動画広告の打ち合わせで、よく聞かれる質問があります。
「演者は女性と男性、どちらがいいですか?」

感覚で答えるのはやめて、2026年1月〜10月に配信量の多かった日本の獲得広告から、各期間の上位20本(延べ120本。9〜10月は配信量順と伸び順で同じ広告が多く重なるため、実際の広告は103本)の主役を1本ずつ数えてみました。
(この記事の「当たった」は、配信量が多かったという意味です。売上や成果までは分かりません)
結論から言うと、女性が主役の広告がいちばん多いのは確かです。ただ、男性向けの商品でも女性が主役になっていたり、男性が「医師」「社長」として強い役を担っていたり、単純な答えではありませんでした。

キャプチャ(ぼかし)

全体では、女性が主役の広告が最多

各期間の上位20本の主役を「女性」「男性」「男女」「人物なし」に分けると、こうなりました。

キャプチャ(ぼかし)
  • 配信量順で見た5つの期間はすべて、女性が主役の広告がいちばん多い(20本中8〜11本)。9〜10月の伸び順だけは男性6・女性5・男女5と並びます
  • 男性が主役の広告は、どの期間もほぼ5本前後で安定
  • 人物が出てこない広告(図解・静止画・物だけ)も4〜7本ある
  • いま伸びている順で見ると、男女が一緒に出てくる広告が5本に増えている

「とりあえず女性」は、数の上では外れていません。ただ、中身を見ると、役割がはっきり分かれていました。

男性向けの商品でも、主役は女性が多い

商品が男性向けか、それ以外かで分けて見ると、意外な結果が出ました。

キャプチャ(ぼかし)
  • 男性向けの商品(男性のクリニック、メンズ脱毛、育毛、車査定など)でも、主役は女性が19本、男性は7本
  • 女性向け・男女向けの商品では、女性32本、男性24本と、差が小さくなる

男性向けの商品で女性が主役になる理由は、2つあると考えています。
ひとつは、男性が言いにくい悩みを、女性が代わりに話すことで重くなりすぎないこと。もうひとつは、単純に目を止めてもらいやすいことです。

女性が主役の広告:「すすめる人」として出てくる

キャプチャ(ぼかし)

女性が主役の広告で多かったのは、商品をすすめる側の役です。

  • インタビュー形式で、何人もの女性が同じ商品をすすめる
  • 「美容部員・53歳」のように肩書きと年齢を出して話す
  • 自宅で自撮りしたような距離感で、使った感想を話す

見る人と同じ立場の「使っている人」として出てくることが多く、信頼感を作る役割を担っていました。

男性が主役の広告:「教える人」「変わる人」として出てくる

キャプチャ(ぼかし)

男性が主役の広告では、役がはっきり2つに分かれました。

  • 教える側:医師、専門家、社長、先輩。理由や仕組みを説明する役
  • 変わる側:「僕、何も知らないんですけど」という自信のない本人。相談して変わっていく役

寸劇の広告では、社長と社員、先輩と後輩のような男性同士の掛け合いも多く見られました。説明が多い金融・車・講座の商品では、男性が主役になる割合が高くなっています。

男女が一緒に出てくる広告が増えている

キャプチャ(ぼかし)

秋になって増えたのが、夫婦や家族、ビフォー・アフターのように男女が一緒に出てくる広告です。
「夫に言われて気づいた」「家族の反応が変わった」のように、周りの人の目線を入れると、変化に説得力が出ます。

AIキャラは「女性」と「子ども」が中心

キャプチャ(ぼかし)

夏から増えたAIアニメの広告では、主役のキャラも数えました。

  • 7〜8月は上位20本のうち6本がAIアニメ。主役が人型のキャラだった5本はすべて女性のキャラで、残る1本は骸骨のキャラ
  • 秋は、子どものキャラも出てきた

実写の演者を立てにくい悩み(口臭、子どもの栄養など)でも、キャラなら最後まで見てもらえます。演者の性別を決める前に「実写にするか、キャラにするか」から考えるのも一つの手です。

演者の性別を決めるときの考え方

数えてみて分かったのは、「女性か男性か」より「どの役で出すか」が大事だということです。私たちは次の順番で決めています。

1. まず役を決める

すすめる人、教える人、変わる人、相談する人。広告の中でどの役が必要かを先に決めます。

2. 役に合う性別と年代を選ぶ

すすめる人は、ターゲットと同じ性別・年代。教える人は、その分野でいちばん信頼されそうな人。変わる人は、ターゲットが自分を重ねられる人です。

3. 性別を変えた版も作って比べる

同じ台本で、演者だけ女性版と男性版を作って出すと、商品ごとの答えがはっきりします。迷ったら両方作って、配信の結果で決めるのがいちばん確実です。

私たちは提携演者1,600名の中から、年代・雰囲気・役柄に合わせて演者をご提案しています。

調べ方

  • 対象:日本の獲得目的・縦長の動画広告。2026年1月〜10月を2か月ずつに分け、配信量の多い上位20本ずつ(延べ120本、9〜10月の伸び順を含む。実際の広告は103本)
  • 主役の性別は、シーンのコマを1本ずつ目で見て分類。同じ商品の別バージョンも1本として数えています
  • キャプチャは広告主や人物が分からないよう、ぼかしを入れています
  • 配信量は「どれだけ配信されたか」の目安で、売上や成果を示すものではありません

データは動画広告分析Proで集めました。
https://kashika-20mile.com/dpro/

2026年の型の移り変わりは、こちらの記事にまとめています。
https://freelance-meikan.com/freelance/1646/blog/3138

当たった広告の冒頭のひと言10選はこちらです。
https://freelance-meikan.com/freelance/1646/blog/3139

業種別の当たり型はこちらです。
https://freelance-meikan.com/freelance/1646/blog/3142

この記事を書いた人

樋口 慧(株式会社BUZZ MEET)
ショート動画広告の企画・撮影・編集・運用を担当。納品した広告動画は1,000本以上・100社以上、提携演者は1,600名以上。

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