦略・計画段階からのご相談を歓迎します。 会社サイト:https://nextscale.co.jp/ お問い合わせは上記サイトからお待ちしております。
スキル
AI活用
戦略設計
業務改革
・・・(登録スキル数:12)
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