【アプリ開発費用まとめ】個人制作・外注時の料金や相場の金額はいくらか徹底解説!
- 田中 太郎
- 記事制作日2021年01月02日
- 更新日2022年02月25日
現在スマホの普及とともに、自社アプリがマーケティングにおいて非常に重要な役割を果たすようになっています。このため多くの企業がスマホアプリをリリースし、自社サービスの魅力の発信などに利用しています。
ところが、いざアプリ開発に興味を持って調査を始めてみても開発コストがどの程度になるかわからず、困っている担当者も多いかもしれません。
そこでこの記事では開発するアプリの種類別に、どの程度費用を要するのかを紹介していきます。
今回の記事は、以下の流れで説明していきます。
・アプリの種類ごとに、開発費用は15万円から1億円以上かかる
・アプリの機能を追加するごとに、開発費用は3万円から1,000万円以上かかる
・アプリの開発費用後にかかる固定費について
・アプリの開発費用を抑えるためのポイント
・アプリの開発費用をシミュレーションする方法
なお、アプリ開発の外注を検討されている方は、フリーランス名鑑の利用をおすすめします。
フリーランス名鑑は国内最大級のフリーランス検索サイトで、アプリを外注できるフリーランスを探すのに役立ちます。条件や能力から希望のフリーランスを検索できるため、利用すれば自社で開発したいアプリのレベルやコストに見合った依頼先を探せる可能性が高まります。
登録不要・仲介料無料で利用できるサービスなので、少しでも気になった方はぜひ活用してみてください。
アプリ開発費用の計算方法
スマホ向けアプリの開発をする際、費用の計算方法は以下の2種類があります。
・機能固定額制
それぞれ以下で詳しく解説します。
人月単価制
人月単価とは、エンジニア1人が1ヶ月稼働した場合にかかる費用のことです。この人月単価を用いて費用計算をするのが人月単価制で、具体的には「人月単価×全工程に要する期間×稼働人数」で費用を求めます。
具体例として、あるアプリを作るのに人月単価が100万円のエンジニアを2人雇って開発に3か月かかったとします。この場合、開発費は100×3×2=600万円となります。
人月単価制で気を付けたいのは、完成までの期間がコストを左右する点です。当初の計画よりも開発が遅れた場合には、その分の費用がかさんでしまいます。
当初の見積もりよりも実際に支払う金額が高くなることもあるので、注意が必要です。
機能固定額制
機能固定額制とは、アプリで開発する機能ごとに報酬額を設定する方法です。
例えば、トップページを作ったら10万円、決済機能を実装したら50万円と固定の報酬額を決めておきます。
人月単価制では開発期間に連動して金額が変動しますが、機能固定額制であれば金額は変動しません。このため、機能固定制で計算された見積もりは実費との差異が生じにくく、発注者側にとってはメリットの大きい計算方法です。
また、受注者側も短時間で開発できればそれだけ時給が上がることになり利益が確保できるので、エンジニア側のモチベーションも高まるでしょう。
【アプリの種類別】開発費用の相場や目安予算はいくら?
アプリジャンル | 開発費用 |
---|---|
EC系アプリ | 400~900万円 |
コミュニケーション系アプリ | 200~600万円 |
ゲームアプリ | 800万円~ ※機能によっては5,000万以上の可能性もあり |
金融系アプリ | 1億円~ ※セキュリティ・免許の観点から、個人レベルでは開発不可 |
メディア系アプリ | 250万円~ |
店舗系アプリ | 600万円~ |
管理ツール系アプリ | 100~300万円 |
SNS位置情報系アプリ | 500~1,000万円 |
アプリ内課金・多言語・マップ対応アプリ | 30~80万円 |
SNS連携・アクセス解析系アプリ | 15〜30万円 |
カタログ・フリーペーパー系アプリ | 50~100万円 |
EC系アプリ:400~900万
EC系アプリとは、アプリ内で商品の購入ができる「ショッピングカート機能」を搭載したアプリのことです。具体例としてはユニクロやGUのスマホアプリが挙げられます。
開発費用の目安は400~900万円です。通常の決済機能に加え、追加でデザインをリッチにするなど、場合によってはこの金額より高くなることもあるので注意が必要です。
コミュニケーション系アプリ:200~600万
コミュニケーション系アプリとは、ユーザー同士が対話や写真のシェアなどを楽しめるアプリのことです。具体的なアプリ例としては、LINEやSkypeが挙げられます。
費用は200~600万円が目安となります。一般的に電話機能をつけると開発費が高額になりますが、電話機能なしであればもう少し安価で開発できる場合もあります。
ゲーム系アプリ:800万~
ゲーム系アプリは文字通り、ユーザーがゲームを楽しめるアプリを指します。
予算の目安は800万円~ですが、高品質なグラフィックを用いたり多数のキャラクターを登場させる場合は、より高額になり、5,000万以上の金額になる場合もあります。
ゲームアプリの開発は規模や仕様によって開発費にかなり差が出てくるので、一度見積もり依頼をしてみるのが安心でしょう。
金融系アプリ:1億円~
金融系アプリとは、アプリ内でお金を保有したり支払いができるアプリのことです。PayPayなどの電子決済アプリがその例です。
開発費用は1億円~(個人レベルでは開発不可)が目安です。顧客のお金を扱うため、ハッキングなどによる情報流出への対策が欠かせません。非常にハイレベルなセキュリティを必要とするため、開発費も高額になります。
メディア系アプリ:250万円~
メディア系アプリとは、動画の視聴や雑誌の閲覧ができるなど、いわゆるメディアの役割を果たすアプリのことです。具体的には、Youtubeアプリや電子書籍アプリなどが例に挙げられます。
メディア系アプリの開発費用は、250万円~が目安となっています。動画や画像など扱うデータの種類や、会員システムがあるかどうかによっても開発費用が異なります。
データを一覧表示させるだけでは、そこまで開発費用はかかりません。しかしオリジナルでログイン機能をつけたり、SNS機能をつけたりする場合は、費用が高額になります。
店舗系アプリ:600万円~
店舗系アプリは、飲食店や美容室などの店舗が利用するためのアプリを指します。ポイントカードのような機能をつけたり、プッシュ通知やクーポン配信などを行うことで、集客やリピーターの獲得を目指すという販促ツールです。
店舗系アプリの開発費用は600万円~です。近頃はスマホ普及で導入するお店が増えてきており、機能も多様化しています。
店舗系アプリでは、POSと連動させて売上データや顧客データを管理することもできます。そのほかGPSを用いた位置情報を結びつけショップの場所を表示したり、SNSとの連携も可能です。ただし周辺システムとの連携が複雑になるほど、開発コストも増します。
管理ツール系アプリ:100~300万円
管理ツール系アプリは、仕事などの管理に使えるツールが揃ったアプリのことです。日々の業務課題を解決するために企業やチームが導入するアプリであり、ChatworkやStockが代表例に挙げられます。
管理ツール系アプリには、タスク管理機能やガントチャート、カレンダー、チャットなどが備わっているのが基本となります。テレワークを導入する企業が増えている影響で、管理ツール系アプリは年々需要が高まっています。
管理ツール系アプリは比較的開発費用が安めで、物によっては100万円~での開発が可能です。ただし登録するユーザー数が多い場合や扱うデータ量が大きい場合など、場合によってはさらなる費用が必要となることがあります。
SNS位置情報系アプリ:500~1,000万円
SNS位置情報系アプリとは、位置情報を共有できる機能の付いたアプリのことです。アプリの代表的な例には、Zenlyが挙げられます。
SNS機能や位置情報を管理するシステムの開発には、多額な費用がかかります。なぜなら、リアルタイムの情報を常にやりとりできる仕組みが必要である他、「位置情報」など通信機能に関する開発も必要となるためです。SNS位置情報系アプリの開発費用は、平均で500~1,000万円ほどになっています。
モバイルデバイスの位置情報を扱う場合、機種によって大きくシステム費用やアプリ開発に必要な環境や条件が変わってきます。多くの機種に対応しようとなると、それだけ費用も高額となります。
アプリ内課金・多言語・マップ対応アプリ:30~80万円
アプリ内課金や多言語機能、マップ機能は、多くのPCやモバイルデバイスに通常搭載されている機能となります。これらの機能は単体でアプリへの搭載も可能で、その場合はかなり安い価格で開発ができます。
具体的にアプリ内課金・多言語・マップ対応アプリの開発にかかる費用は、各30~80万円と言われています。ただしシステム条件やOSの容量によっては、オプション素材として費用がかかる場合もあります。
SNS連携・アクセス解析系アプリ:15〜30万円
SNS連携やアクセス解析は、SNSを連携し一括連携したり、アクセス解析の機能を持つアプリのことを指します。
SNS連携機能を単体で実装する、アクセス解析のみを行うといった場合は、ノウハウも十分にある場合が多いです。既存データ利用し連携するだけの作業なので、15〜30万円程度で実装ができます。
一方で新しく個人情報を取得する場合は、この金額に限らないので注意しましょう。連携や解析そのものにはお金がかかりませんが、新たなデータベースを作るとなると土台づくりに資金が発生します。
SNS連携やアクセス解析系アプリを開発したい場合は、自分の行いたい内容が低価格の範囲内で本当にできるのか確認することが大切です。
カタログ・フリーペーパー系アプリ:50~100万円
カタログ・フリーペーパー系アプリは、名前の通り電子カタログ・電子フリーペーパーの役割を果たすアプリを指します。HOT PEPPERなどが例として挙げられます。
カタログ・フリーペーパー系アプリの開発にかかる費用は、50~100万円です。クーポンを伴ったメッセージ機能をつけたり、プッシュ通知機能をつけたりと、機能を拡張すればその分費用も発生します。
近年では競合との差別化を図るため、AR機能をつけたフリーペーパーアプリなども存在します。店舗系アプリにカタログやフリーペーパー機能を備えていることも多く、その場合は費用が高額になります。
【アプリの機能別】開発費用の相場や目安予算はいくら?
アプリ機能 | 開発費用 |
---|---|
メールアドレスを使用するログイン機能 | 20~40万円 |
ユーザーの会員データ管理機能 | 50~100万円 |
カメラ・時計・電卓などの機能 | 150万円 |
SNS機能 | 250~1,000万円 |
決済システム(システム構築を含む) | 30~50万円 |
デザインの作成 | 10~100万円 |
データ利用(新規取得) | 50~70万円 |
他社ツール(SNS連携など)の実装 | 5万円 |
OS(iOS / Android)対応 | 100~200万円 |
プッシュ通知機能 | 10~100万円 |
チャット・メッセージ機能 | 30~50万円 |
ナビゲーション機能 | 3~5万円 |
メールアドレスを使用するログイン機能:20~40万円
ログイン機能は会員登録制のアプリに実装される機能です。事前に設定したメールアドレスやパスワードを使い、本人確認を行います。会員登録したユーザーのみが利用できるようにすることで、第三者からの不正アクセスや情報漏洩を防ぐことができます。
メールアドレスを使用するログイン機能の実装は、20~40万円程度です。なお、近年ではSNSのアカウントを利用した会員登録を行う「ソーシャルログイン」を導入する場合も増えていますが、その場合も機能の実装にかかる費用に大きな差はありません。
ユーザーの会員データ管理機能:50~100万円
ユーザーの会員データ管理機能とは、アプリを利用する顧客の情報を管理できる機能になります。顧客の個人情報のほか、購買情報なども扱うことができます。
ユーザーの会員データ管理機能の実装は、50~100万円程度で可能です。また扱うデータの量やデータの用途、そしてシステムデザインによって金額が大きく変わります。
当然ですが、扱う会員数やデータ量が多くなるほど、開発にかかる費用も増加します。開発費の見積もりを出す際には、どれだけのデータ量をやり取りするかをしっかりと検討した上で、あらかじめ計画を立てておくことが大切です。
カメラ・時計・電卓などの機能:150万円
カメラや時計、電卓などの機能は、アプリ内にも実装ができます。基本的な相場は、各機能ごとに150万円~となっています。
ただし、こちらはシンプルな機能を実装した場合の価格です。カメラにオリジナルのフィルター機能を加えたり、電卓に特殊な関数機能を加えたりなどのオリジナリティを出すと、その分開発費用は余分にかかります。
またカメラや時計、電卓などのシンプルなアプリは、差別化するためにデザイン性が求められることも多いです。対応するOSの種類によっても、費用が変わってくる点に注意です。
SNS機能:250~1,000万円
SNS機能は、ユーザーのプロフィールを登録したり、写真を共有したりなど、「ソーシャルネットワーキングサービス」としての仕組みのことです。アプリ内にSNS機能を実装すれば、ユーザー同士など横の繋がりを生み出すことが可能です。
SNS機能の実装にかかる費用は、250~1,000万円と非常に幅が広いです。なぜならSNS機能と言っても内容には幅があり、どのような機能をつけるかでデータの処理量が大幅に変わってくるためです。
リアルタイムのチャット機能や動画のシェア機能などをつけると、その分データ量が大きくなり金額も高くなる傾向にあります。
決済システム(システム構築を含む):30~50万円
決済システムとは、アプリ内で行うクレジットカードや非接触ICなどの支払いのシステムのことです。EC系アプリなどを運営する上では欠かせない仕組みです。
アプリ内に決済システムを構築するためには、サーバーとのデータ処理を施す機能を用意する必要があり、比較的手間がかかる作業になります。
しかし近年では、クレジットカード決済やキャリア決済、コンビニ決済といった決済システムの仕組みが、すでに構築されています。アプリに決済システムを採用したい場合も、決済代行会社と接続できるようなパッケージを導入するだけで良いので、実際の開発費用は30~50万円程度で済むケースがほとんどです。
デザインの作成:10~100万円
アプリ開発では、機能面だけでなくデザインを作成することも非常に重要です。なぜならアプリのデザインは使いやすさに直結するためです。アプリデザインでは見た目を整えブランディングを意識しつつ、UI・UXも考慮する必要があります。
アプリ開発におけるデザイン作成の内容には、ロゴ作成やアイコン作成、写真素材などのグラフィックの作成、レイアウトなどが含まれます。いわゆるWEBデザインの分野に近いジャンルとなります。
アプリ開発でデザイン作成にかかる費用には幅があります。デザインの規模や誰に依頼するかで費用は大きく変わりますが、平均相場は10~100万円前後と言われています。
データ利用(新規取得):50~70万円
アプリ内でデータを利用する場合は、データの大きさによって実装にかかる費用が変わってきます。新規取得でデータを取得する場合は、データを扱うための土台作りが必要になるので50~70万円ほどの費用が発生します。
ただし、上記の費用はあくまでも平均的な金額となります。他の項目でも述べたように、扱うデータ量・やり取りするサーバーが増えるほど費用はかさむので覚えておきましょう。
一方で、新規取得ではなく自社サービスで取得済みの既存のデータを利用する場合は、開発費用がもう少し抑えられることもあります。既存データを連携させるだけの作業の場合は、10~20万円程度の開発費で対応できるケースもあります。
他社ツール(SNS連携など)の実装:5万円
他社ツールの実装とは、すでに他社製品として開発されているアプリを、自社アプリの中で使えるようにするシステムのことです。例えばTwitter連携や、MAPアプリとの連動などが例として挙げられます。
他社ツールの実装は、各5万円~での実装が可能です。こちらも連携する先のアプリや、やり取りするデータ量で費用が異なります。SNS連携なら5万円程度ですが、Google Mapの場合は導入費用として10~20万円ほどかかります。さらにYoutubeなど動画データを扱う場合は、これ以上の費用が発生するので注意しておきましょう。
OS(iOS / Android)対応:100~200万円
OSとはオペレーティングシステムのことを指します。全てのコンピューティングに必要とされているシステムで、それぞれのOSにアプリを対応させるには費用がかかります。
iOSやAndroidの対応には、1つあたり約100~200万円が必要です。OSごとに開発環境や言語が異なるので、複数のOSに対応するアプリを作成するには、その分の開発費用が発生するので気をつけましょう。
基本的に「スマホアプリ」を開発するとなると、iPhone・iPad用のアプリとしてiOS用を、GALAXY・Xperia用のアプリとしてAndroid用をそれぞれ単独で開発しなければなりません。また対応できるOSのバージョンによっても、開発費用は変わってきます。
プッシュ通知機能:10~100万円
プッシュ通知機能とは、アプリが自動的にお知らせを通知する機能のことです。例えば、アプリ内での変化やお得な情報などをステータスバーに表示したり、アラームを鳴らしたりできます。
プッシュ通知機能をアプリ内に実装するには、10~100万円程度かかります。リアルタイムでの情報を扱うため、開発にはやや高い費用が必要になります。
なおプッシュ通知機能は高額ではあるものの、機能の多様性から人気があります。例えばECサイトやカタログアプリからのお得な情報を通知したり、SNSや管理系アプリのメッセージを表示したりと、色々なシーンに取り入れることができます。
チャット・メッセージ機能:30~50万円
チャット・メッセージ機能は、その名の表す通りアプリ内でチャットやメッセージのやりとりができる機能のことです。コミュニケーション系アプリだけでなく、ゲーム系アプリやEC系アプリなどあらゆる場面で実装されることの多い機能です。スマホ利用者に最も利用されている仕組みでもあります。
チャット・メッセージ機能は、30~50万円が費用相場となっています。ただしチャット・メッセージ機能には利便性を高めるためのオプションが付属されている場合も多く、オプションをつけるとなるとさらに費用が加算されていきます。
ナビゲーション機能:3~5万円
ナビゲーション機能は、GPSなどアプリの機能の中でも非常に機能が豊富なことで知られています。ドライブ情報・公共施設検索情報システム・乗り換え案内通知・現在地確認マップ情報などが例として挙げられます。
ナビゲーション機能の実装費用相場は3~5万円と、比較的安めです。ナビゲーション機能にはそもそものサポートが充実しているため、実装できる内容を広げても費用が大きく変動することはありません。
アプリ開発に付随する固定費
アプリ開発には人月単価または機能固定額以外にも、開発に付随して料金が発生します。
代表的な費用として、以下のものが挙げられます。
料金内訳 | 金額 |
---|---|
サーバー費用 | 月1,000円~数百万 |
アプリストア登録費用 | iOSアプリ:11,800円/年 Androidアプリ:約2,600円/年(年25ドル) |
SSL証明書費用 | 5~10万円 |
バグ修正費用 | バグの状態や契約内容による |
1.サーバー費用
開発費以外に必要になる代表例がサーバー費用です。アプリ開発の際にはサーバーと呼ばれるデータを保管・管理するための場所が必要となります。
金額は保存するデータの容量によって変動しますが、月額1,000~数百万円程度となっています。テレビ電話を使うチャットアプリの場合は、数十万程度、人気のゲームアプリの場合は、数百万程度になることもあります。
2.アプリストア登録費用
作成したアプリをユーザーにインストールしてもらうために、アプリストア登録費用も必要です。
iOSアプリを作成したのであればApple Store、Androidアプリを作成したのであればGoogle Play Storeへの登録が必要です。
具体的な費用は、iOSアプリなら年間11,800円、Androidアプリなら年間約2,600円(年25ドル)です。
3.SSL証明書発行費用
SSL証明書発行費用とは、レンタルサーバーを利用する際にセキュリティを担保するための費用です。
金額としては、年5万円~10万円が目安となります。
4.納品後のバグ修正費用
アプリ開発にはバグが付き物ですが、既定の開発期間後にバグを修正してもらおうとすると、追加でバグ修正費用が発生する場合があります。
バグ修正費については、あらかじめ開発予算(人月単価または機能固定額で計算した金額)に含めることもあれば、別途必要となる場合もあります。
この点を事前に決めておかないと後々揉めてしまうことがあるので、バグ修正費をどう扱うかは契約締結前に取り決めておきましょう。
アプリ開発費用を抑えるポイント
アプリ開発費用は、工夫をすれば金額を抑えることも可能です。ここからはアプリ開発費用を抑えるためのポイントを5つ紹介していきます。
開発する設計・機能を見直す
アプリ開発の費用を抑えるためには、開発する設計や機能が、本当に必要なものであるのかを一度見直すようにしましょう。
アプリ開発の依頼内容が具体的に固まっていない状態で見積もりを取ると、不要な機能が含まれている可能性があります。いわゆる「おまかせ」状態でそのままアプリ開発を依頼してしまうと、余分に開発コストがかかる原因となったり、制作に時間がかかり必要以上の人件費が発生してしまうこともあります。
しかし、依頼前に開発する設計や機能をしっかりと見直しておけば、無駄を減らせるので開発コストを抑えることができます。完成後のイメージをできるだけ具体的にしておき、どのような機能が必要なのか・不要なのかを明確にしておくことが大切です。
開発方法を検討する
アプリ開発では、開発方法によって費用に大きな差が生まれます。アプリの種類にもよりますが、基本的に「ウォーターフォール型」よりも「アジャイル型」での開発の方が費用を抑えることができます。
ウォーターフォール型の開発では、要件定義から設計、テストといった開発のプロセスや工数および期間が細かく決定されます。先の予定まで立てておくことで開発作業の管理・人員確保がしやすいというメリットはありますが、一方で仕様変更に対応しにくいというデメリットもあります。
大型のアプリを開発する際には安心とも言えますが、その反面融通が効きにくく、無駄な費用が発生してしまう恐れがあります。
アジャイル型の開発は、開発の工程を短く区切り、その都度柔軟に対応していきます。そのため、アプリ開発途中での設計変更や要件変更にも対応しやすく、無駄な予算がかかりにくいというメリットがあります。
小回りが効きやすいアジャイル型の開発は、2000年以降のソフト開発で採用されることが増え始めており、近年ではアプリ開発のメジャーな方法ともなっています。
外注箇所を限定する
アプリ開発では、全ての作業を必ずしも外注する必要はありません。外注箇所を限定し、自分たちでできることを増やせば、自ずと開発費用の削減に繋がります。
例えば、自社で対応しやすい作業の1つに、アプリデザインが挙げられます。アプリデザインは開発にかかる金額の幅が10~100万円と非常に幅広く、依頼先によって大きくコストが変わるのが特徴です。
人気の業者に外注すると100万円かかる作業が、自社で対応すれば10~20万円程度に抑えられるというケースも十分にあり得ます。
デザインの提案は、一見ハードルが高い工程のように感じるかもしれません。しかし近年ではアプリデザインを豊富に扱うツールなども増えており、シンプルな設計であれば自社でも問題なく対応できる場合がほとんどです。
このように、自社で対応できる箇所を洗い出すことで、アプリ開発費用を抑えられることがあります。特に今ある仕事を丸投げで外注しようとしていた場合は、自社で対応できることがないか、依頼前に確認してみると良いでしょう。
レベニューシェアを検討する
レベニューシェアを利用すれば、アプリ開発にかかるコストを抑えられる可能性が高まります。
レベニューシェアとは、開発にかかる費用をシステム会社に負担してもらい、その分リリース後に得られた利益をシステム会社と互いに分配し合うという手法のことです。発注会社と開発会社が委託契約ではなくパートナーとして提携し、リスクを共有しながらアプリ開発を行います。
開発費用を負担してもらえるレベニューシェアなら、初期費用を抑えてアプリを発注することが可能です。「確実に利益になるアプリを思いついたけれど、予算が足りない」といった場合に非常に有効な手段となります。
またレベニューシェアを利用すれば、アプリのリリース後に得られた利益を開発会社とともに分けられるので、双方のモチベーションアップにも繋がります。
ただしレベニューシェアを利用するためには、開発費用を請け負ってくれる会社を探す必要があります。利益を生み出せるような企画力がないと、そもそも提携してくれる先が見つからない点には注意です。
フリーランス・個人に依頼する
アプリの開発コストを抑えたいなら、制作会社ではなくフリーランスや個人に依頼することも視野に入れてみましょう。
フリーランス・個人への依頼なら、制作会社よりも安い値段で外注ができる場合がほとんどです。また、個人相手なら直接やりとりがしやすいので、アプリに関する希望や要望を伝えやすいというメリットもあります。
フリーランス・個人のエンジニアの中には、経験や実績が豊富な方も多く存在しています。開発したいアプリと同じまたは近いジャンルの開発実績が多いフリーランスを見つけることができれば、思い描いていたアプリを安価で開発することに繋がります。今までの開発実績やポートフォリオを掲載しているフリーランスも多いので、得意分野や技量をチェックしてみましょう。
ただし依頼先のフリーランス選びを失敗してしまうと、思い通りのアプリが作れない、開発に時間がかかってしまうといったようなリスクもあります。アプリの規模に合わせて、企業への依頼も視野に入れながら外注先を決めるようにしましょう。
アプリ開発費用に関する注意点
アプリ開発費用は、きちんと実態を把握しておかないと思わぬトラブルを生み出す原因となります。ここからは、アプリ開発費用に関する注意点について述べていきます。
制作するアプリによって費用相場が大きく異なる
ここまで述べた通り、制作するアプリの内容や機能によって開発費用の相場は大きく異なります。数十万円から開発できるようなアプリもあれば、開発だけで1,000万円を超えるようなアプリもあります。基本的にはリアルタイムでのデータのやりとりなど、難しい内容を実装するほど開発費用も増加する傾向にあります。
なおアプリ制作費用は、ただ安ければいいというわけでもありません。なぜなら、実装する内容によって開発費用相場は異なりますし、相場よりも明らかに費用が安いからといって必要な機能が抜けている可能性もあるからです。
またその一方で、アプリは費用をかけて機能をたくさんつければいいというわけでもないので注意しましょう。なぜなら無駄な機能をつけすぎると、かえって必要な操作がわかりづらく、使いにくいアプリとなってしまう可能性もあるためです。
アプリ開発では、何が本当に必要な機能なのかを見極めた上で、費用相場に見合った価格で依頼することが大切です。
運用・保守費用が毎月かかる
アプリの制作にかかるコストは、開発費用だけではありません。リリース後の運用や保守費用も毎月発生するので、忘れないようにしましょう。
具体的には一度リリースしたアプリに新機能を追加したり、バグを修正したりするアップデート作業や、サーバー保守のためのランニングコストなどが含まれます。アプリ企画段階で、ある程度運用や保守のための費用も考えておきましょう。
なお、開発会社にアプリを外注した場合、運用・保守費用は最初の見積もりに含まれていることも多いです。ただしバグなどの修正が多く発生した場合や、OSアップデートに対応するために大掛かりな修正作業が必要になった場合など、追加費用が発生することもあります。
料金表を細かく公表しているサイトは少ない
アプリ開発会社の多くは、料金表を細かく公表していません。なぜなら同じ開発内容であっても、扱うデータ量や対応する機種・範囲によって費用が大幅に異なるためです。
ホームページ上には最低金額しか載せていないという業者も多いです。そのため実際に見積もりを取ってみないと、アプリ開発にかかる具体的な費用はわからないでしょう。
なお見積もりを取る際は、複数社への相見積もりを依頼することが重要です。複数社の見積もり内容を比較することで、適切な費用相場がわかり、自社のアプリ開発に適した依頼先を探すことができます。
アプリ開発費用の金額まとめ
個人開発の場合
これまで紹介してきたのは、アプリ開発を外部委託した場合の費用です。仮に外注では高額すぎると感じるのであれば、全て個人で開発すれば開発コストを抑えられます。
個人で作業する場合は、
・アプリストア登録費用
・SSL証明書発行費用
のみが必須費用であり、それ以外は基本的に必要ありません。そのため、総額としては10万円程度に収まるでしょう。
しかし、個人でアプリを作るとなると作業量は膨大なものとなります。そのため、一部だけでも外部に委託するのが、費用対効果や作業効率の観点からおすすめです。
外注する場合
アプリを外部に発注する場合は、これまで紹介してきた金額が目安となります。
小規模なアプリなら20万円程度でも作れますが、高度なセキュリティやリッチなデザインが必要だと数千万~数億円の費用がかかることもあります。
アプリ開発は、実装したい機能や種類によって大きく費用が変動するので、計画を立てる際には一度見積もりを依頼するのが良いでしょう。
アプリ開発費用のシミュレーション方法
アプリ開発費用のシミュレーション方法には、「シミュレーションサイトを使う」方法と、「専門家に直接見積もってもらう」方法があります。
自分で手軽に費用の概算が知りたい場合にはシミュレーションサイトが有用です。
なお、会社として開発費用を算出する必要があるので正確なコストが知りたい場合には、専門家に直接見積もりを依頼するのが良いでしょう。
シミュレーションサイトを使う
計画中のアプリ開発費がいくらになるのか、気になった際はシミュレーションサイトを利用すると良いでしょう。
今すぐシミュレーションをしてみたい方は「CREATIVE VILLAGE アプリ開発費見積もりシミュレーター」から確認できます。
シミュレーションサイトでは、顧客データベースを利用するかどうかや、決済機能をつけるかどうか等を選択すると、大まかな費用を調べることができます。
ただあくまでも概算であり、正確な見積もりではありません。このサイトで提示された金額に対し、実費が大きく異なるケースもあるので注意が必要です。
専門家に直接見積もってもらう
開発費用のシミュレーションとしては、専門家に直接見積もりを依頼する方法もあります。
専門家に相談することで、作りたいアプリに必要な機能を洗い出しだ上で、正確な開発費を導き出せます。そのため「作りたいアプリがあるが、どのような機能が必要かわからない」という方でも安心して依頼できます。
専門家に相談すれば、開発費用を正確に把握できるのため、かかるコストをより正確に知りたい方はこちらの方法がおすすめです。
今回のまとめ
・アプリ開発費用は「人月単価制」か「機能固定額制」で決まる・開発費用はアプリの種類によって大きく異なる
・正確な費用を知りたい場合は、専門家に見積もってもらうのがおすすめ
アプリの開発費用を見積もるには、作業時間や機能ごとのコストを算出する必要があるため、素人には難しいです。
さらに、アプリ開発では想定よりもコストがかかることが多いため、事前にかかるコストを正確に見積もってくれる専門家に相談することをおすすめします。