フリーランスや個人事業主の税金の種類一覧|所得税や住民税など8つを紹介

フリーランスや個人事業主の税金の種類一覧|所得税や住民税など8つを紹介

会社員は給料から税金が天引きされますが、フリーランスや個人事業主は確定申告をして自分で税金を納めなければなりません。それでは、フリーランスや個人事業主になると、どのような税金を納めることが必要になるのでしょうか?

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また、フリーランスになる方法が知りたい方は「フリーランスになるには?始め方や必要な手続き、事前準備などを解説」をぜひ参考にしてください。

フリーランスや個人事業主は、下記の8種類の税金を納めることが必要です。

なお、業種や業務形態、所得などによって納める税金が異なるため、必ずしも8種類全ての税金がかかるというわけではありません。

所得税

所得税とは所得に対してかかる国税で、個人が所轄の税務署を通じて国に納めます。国税庁は所得を10種類に分けており、給与所得や事業所得、雑所得などがあります。10種類のうち、いずれかの所得があると所得税を納付する義務が生じます。

所得税の納め方は会社員とフリーランス・個人事業主では異なります。会社員は源泉徴収制度があり、勤務先の会社が源泉徴収と年末調整を行い、給料やボーナスから所得税が天引きされます。

一方でフリーランス・個人事業主の場合は自分で所得税を計算して納付しなければならず、そこで必要になるのが確定申告(所得税及び復興特別所得税の申告)です。確定申告で納税額を申告し、その通りの金額を納付する流れとなります。

なお、フリーランス・個人事業主の所得税の計算方法は後ほど詳しく説明します。

またフリーランスの所得税と法人の法人税はどちらが高いのか、いつ法人化すべきなのか知りたい方は「フリーランス・個人事業主が法人化すべき目安やタイミングは?法人成りのメリット・デメリットも紹介」をぜひ参考にしてください。

住民税

住民税は都道府県民税と市町村民税を合わせたもので、1年間の所得に対して課税されます。個人には「個人住民税の納税義務」があり、法人には「法人住民税」の納税義務があります。

また、住民税の徴収方法には「普通徴収」と「特別徴収」があります。会社員は給料から天引きされます。これを特別徴収と言います。フリーランスや個人事業主は、自治体から交付される納税通知書に記載されている金額を期限までに納付します。これを普通徴収と言います。

基本的には、フリーランスや個人事業主は確定申告をすると住民税が自動的に計算されるので、住民税の計算や申告手続きは不要です(申告が必要な場合もあります)。

なお、住民税には所得割と均等割があり、それぞれの税率は次のようになります。

所得割 道府県民税4%+市区町村民税6%
均等割 道府県民税1,500円+市区町村民税3,500円

課税所得金額が300万円の場合だと、所得割は30万円(300万円×10%)で均等割は5,000円(1,500円+3,500円)なので、1年間に納める住民税は30万5,000円になります。この金額を年間4回に分けて納税することになり、一括納付することも可能です。

住民税の納付方法は現金払いが原則ですが、Pay-easy(ペイジー)や電子マネー、クレジットカード決済に対応している自治体もあります。

個人事業税

個人事業税は個人事業主に課税される地方税で、都道府県に対して納付します。全ての個人事業主に課税されるのではなく、法律で定められた下記の70業種のみが対象になります。

・第1種事業(税率5%)=37業種
物品販売業、保険業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、電気供給業、土石採取業、電気通信事業、運送業、運送取扱業、船舶碇繋(せんぱくていけい)場業、倉庫業、駐車場業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業、飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、両替業、公衆浴場業(むし風呂等)、演劇興行業、遊技場業、遊覧所業、商品取引業、不動産売買業、広告業、興信所業、案内業、冠婚葬祭業

・第2種事業(税率4%)=3業種
畜産業、水産業、薪炭製造業

・第3種事業(税率5%)=28業種
医業、歯科医業、薬剤師業、獣医業、弁護士業、司法書士業、行政書士業、公証人業、弁理士業、税理士業、公認会計士業、計理士業、社会保険労務士業、コンサルタント業、設計監督者業、不動産鑑定業、デザイン業、諸芸師匠業、理容業、美容業、クリーニング業、公衆浴場業(銭湯)、歯科衛生士業、歯科技工士業、測量士業、土地家屋調査士業、海事代理士業、印刷製版業

・第3種事業(税率3%)=2業種
あんま・マッサージまたは指圧・はり・きゅう・柔道整復、その他の医業に類する事業

freee『フリーランスが支払う税金の種類と控除の種類』

個人事業主のうち上記の70業種が個人事業税の課税対象になりますが、個人事業税には290万円の事業主控除があります。よって、1年間の事業所得の金額が290万円以下の場合は個人事業税はかかりません。なお、個人事業税は経費計上ができます。

個人事業税は確定申告をすると自動的に計算され、住民税と同様に納付書が送付されます。自分で計算する必要はありませんが、個人事業税は次の計算式で算出できます。

個人事業税 =(事業所得金額-290万円)× 税率(3~5%)

税率は業種によって異なり、税率は上記の引用の内容をご参照ください。例えば、歯科医院の場合は税率が3%なので、年間の事業所得が500万円の歯科医院だと個人事業税は次のようになります。

(500万円-290万円)× 3% = 6万3,000円

消費税

消費税は消費者が負担する間接税です。物品の購入時やサービスの提供を受ける際に、次の税率で課税されます。

・標準税率10%(消費税率7.8%、地方消費税率2.2%)
・軽減税率8%(消費税率6.24%、地方消費税率1.76%)

消費税を負担するのは消費者であり、個人事業主やフリーランスが消費税を負担するわけではありません。個人事業主やフリーランスは、消費者から預かった消費税を申告して納付することになります。

また、全ての個人事業主やフリーランスが消費税の申告が必要であるのではなく、年間の課税売上高が1,000万円以上になった場合のみ、消費税を申告して納付することが必要です。なお、開業後2年間は消費税の納付義務は免除されます。

年間の課税売上高が1,000万円以下の場合は消費税の申告は不要ですが、顧客には消費税を上乗せして請求しても大丈夫です。消費税の計算方法は「原則課税方式」と「簡易課税方式」があり、課税売上高が5,000万円以下の場合はどちらかを選べます。

固定資産税

固定資産税は土地や家屋、償却資産に課税される税金で地方税の一種です。持ち家を事務所にして業務を行っているフリーランスや個人事業主などは、固定資産税の納付が必要になります。固定資産税は経費計上ができ、収入から差し引くことで節税につながります。

また、賃貸住宅や賃貸事務所などで業務を行っているフリーランスや個人事業主は、大家さんが支払っているので固定資産税の納税は不要です。なお、固定資産税は計算や申告などの手続きは必要なく、納税義務者には市町村から納付書が送付されます。

固定資産税の計算方法は「固定資産税=評価額(課税標準額)× 標準税率(1.4~1.6%)」であり、固定資産税評価額は市町村役場で確認できます。標準税率は1.4~1.6%の範囲で各地方公共団体が決定します。

国民健康保険税

国民健康保険税は国民健康保険に加入しているフリーランスや個人事業主にかかる税金で、実質的には国民健康保険の保険料のことです。国民健康保険の保険料と保険税は基本的には同じで、一般的には「国保」と呼ばれます。

国民健康保険税(国民健康保険料)の保険料(税)は自治体が決定し、所得や世帯構成によって金額は異なります。

「平等割」「均等割」「所得割」の3種類の計算で保険料が決まりますが、自治体によって計算方法が異なるので、保険料はお住まいの地域の自治体によっても差が発生します。

国民健康保険料の計算方法や税率については、住所地の市町村役場の国民健康保険課などの窓口でお問い合わせください。なお、会社を退職した時などは14日以内に市町村役場で国民健康保険の加入手続きを行うことが必要です。

また、フリーランスが加入する保険制度について知りたい方は「フリーランス・個人事業主向けの健康保険!保険料を安くする方法やおすすめの民間保険3つを紹介!」をぜひ参考にしてください。

国民年金保険料

国民年金は、20歳以上60歳未満の国民全員が加入することが必要です。フリーランスや個人事業主も当然ながら国民年金に加入が必要で、令和3年度の国民年金保険料は月額16,610円です。

国民年金保険料は職業や所得によって違いはなく、誰もが平等に月額16,610円を支払います。保険料は毎年少しずつ変動し、令和3年4月~令和4年3月は月額16,610円、令和4年4月~令和5年3月は月額16,590円になります。

なお、日本の公的年金は「2階建て」になっており、1階部分の国民年金は基礎年金と呼ばれます。2階部分は会社員や公務員が加入する厚生年金で、フリーランスや個人事業主は厚生年金に加入できません。

また、フリーランスが加入する年金制度について知りたい方は「フリーランスが国民年金にプラスで利用できる制度は?国民年金基金やiDeCoなどを紹介!」をぜひ参考にしてください。

復興特別所得税

復興特別所得税は東日本大震災の復興支援を目的に創設された税金で、所得税の納税義務者は復興特別所得税も併せて納税することになります。会社員は所得税と一緒に給料から天引きされ、フリーランスや個人事業主は確定申告をして所得税と一緒に納税します。

復興特別所得税の税額は所得税額の2.1%です。所得ではなく所得税の税額の2.1%なので、この点には注意が必要です。例えば、所得税の税額が10万円だった場合の復興特別所得税は2,100円です。

10万円(所得税額)× 2.1% = 2,100円

なお、復興特別所得税は2013年(平成25年)1月1日から2037年(令和19年)12月31日までが課税期間になります。

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フリーランスや個人事業主の税金の計算方法|所得税はいくら?

フリーランスや個人事業主の税金の計算方法|所得税はいくら?

フリーランスや個人事業主は確定申告をして所得税を納付することが必要です。確定申告をすると住民税や個人事業税、国民健康保険税なども自動的に算定されるので、税金の計算では所得税の計算が最も重要になってきます。

所得税は以下の流れで計算し、確定申告を行って納付することになります。では、フリーランスや個人事業主が納める所得税の計算方法を見ていきましょう。

①収入から経費を引いて所得を求める

「所得=収入ー経費」

所得税を計算するには、まずは収入から経費を差し引いて所得を求めることが必要です。所得の計算方法は「所得=収入-経費」であり、収入から必要経費を差し引くことで所得が算出されます。

例えば、1年間の収入が500万円あり、収入を得るために100万円の経費がかかった場合だと所得は400万円になります。

500万円(収入)- 100万円(経費)= 400万円(所得)

なお、所得は全部で10種類に区分されています。それぞれの所得の内容について見ていきましょう。

所得種類 内容
利子所得 利子所得は公社債や預貯金などの利子で得た所得です。利子所得は原則として源泉徴収されているので確定申告は不要です。
配当所得 配当所得は株式や投資信託などの配当金で得た所得です。配当所得も原則として源泉徴収されているので確定申告は不要です。
不動産所得 不動産所得は土地や建物を賃貸に供して得た所得です。不動産所得は、不動産の売買や賃貸借による所得と考えると良いでしょう。
事業所得 事業所得は事業をすることで得た所得です。フリーランスや個人事業主が事業で得た所得が事業所得に該当します。
給与所得 給与所得は会社員が勤務先から受け取った給料やボーナスなどによる所得です。役員報酬も給与所得に該当します。
退職所得 退職所得は退職金や退職金共済制度、iDeCoの一括受取などによる所得です。通常は源泉徴収されるので確定申告は不要です。
譲渡所得 譲渡所得は不動産や株式、ゴルフ会員権などを売却することで得られる所得です。車などの譲渡によるものも譲渡所得に該当します。
山林所得 山林所得は山林をそのままの状態で売却したことによる所得です。ただし、山林を取得後5年以内に売却した時の所得は事業所得か雑所得になります。
一時所得 一時所得は生命保険の満期保険金や解約返戻金の受取や懸賞の当選金などによる所得です。競馬や競輪などの公営ギャンブルの払戻金も一時所得に該当します。
雑所得 雑所得はこれまで説明した9種類の所得のいずれにも該当しない所得です。フリーランスの作家の原稿料や印税などが雑所得に該当します。

また、フリーランスが経費として計上できるものはどれか知りたい方は「フリーランスが経費にできるもの一覧!個人事業主や自営業が経費にできる割合を解説!」をご覧ください。

②所得から所得控除を引いて課税所得を求める

「課税所得=所得ー各種所得控除」

課税所得は上式のように所得から各種所得控除を差し引いたものです。所得控除は基礎控除や配偶者特別控除、扶養控除など14種類あり、所得控除を増やすことで節税につながります。

例えば、所得が400万円で各種所得控除の合計が100万円の場合、課税所得は300万円です。

400万円(所得)- 100万円(所得控除)= 300万円(課税所得)

なおフリーランスや個人事業主では、一般的に課税所得ではなく所得が年収になります。所得が400万円・課税所得が300万円のフリーランス・個人事業主の年収は400万円というわけです。

③課税所得の金額によって税率や控除額が変わる

「所得税=課税所得×税率」

所得税は上式のように、課税所得に税率を乗じることで算出できます。税率や控除額は課税所得の金額によって変わり、国税庁が公表している「No.2260 所得税の税率」に基づいて計算します。

課税所得の金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

例えば、課税所得が300万円の場合だと税率は10%で控除額は97,500円なので、所得税は202,500円になります。

300万円(課税所得)×10%(税率)- 97,500円(控除額) = 202,500円(所得税)

④所得税から各種控除(所得控除以外の控除)を引いたものが納付所得税額

「納付所得税額=所得税ー各種税額控除」

納付所得税額は上式のように、所得税から各種税額控除を差し引くことで求められます。税額控除とは文字通り、税額(所得税額)から直接控除できるもので、「配当控除」「外国税額控除」「政党等寄附金特別控除」など全部で20種類あります。

例えば、所得税が502,500円で税額控除が50,000円の場合だと、納付所得税額は452,500円になります。

502,500円(所得税)- 50,000円(税額控除)= 452,500円(納付所得税額)

また、フリーランスや個人事業主の所得税がいくらになるのか、シミュレーションしてみたい方は、以下のサイトを参照しましょう。

参考:スモビバ『個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション』

このようにして計算するフリーランスの手取り金額が、およそどのくらいになるのか知りたい方は「フリーランスの手取り計算シミュレーション!引かれる項目やいくら残るかの目安金額を紹介!」をぜひ参考にしてください。

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なお、会計や税金周りのトラブルに関して相談したい方は「フリーランスのトラブルの相談先は?「フリーランス・トラブル110番」など相談窓口を紹介」をぜひ参考にしてください。

フリーランスや個人事業主の税金対策|控除を利用してお得に節税しよう

フリーランスや個人事業主の税金対策|控除を利用してお得に節税しよう

フリーランスや個人事業主は、経費を多く計上して各種控除を利用することでお得に節税ができます。ここからは、経費や各種控除を利用したフリーランス・個人事業主の税金対策について見ていきましょう。

経費精算して所得を減らす

経費を増やすと所得が低くなり、納める税金も低く抑えられます。フリーランスや個人事業主は事業に使用したお金を経費にできるので、経費を多く計上することが税金対策の基本です。

例えば、仕事で使用するために5万円のパソコンを購入したとします。この場合、パソコンの購入費用の5万円は全額経費として計上でき、収入から5万円を差し引くことで所得が5万円減少します。

また、仕事をするのに使った電話代や交通費なども経費にでき、経費計上できるものは数多くあります。事業に使用したお金はきちんと経費として計上することで、所得を減らして所得税の金額を抑えることが可能です。

ただし、私用で使った電話代や交通費などは経費として認められず、事業に使っていないお金の不正申告はNGです。

経費として認められないものを経費として計上すると、税務調査の際に指摘を受ける可能性が高いです。不正な経費計上は脱税行為になる恐れがあるので注意が必要です。

各種控除を利用して課税所得を減らす

各種控除を利用すると課税所得が減少するので税金対策になります。各種控除として以下の表のようなものがあり、該当するものがあれば必ず利用しましょう。

控除名 内容
雑損控除 雑損控除は災害や盗難などの被害にあった時に、所定の金額を所得から控除できます。

控除額は「(差引損失額)-(総所得金額等)×10%」もしくは「(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円」の多い方になります。

医療費控除 医療費控除は、保険金などで補填される金額のほかに、1年間に自己負担した医療費が10万円(または年間所得の5%の少ない方)を超えた時に、最高200万円を課税所得から控除できます。

ただし、健康診断や人間ドックの費用などは医療費控除の対象にはなりません。

社会保険料控除 社会保険料控除は、1年間に支払った国民年金保険料や国民健康保険料(税)、介護保険料などの社会保険料の全額を所得から控除できる制度です。

過去の滞納分の保険料を支払った場合も控除の対象になります。

小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済法に規定されている共済制度の掛金の全額を所得から控除できます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金や企業型確定拠出年金(企業型DC)の掛金などが控除の対象になります。

生命保険料控除 生命保険料控除は、1年間に支払った生命保険料の一定額を所得から控除できます。

定期保険や終身保険、収入保障保険、がん保険、個人年金保険などが控除の対象になり、控除額は12万円が上限になります。

地震保険料控除 地震保険料控除は地震保険料を所得から控除できる制度です。

年間の支払い金額が5万円以下の場合は全額が控除対象になり、5万円を超える場合は5万円が上限になります。控除対象になるのは地震保険だけで、火災保険は控除対象になりません。

寄附金控除 寄附金控除は、都道府県や市区町村、認定NPO法人などに寄付をした場合に、寄付金額の合計から2,000円を差し引いた金額が所得から控除されます。

ふるさと納税の寄付金も寄付金控除の対象になります。

障害者控除 障害者控除は障害を持つ人に対する税制面の優遇措置で、「障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」が控除対象になります。

障害者は27万円、特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円が所得から控除されます。

寡婦控除 寡婦控除は夫と離婚した扶養親族がいる女性が控除対象になり、合計所得金額が500万円以下の場合、27万円を所得から控除できます。

ただし、夫との婚姻関係が事実婚であった場合は控除の対象外になります。

ひとり親控除 ひとり親控除は未婚のひとり親が控除対象になり、男女を問わず控除が受けられます。

合計所得金額が500万円以下で、総所得金額等が48万円以下の生計を一にする子がいる場合、所得から35万円が控除されます。

勤労学生控除 勤労学生控除はアルバイトなどで生活費を稼ぎながら学校に通っている学生が控除対象になり、年収が130万円以下の場合だと所得税がかかりません。

アルバイト先が年末調整をしていれば確定申告は不要です。

配偶者控除 配偶者控除は配偶者がいる納税者が控除対象になり、最大で48万円分の所得控除が受けられます。

配偶者控除を受けるには、配偶者の所得が48万円以下(給与所得の場合は103万円以下)であることが必要です。

配偶者特別控除 配偶者特別控除は、配偶者控除が受けられない場合、納税者の合計所得金額が1,000万円以下で一定の要件を満たしていれば最大で38万円の控除が受けられます。

ただし、配偶者の年間の合計所得額が133万円を超えると適用されません。

扶養控除 扶養控除は納税者と生計を一にしている配偶者以外の扶養家族がいる場合に受けられる控除です。

扶養家族の所得が48万円以下(給与所得の場合は103万円以下)であることが要件で、最大で63万円の控除が受けられます。

基礎控除 基礎控除は、所得が2,400万円以下の場合に48万円が所得から控除される制度です。

所得が2,400万円を超えると控除額は16万円~32万円に引き下げられ、所得が2,500万円を超えると基礎控除はなくなります。

またこの表には掲載していませんが、青色申告をすると「青色申告特別控除」が受けられ、最高65万円を所得から差し引くことが可能です。基礎控除の48万円と合わせると合計113万円を所得から差し引けるので、とても有効な税金対策になります。

医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。
(実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額

(1) 保険金などで補てんされる金額
(例) 生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など

(注) 保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。

(2) 10万円
(注) その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額

国税庁『No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)』

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扶養控除について詳しく知りたい方は「フリーランスでも扶養に入れる?扶養に入る条件や103万円・130万円の壁を紹介!」をぜひ参考にしてください。

また、フリーランスの節税方法が知りたい方は「フリーランス・個人事業主の節税方法や税金対策!活用すべき15種類の所得控除一覧!」をぜひ参考にしてください。

フリーランスや個人事業主の税金に関するよくある質問

フリーランスや個人事業主の税金に関するよくある質問

会社員は源泉徴収税が引かれるけど、フリーランスにはかからない?

会社員は給料から税金や社会保険料が天引きされる源泉徴収制度がありますが、フリーランスや個人事業主には会社員のような源泉徴収制度はありません。フリーランスや個人事業主になると、自分で所得税の計算をして確定申告をすることが必要になってきます。

簡単に説明すると、会社員は勤務先の会社の経理担当者が税金や社会保険料の計算をしてくれ、毎月の給料から税金や社会保険料が天引きされます。払いすぎた税金がある場合は年末調整をすると戻ってきます。そのため、会社員は原則として確定申告は不要です。

これに対しフリーランスや個人事業主は、自分で税金の計算をして税金を納めなければならないため、確定申告の手続きが必要になります。最近は会計ソフトが普及しており、簿記や経理の専門知識がなくても自分で確定申告をすることは可能です。

なお、会社員であっても、年収2,000万円を超える人や副業で20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要になります。

また、フリーランスも確定申告時に源泉徴収をするケースがあります。詳しく知りたい方は「フリーランスは源泉徴収票を発行してもらえない?書き方や計算方法を紹介!」をぜひ参考にしてください。

フリーランスや個人事業主の税金は会社員よりも高い?

フリーランスの税金は会社員よりも高いと言われることがあります。また、実際に個人事業主になって税金が高すぎると感じている方が存在します。そういったケースもあるかもしれませんが、必ずしもフリーランスや個人事業主の税金は会社員よりも高いわけではありません。

フリーランス・個人事業主と会社員は税金の計算方法が異なるため、同じ年収であっても納税額が異なります。両者の税金の計算方法の大きな違いは、フリーランスや個人事業主は収入から必要経費を差し引けることです。

フリーランスや個人事業主は、事業をするために使ったお金を必要経費として収入から差し引けるので、経費を多く計上することで節税ができます。また、フリーランスや個人事業主は青色申告をすると青色申告特別控除を利用でき、最大65万円の控除が受けられます。

会社員は原則として給料から経費を差し引くことはできません。その代わり、会社員は給与所得控除が受けられ、年収が500万円の会社員の場合だと給与所得控除は1,440,000円です。給与所得控除がフリーランス・個人事業主の必要経費に相当します。

フリーランス・個人事業主は、合法的に計上できる経費をもれなく計上した上で青色申告の手続きをすることで、会社員よりも税金を少なくできる場合があるでしょう。

なお、フリーランスの白色申告の収支内訳書や、青色申告書類の書き方が知りたい方は「収支内訳書の書き方や記入例|白色申告するフリーランス・個人事業主は必見!」や「フリーランスの青色申告のやり方!メリットや帳簿の書き方、使いやすい会計ソフトを紹介!」をぜひ参考にしてください。

フリーランスや個人事業主も税務調査の対象になる?

フリーランスや個人事業主も税務調査の対象になる場合があります。2019年に国税庁が公表した「税務行政の現状と課題」によると、個人事業主の場合だと100人に1人の割合で税務調査が入っています。

全体の約1%なので必ずしも高いとは言えませんが、税務調査が入った場合、約半数は追徴課税がされているので、税務調査が入ったとしても問題ない状態にしておくことが必要です。

税務調査の対象になりやすいのは、利益が極端に少ない場合や現金商売を営んでいるケースです。利益を低くするために経費を水増しするのは厳禁で、税務調査で経費の水増しが発覚すると追徴課税されます。

具体的には、水商売などの現金商売はお金の流れをごまかしやすいので、確定申告書の内容に不審な点があった場合は税務調査が入る場合が多いようです。

税務調査の通知が入った場合、青色申告の場合は次の帳簿を用意しておくことが必要です。

・仕訳帳
・総勘定元帳
・現金出納帳
・売掛帳
・買掛帳
・経費帳
・固定資産台帳 など

税金の知識をつけたいフリーランスや個人事業主の方は?

税金の知識をつけたいフリーランスや個人事業主の方は?

フリーランスになると確定申告が必要になるため、税金の知識を習得することは大切です。フリーランスや個人事業主に関わる税金の知識をつけたい方は、StockSunサロンに入会することをおすすめします。

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職業:行政書士・社長のファイナンシャル・アドバイザー
手元にお金を残すお手伝いをしています、阿久津和宏と申します。栃木県生まれ、埼玉県在住、妻、子供2人の4人家族。
群馬県の高崎経済大学を卒業後、大手コンビニエンスストア企業に入社。入社1年目よりスタッフの育成・管理業務を任され、2年目、直営店店長を経て、9店舗を担当する店舗経営指導員という立場で、お店の売上・利益の向上を目的とした、カウンセリング業務を担当。「売上」と「利益」、「収入」と「資産(貯蓄等)」は比例しないことを学び、「お金を手元に残すこと」の大切さを知り、FP資格を取得。その後、保険会社勤務を経て独立「必要なお金を」「必要なだけ残す」をテーマに、相談業務、記事の執筆監修、セミナー、講演の活動を継続中。