フリーランス医師の働き方の特徴!個人事業主のドクターは勤務医より年収が高い?
- フリーランス名鑑編集部
- 記事制作日2021年07月26日
- 更新日2021年10月12日
ここ数年で働き方が多様化し、フリーランスとして活躍する方が増えています。医師の中にも特定の医局に属さず、「フリーランスドクター」として働こうとする方が一定数存在しています。
「フリーランス医師と勤務医に違いはあるの?」
「フリーランス医師になるメリット・デメリットが知りたい」
フリーランスの医師を目指す方には上記のように考えている方も多いのではないでしょうか。
しかしフリーランス医師として働くことには、メリットもデメリットも存在します。そのためフリーランス医師を目指す方は、まずは働き方の特徴を知り、自分に向いているかどうかを把握しておく必要があります。
この記事では、フリーランス医師に関する以下のポイントについて解説していきます。
・フリーランス医師になるメリットとデメリット
・フリーランス医師になりやすいorなりにくい診療科目
この記事を読むと、フリーランス医師の働き方やメリットについて知ることができます。またフリーランス医師として働く際に役立つサービスとして、エムスリーキャリアやフリーランス名鑑を紹介します。
なお、フリーランス名鑑には以下のような特徴があります。
・ 国内最大級のフリーランス検索サイトなので案件が多数集まる
・ 仲介料なしでクライアントとフリーランスをマッチング
・ 医師として受けられる業務委託の案件を探しやすい
このように、医師が受けられる業務委託案件を仲介料なしで受けられることがあるので、ぜひ登録しておきましょう。
また、フリーランスとして活躍できる仕事にはどのようなものがあるか知りたい方は「フリーランスの仕事の種類!おすすめの職種や仕事内容を一覧で紹介」をぜひ参考にしてください。
フリーランス医師の働き方の特徴|勤務医(常勤・定期非常勤)やアルバイト(スポット)との違い
フリーランス医師とは、フリーランスという業務形態で医師として働く人のことです。具体的には特定の医局に属さずに働く医師のことで、勤務医やアルバイト(スポット)の医師と比べると、勤務する日数や場所・診療科目などの働き方に違いがあります。
まずは「常勤」「非常勤」「アルバイト(スポット)」「フリーランス」の4種類の医師の働き方について、それぞれどのような特徴があるのかを解説していきます。
働き方 | 常勤 | 定期非常勤 | スポット | フリーランス |
---|---|---|---|---|
勤務形態 | 常勤 | 定期非常勤 | 日雇い、短期 | 非常勤+スポット |
勤務イメージ | 1日8時間×週5日 | 1日8時間×週2日 | 1日4時間 | 1日8時間×週1日
+ 1日4時間×週1日 |
診療科目 | 自分の専攻科目 | 自分が診れる科目 | 自分が診れる科目(限定される) | 自分が診れる科目(限定される) |
年収 | 安定 | 安定 | 不安定、高め | 不安定、高め |
常勤の勤務医の場合
常勤の勤務医とは、病院など特定の医療機関と雇用形態を結び働く就業形態のことを指します。企業で言うところのサラリーマンのような形態です。常勤の勤務医は、基本的に勤め先の病院で勤務することがほとんどになります。
勤務日数は契約内容や診療科目によって差があるものの、基本的には1週間に4日以上で月に1〜2回の当直勤務があります。
なお、ほとんどの時間を同じ病院で医師として過ごすことになり、病院の形態に合わせてシフト制で働くことになるため、出勤時間や休みの曜日は明確に決まっていないケースがほとんどです。
常勤の勤務医の診療科目は病院によりさまざまです。大型病院であれば、専門的な科目や内容を担当することもあります。例えば外科であれば、執刀医は管理上の問題から常勤の勤務医が担当することが多いです。
なお常勤の勤務医は基本的に忙しいです。特に大型の病院であれば当直がほとんどのケースで存在し、夜間に呼び出される「オンコール」などにも対応する必要があります。患者の状況や病院の忙しさによっては、勤務時間が長引くことも珍しくありません。
定期非常勤の勤務医の場合
定期非常勤の勤務医とは、「週2日8時間外来業務」など、同じ病院で決まった曜日・時間に定期的に勤務する医師のことを指します。基本的には週に32時間未満など、常勤の勤務医よりも少ない時間で働くことになります。
定期非常勤の勤務医は契約で勤務時間が定められているため、基本的に夜勤(オンコール)などはありません。診療科目は勤務する病院によりさまざまですが、勤務日数が少ないことから常勤の勤務医のように複雑な手術などを任せてもらえないこともあります。
なお、定期非常勤の医師は常勤医師に比べ働く時間が短いため、当然収入面では常勤医師に比べて劣ります。
それでも週に働く日数をある程度自分で決められるので、ライフワークバランスを整えながら働けます。夜勤や時間外勤務などが基本的に発生しないため、子育てや家庭と両立している方にとっても活躍しやすい働き方であることが特徴と言えます。
アルバイト(スポット)の場合
アルバイト(スポット)の医師とは、日雇い契約で働く医師のことです。例えば、学会や非定期の健診業務などで常勤医師が不在の時間帯に、外来業務や当直業務を行うことになります。
スポットで働く医師の特徴として、1か月の勤務日数や曜日、そして働く場所が決まっていないことが挙げられます。そのときによって医師の不足している病院や時間帯が異なるため、勤務は不定期となり収入は安定しづらいです。
ただし、スポットの働き方だと基本的に即戦力となることが求められるため、1日あたりの収入は高めであり、数をこなせば高い収入を得ることも可能です。特に医師の健康診断や学会のある時期、そして夏休みや年末年始などは、スポットのバイトの需要が高まりやすく仕事も多くなります。
フリーランスの場合
フリーランス医師は、特定の医療機関や医局などに所属せずに、非常勤やスポットバイトをこなしながら生計を立てる人のことです。すなわち「非常勤」と「アルバイト(スポット)」を同時に行うような働き方を指します。
具体的な例を挙げると、週に3日を1つの病院で非常勤で働き、残りの2日をスポットバイトで働くなど、1週間を複数の病院で働くような勤務となります。なお、フリーランスの働き方は自由であるため、週に3箇所以上の病院で働くことも可能です。
フリーランス医師は、非常勤やアルバイト(スポット)の形態でさまざまな場所で働くことになるため、残業が発生しにくいのが特徴です。自分の働きたい方法や時間を選べるので、夜勤に対応することも、夜勤を避けて日勤だけで働くことも可能となります。
フリーランス医師の年収は高い?
フリーランスは「稼ぎやすい」と言われることの多い形態ですが、医師の場合も果たして当てはまるのでしょうか?ここからは勤務医とフリーランスの年収を比較しながら、フリーランス医師が稼ぎやすいのかどうかについて考察していきます。
勤務医(常勤)の平均年収
医師は基本的に年収の高い職業だと言われています。令和元年の厚生労働省『賃金構造基本統計調査』によると、医師の平均年収は1,169万円とされています。
ここでサラリーマンの平均年収を見てみると、国税庁『民間給与実態統計調査(令和元年)』では平均およそ436万円であることがわかります。比較すると、医師という職業は一般的なサラリーマンの2〜3倍近くの年収があり、非常に稼げる仕事であることがわかります。
職業 | 平均年収 |
---|---|
医師 | 1,169万円 |
サラリーマン | 436万円 |
そもそも医師という職業は、人の命を預かる重大な仕事です。そのため覚えるべき知識の量が大きく、負うべき責任も大きいのが実情です。その分収入面も高く設定されており、常勤の勤務医として働けば一千万円を超えるような高い収入を得ることができます。
フリーランス医師の年収概算
ではフリーランス医師の場合は、どれほどの年収が得られるのでしょうか?フリーランス医師の年収を概算すると、以下のような金額になります。
<1日8時間×週5日間、時給1万円で働いたと仮定>
・40万円×4週間=160万円(月収)
・160万円×12カ月=1,920万円(年収)
勤務形態 | 年収 |
---|---|
常勤医師 | 1,169万円 |
フリーランス医師 | 1,920万円 |
この金額をみると、フリーランス医師は勤務医よりもより多くの収入を得られることがわかります。なおこちらの金額はあくまでも一例なので、稼げる額は時給や勤務時間、勤務内容によっても異なります。
また比較時の注意点として、上記で述べた勤務医の年収には、役職代や残業代は加味されていません。あくまでもこの比較は平均の金額で一例であり、医師が稼げる金額は立場や役職、勤務形態によっても大きく変化します。
つまり医師としてより多くの金額を稼ぎたいなら、勤務医だけでなくフリーランスという働き方も知った上で、両者から自分に合った方を選ぶのが良いでしょう。
フリーランス医師の働き方のメリット
働く場所を選べる
フリーランス医師の大きなメリットとして、働く場所を選べることが挙げられます。自分にあった勤務地を選び、複数掛け持ちすることも可能です。
例えば1週間の中で、3箇所の病院を掛け持ちしながら働くといった方法もできます。特定の場所だけでなく複数の勤務地を選ぶことで、仕事を途切れさせずに経験値や収入UPに繋げることができます。
働く日数を選べる
フリーランス医師は、働く日数を自分の自由なスタイルで選ぶことができます。そのためライフワークバランスが整いやすく、決して無理のない範囲で働けるため長く仕事を続けやすいです。
常勤の勤務医は非常に忙しいことで有名です。勤務医の仕事内容は診療科や働く病院によってさまざまですが、基本的に週4以上の勤務と忙しく、時には夜勤(オンコール)まで担当する必要があります。夜勤などの忙しい勤務も自分の意思で断ることはできず、勤務医の中には過労で体調を崩してしまう人もいます。
一方でフリーランス医師であれば、自分の体調や都合によって働く日数をコントロールできます。「先月多めに働いたから今月はペースを落としゆっくり働きたい」といった希望も、フリーランス医師なら叶えられます。
働く日時(曜日・時間)を選べる
フリーランスの医師は、働く日数だけでなく働く曜日や時間まで選ぶことができます。そのため、子育てや介護などのプライベートと両立させながら働きやすいことが大きなメリットです。
例えば子育て中のママさん医師の場合、フリーランスなら子供を保育園に預けた後の平日昼の時間だけ働くということも可能です。フリーランス医師なら常勤の勤務医に比べ急な残業なども発生しないため、お迎えの時間にも間に合い安心して勤務できます。
働くママさんの中には、子育て期間中はフリーランス医師として働き、子育てが落ち着いたら常勤の勤務医に戻るという方もいます。
子育てのために医師を諦める必要がないので、家庭などのプライベートと両立させながら長く医師として活躍したい方にとって、フリーランスはまさにぴったりの働き方と言えるでしょう。
働く診療科目を選べる
フリーランス医師は、働く診療科目を自分の自由に選ぶことができます。つまり、得意分野やスキルを活かして活躍することが可能です。
例として、精神疾患を専門的に診たい医師が、いざ常勤で働いてみたら一般内科領域も診なければならない職場だったケースのことを考えてみましょう。このようなケースは大きな病院ではあまり起こり得ませんが、小さい病院では人員配置の変化によって起こり得ます。
そして常勤の勤務医として職場に勤めている場合は、担当したくない科目だったからといって急に仕事を避けることができません。もし無理矢理にでも辞めてしまったら、悪評が立ち次の就職が不利になる可能性もあります。
一方フリーランスの場合なら、もし希望していた診療科目でなかった場合、契約を更新しないことで仕事を変えることができます。このようにフリーランスは働く診療科目を自由に選べるため、より自分のスキルにあった仕事を選んで活躍ができます。
煩わしい人間関係やしがらみがない
医療業界は意外と人間関係が複雑であり、ストレスを抱えながら勤務している医師も少なくありません。しかしフリーランス医師なら、煩わしい人間関係やしがらみに悩むことなくストレスフリーに働くことができます。
常勤の勤務医が人間関係で悩みやすい理由の一つに「医局」の存在が挙げられます。医局とは医師界における団体組織の一つで、教授を頂点にあらゆる医師で成り立っています。そして医局は人数が多いため、時には派閥間の争いに巻き込まれたり、理不尽な人事に対し悩まされることがあります。
一方で医局に属さないフリーランスの医師なら、常勤の医師が医局から受けるストレスとは無縁の状態で働くことができます。特定の場所で長時間働くことのないフリーランス医師は「ビジネスライクな関係」を築きやすく、人間関係でストレスを感じることが少ないという特徴があります。
収入が高めに設定されている
フリーランス医師は常勤の勤務医に比べ収入が高めであることが多いです。なぜならフリーランス医師は病院側にとって雇用契約を結ぶリスクがないため、時給や日給が高く設定されているケースが多いためです。
フリーランス医師が得られる収入は、勤務条件や診療科によって異なりますが、ほとんどの場合で時給1万円以上に設定されています。中には時給2万円を超えるようなスポットバイトの案件もあり、時給の高い仕事をこなしていけば、勤務医よりもはるかに上回る報酬を得ることも叶います。
つまりフリーランス医師は、自分のペースで働きつつ高い収入を目指すことができるということです。
フリーランス医師の働き方のデメリット
ここまでフリーランス医師のメリットを紹介してきましたが、フリーランス医師にはデメリットも存在することを忘れてはなりません。もしフリーランス医師として働きたいのであれば、「こんなはずじゃなかった」と後から後悔することのないよう、きちんとデメリットも理解しておきましょう。
ここからはフリーランス医師として働くデメリットを具体的に5つ紹介します。
スキルがつくのか不安視する声が多い
フリーランス医師になるにあたり、スキルがつくのか不安視している方が非常に多いです。なぜならフリーランスは常勤の勤務医に比べて、学びの環境が少ないためです。
医局に入っている医師は、「医学博士号」という学位を取得できます。この学位を取得していると、将来的に医局内でのキャリアを積みやすいです。そして医局に入っていれば、この学位を取得するための勉強会に参加できたり、先輩の医師からスキルを教わってステップアップを目指すことができます。
一方で医局に属さないフリーランスの医師は、常勤医に比べ学べる機会が少ないと言われます。病院内の先輩医師から技術や知識を教われる時間は少なく、病院側もフリーランス医師に対しては積極的に最新医療を教えようというところが少ないです。
そのためフリーランス医師は、自腹で学会に出向いて情報を収集しスキルアップを目指す必要があります。
医療ミスは個人の責任になることも
フリーランス医師の行う医療の責任は、基本的に全て医師本人が持つことになります。そのため医療ミスを犯してしまった場合、自分一人で責任を負わなければならないことがあります。この場合、病院もフリーランス医師を守るのではなく「被害者」という立場となります。
被害者の立場となった病院側は、医療ミスが起こった際にフリーランス医師を守るのではなく、被害者側につくことがあります。もし裁判に発展した場合、病院側が「フリーランス医師が勝手に行った」と発言するようなことがあれば、フリーランス医師にまず勝ち目はありません。
このようにフリーランス医師には、医療ミスの責任から守ってくれる後ろ盾が存在しないというリスクがあります。
収入が安定しにくい
フリーランス医師は、働いた分が直接収入に繋がります。そのため仕事が多い時期は収入UPが見込めます。ただしその一方で、毎月安定した仕事が保障されるわけではないため、収入が安定しにくいというデメリットも存在します。
例えば、定期の非常勤として勤務している先の病院に新たな常勤医が入った場合、フリーランス医師は雇い止めになる可能性があります。そのほかスポットのアルバイトなども時期によって見つかりにくいことがあるため、フリーランス医師は場合により収入が前月に比べ大きく減ることもあるでしょう。
つまり収入が安定しにくいフリーランス医師は、どのようにお金を稼ぎ運用していくかを自分で計画的に決めなければならないということです。
自分で確定申告や税金処理を行う
フリーランス医師の場合は、確定申告や税金処理などの事務作業まで自身で行う必要があります。したがって医師としてのスキルだけでなく、税金関連の知識までしっかりと身につけておかなければなりません。
医師として忙しく働く中で税金関連の手続きを自分でするのは、非常に面倒な作業になります。休みの合間を縫って事務手続きを進める必要があり、プライベートの時間を犠牲にすることになります。
このようにフリーランス医師の場合、自分が担当したい医者としての業務以外にも、確定申告など雑務や事務作業まで行わなければならないことを覚えておきましょう。
勤務地や勤務時間が定まっていないストレスがある
フリーランス医師は自由に勤務地や勤務時間を選べます。しかし勤務地や勤務時間が定まっていないことは、ときにはデメリットとなることもあります。
例えば、県をまたいで複数の病院からの仕事を請け負っている場合、県外の病院まで足を運ぶ必要があり、移動だけでも時間や体力を消費します。また、そもそも複数の病院から仕事を請け負うためには、手間や時間をかけて仕事を探さなければなりません。
そして無理のないペースで働けるよう、「どの日にどの病院に出勤し、どの曜日に休むのか」など自分でしっかりとスケジュール管理できる能力も求められます。
フリーランス医師を目指すのであれば、勤務地や勤務時間が定まっていなくてもペースを守って働けるような自己管理能力を身につけておきましょう。
フリーランス医師になりやすい・なりにくい診療科目
フリーランス医師と一言でいっても、診療科目によって目指しやすさは変わってきます。どんな診療科目がフリーランス医師に適しているのか、もしくは不向きなのかを項目ごとに見ていきましょう。
なりやすい診療科目
麻酔科
麻酔科はフリーランス医師が活躍しやすい科目のひとつです。なぜなら、常に人材不足であり即戦力として働ける医師の需要が高いことと、その日に行くだけでも仕事ができる1回完結型の業務内容であることが理由に挙げられます。
ただし麻酔科は新専門医制度によって、麻酔科専門医の更新条件が変更されている点に注意が必要です。
この新制度によって、麻酔科専門医を維持するためには「週3回以上同じ施設で勤務する」ということが義務付けられました。つまり麻酔科医は従来に比べスポットバイトで何箇所もの病院を掛け持ちして稼ぐ、ということが現状難しくなっています。
もしフリーランス医師として麻酔科医を目指すのであれば、スポットバイトだけでなく定期非常勤としての働き方も考慮するようにしておきましょう。
精神科
精神科医は、ここ最近でフリーランス医師の割合が多くなっている診療科目です。なぜなら高齢化の影響と病院の縮小化を受け、認知症患者のための精神科分野の訪問診療といったニーズが高まっているためです。
特定の病院に属さないフリーランスの精神科医は、患者の状況や傾向に合わせて訪問診療に対応できるなど、柔軟に働きやすいというメリットがあります。また現代社会の傾向として精神科が求められるような病状が昔よりも増加しており、即戦力として働けるフリーランスの精神科医は重宝されやすいです。
産婦人科
産婦人科医は、慢性的に深刻な人材不足と言われる分野の一つです。そのためフリーランス医師の需要が高く、スポットバイトの報酬も高めに設定されていることが多いです。
特に当直で働いたり、急な手術にまで対応できるような即戦力のフリーランス産婦人科医が求められています。産婦人科はその特性から24時間誰かが必ず勤務しなければならないため、常勤医だけでは手が回らない夜間や早朝の時間に働けるような人物が重宝されます。
そして産婦人科医の人手不足はすぐに解消される見込みも少ないので、今後もフリーランス医師が活躍しやすい分野だと言えます。
内科
内科は実際にフリーランス医師として働いている方の割合が多い診療科目です。そのためフリーランスが働けるような仕事が準備されていることが多く、フリーランス医師が働きやすい分野と言えます。
特に内科の中でも、「外来」や「当直」の仕事はフリーランス医師のニーズが高いです。なぜなら急な外来への対応や夜勤などの仕事は常勤医だけで回すのが難しく、即戦力として働けるような人材が常に求められているためです。
また外来患者や夜勤の仕事は簡単な診療だけで済むことも多く、引き継ぎ項目が少ないので外部の医師にも仕事を任せやすいと考えられています。
なりにくい診療科目
外科
外科はフリーランスとして働きにくい科目の一つだと考えられています。なぜなら外科医は1日で完結するような仕事が少なく、スポットや非常勤では働きづらい分野であるためです。
例えば外科医として手術を行うことになった場合、術前から検査をしたり、術後の回復まで診察したりと長期にわたって担当すべき仕事があります。しかしフリーランスの医師の場合は出勤する日が限定されるため、外科医の仕事に対応することが難しくなります。
もちろん外科医の中にもフリーランスとして活躍する方は存在しています。しかし外科は他の科目に比べフリーランスの医師数は少なく、活躍するのが困難な分野であることを覚えておきましょう。
整形外科
整形外科では、患者の怪我を主に診療・治療します。そのため、整形外科では治療の経過観察など患者と長期的に関わっていくことが必要不可欠であり、単発や短期で働くフリーランス医師にはあまり適していません。
ただし整形外科は患者数が多く忙しい診療科目であるため、地域や病院によってはフリーランス医師も必要としているところがあります。そのためフリーランスで整形外科医を目指すことは、全くの不可能というわけではありません。
もしフリーランスの整形外科医を目指したいのであれば、確かな実力を身につけた上で、自分にあった条件で働ける場所を探すことが大切です。
フリーランス医師が向いている人の特徴
フリーランス医師にはメリット・デメリットどちらもあります。それではどのような方がフリーランス医師に向いているのでしょうか?ここからはフリーランス医師が向いている人の特徴を、具体例を挙げながら紹介していきます。
ワークライフバランスを整えたい
ワークライフバランスを整えながら医師として活躍したい方は、常勤の勤務医よりもフリーランスが適しています。なぜならフリーランス医師であれば、勤務医に比べ時間外勤務や夜勤を減らせるため、就業時間をコントロールしやすく無理なく働くことができるためです。
具体的には配偶者がいて転勤などの予定に合わせながら働きたい方、育児や介護と両立したい方などにフリーランスの形態が適しています。そのほか医業以外の活動と掛け持ちしたい場合にも、フリーランス医師をおすすめします。
とにかく稼ぎたい
とにかく稼ぎたい、現状に不満があり収入UPを目指したいという方は、常勤の勤務医からフリーランス医師に転向するというのも一つの選択肢となります。
なぜならフリーランス医師は時給や日給が高めに設定されているため、働けば働くほど直接収入UPにつながるためです。一箇所の病院に所属し給与制で働いている医師の場合は、こうもいきません。
特に産婦人科医や麻酔科医などフリーランス医師の需要が高い診療科目では、常勤医よりもフリーランスの方が断然稼げることがあります。
臨床経験の優先度は低い
フリーランス医師は、常勤医に比べ臨床経験をさせてもらえる機会が少ないです。ただし臨床経験を特に優先させたい方でない場合は、フリーランスになってもさほどデメリットとはならないでしょう。
むしろ難しい症例などにチャレンジすることも少なくなるため、フリーランス医師の方が落ち着いたペースで働くことができます。常勤医に比べ激務を強いられることも少なくなるため、常勤医の忙しさに悩んでいる方や体調面で無理をしたくない方にもおすすめできます。
フリーランスとして活動したい医師が登録すべきサービスは?
フリーランス医師として活躍していきたいのであれば、医師の仕事を獲得できるようなサービスに登録することをおすすめします。フリーランス医師が登録すべきサービスには、大きく分けて「医師専門の求人サイト」と「フリーランス向けの求人サイト」の2種類があります。
医師専門の求人サイト
フリーランス医師として仕事を探したいなら、医師専門の求人サイトに登録すると良いでしょう。医師専門の求人サイトとは、医師に向けた採用情報や求人案件を取り扱う転職支援サイトになります。
例えば「エムスリーキャリア」なら、定期非常勤やスポットの求人が豊富にあるため、フリーランスとして自分が活躍できる医師の仕事を探すことができます。病院に直接応募できる求人のほか、コンサルタントが紹介する求人なども知ることが可能です。
そしてエムスリーキャリアの求人は診療科目だけでなく、「当直なし」「職場環境がいい」などの具体的な勤務条件でも仕事を探すことができます。そのため自分のライフワークバランスを整えながら、無理のない範囲で働くことができます。
フリーランス向けの求人サイト
フリーランス医師は、フリーランス向けの求人サイトに登録することでも仕事を探せます。フリーランス向けの代表的なサイトには「フリーランス名鑑」があります。
フリーランス名鑑は、企業とフリーランスをマッチングするサイトです。仲介料無料で、自分のスキルに合った仕事を探せるのが大きなメリットです。
通常の病院で働くような医師としての業務だけでなく、医療コンサルやメディア関連の案件など幅広いジャンルの仕事を探すことができます。フリーランス医師として活躍の場や可能性を広げたい方は、ぜひフリーランス名鑑への登録をおすすめします。