フリーランスになるには？始め方や必要な手続き、事前準備などを解説

近年フリーランスという働き方が注目されるようになり、これからフリーランスを目指す方も増えています。しかしフリーランスを目指すうえで、以下のような悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。

「フリーランスになるにはどのような準備をするべき？」

「フリーランスになった後に安定して仕事を確保する方法は？」

フリーランスになるには、まずは退職や保険・年金・開業届など、さまざまな事務手続きが必要です。加えて安定した収入を得るためには、スキルを磨き続けることや営業活動をすることも必要になるでしょう。

この記事のポイントとして、以下を中心に解説します。

記事を最後まで読むことで、フリーランスになるのに必要な準備や手続き、未経験からフリーランスになる方法や流れが確認できます。

なお、フリーランスとして稼ぐまでのスキルを素早く身につけたい方は「フリーランス名鑑」と「StockSunサロン」の利用がおすすめです。

クライアントから仕事を受けられるフリーランス名鑑と、フリーランスとしての実践力を高めるStockSunサロンを同時に活用することで、ご自身のフリーランスとしての市場価値を上げることができるでしょう。

StockSunサロン・フリーランス名鑑に登録する

フリーランスとは何か詳しく知りたい方は「フリーランスとは？どういう意味？定義をわかりやすく解説」をぜひ参考にしてください。

フリーランスになるには？必要な準備や手続きを解説

フリーランスになるために必要な準備や手続きとして、以下のステップが挙げられます。

上記のステップを押さえておくことで、会社を辞めた後でも将来について必要以上に不安にならずに済みます。

また、必要な準備をしてからフリーランスとして独立することで、その後の業務にも集中できるでしょう。

ここからは、それぞれのステップについて詳しく見ていきます。

ステップ1.独立前の準備をする

フリーランスになるために必要な準備や手続きとして「退職前に必要なものを準備すること」が大切です。

退職前に必要なことや手続きは以下の通りです。

これらのポイントをしっかり把握しておくことで、フリーランスになってから「この手続きをしておくべきだった」と後悔することがなくなります。

将来設計をしておく

退職前に準備しておくべきポイントの1つは「将来設計をしておくこと」です。

会社員としての働き方とフリーランスとしての働き方は、大きく異なります。働き方の変化に伴い収入や肩書きも変わるため、自身と家族の生活に大きな影響があるでしょう。

「ただ会社を辞めたいから」「フリーランスとして自由気ままに在宅ワークをしたい」のようなあいまいな理由でフリーランスになると、収入が減り生活が苦しくなる恐れがあります。

そのため今後の働き方やどのように収入をあげていくかなど、将来の設計をしておくことが大切です。

なお将来設計をする際は、以下のポイントを押さえると良いでしょう。

上記の点を押さえて将来設計を考えると、自身が実際にフリーランスになった際のイメージが湧きやすくなります。

ローンを組んでおく

退職前に準備しておくべきことには「ローンを組んでおくこと」も挙げられます。

フリーランスは、会社員と比較すると社会的信用が低い傾向にあり、ローンを組めなくなる可能性があるためです。例えば、フリーランスとして生活できるほどの収入が安定してきた場合でも、住宅ローンを組めないことがあります。

そのため、直近で家や車などのローンを組む予定がある場合は、フリーランスになる前にローンを組んでおくのが賢明です。

なお、フリーランスでもローンを組める場合があります。フリーランスの場合、審査の際には売上から経費を引いて実際の手元に残るお金で審査されます。

会社員と比較して収入が安定しにくいため、会社員よりも高い年収が求められるケースが多くローンを組むハードルは高いと言えるでしょう。

クレジットカードを作成しておく

退職前に準備すべきこととして「クレジットカードを作成しておくこと」もあります。

先述の通り、フリーランスは社会的信用が低い傾向にあるため、ローンと同様にクレジットカードも会社員と比較して発行しにくいと言えます。

例えば経費の支払いにカードを利用しようと思っても、審査落ちしてしまうと経費用のクレジットカードを作れません。そのため、フリーランスになってからではなく会社員時代にクレジットカードを作っておくことをおすすめします。

ただしフリーランスでも、信用情報に傷がなくある程度の安定的な収入がある場合は、審査に通る可能性はあります。

名刺や印鑑などの備品を用意しておく

名刺や印鑑などの備品も退職前に用意しておくべきです。

名刺は自分を売り込むためのツールであり、営業活動をしたり人脈を広げたりする際に必要になってきます。独立後すぐに活動するためにも、退職前には名刺を作っておきましょう。

また、官公庁に提出する書類や契約書を作成する際には印鑑が必要になるので、プライベートで使用する印鑑とは別に仕事用の印鑑も作っておきましょう。屋号が決まっていれば、屋号を入れた印鑑を作っておくと信用力の向上につながります。

フリーランスは名刺を作るべきか知りたい方は「フリーランスに名刺は必要？肩書きや住所など受注に効果的な項目まとめ！」をぜひ参考にしてください。

税金に関することを調べておく

退職前に準備すべきポイントには「税金や保険に関することを調べておくこと」も挙げられます。フリーランスになると加入する保険や納税方法が、会社員とは異なります。

事前に調べておかなければ、確定申告の際になにをすればよいかわからないなどの事態に陥るでしょう。また、保険に加入していなければけがや病気の際も自費で治療費を支払うことになります。

保険と税金に関して、フリーランスと会社員の相違点を下表にまとめました。

なお税金の支払い額を少しでも減らすために、控除できるものはなるべく利用すると良いでしょう。フリーランスが控除できる項目例として、以下が挙げられます。

注意点として、住民税は前年の収入に対してかかります。そのためフリーランスとして独立した際、仮に1年目が無収入だとしても会社員時代の給料に対して住民税を支払わなければなりません。

フリーランスが納めるべき税金について詳しく知りたい方は「フリーランスの税金の種類や計算法｜所得税はいくらか、個人事業主の節税のコツも紹介！」をぜひ参考にしてください。

必要書類の雛形を用意しておく

フリーランスになると請求書や領収書などの書類を発行しなければならず、独立後に必要な書類の雛形は退職前に作成しておきましょう。必要書類の雛形を作っておくと、独立後に慌てずに済みます。

退職前に用意しておきたい必要書類の雛形は次の通りです。

仕事環境を整えておく

「仕事環境を整えておくこと」も退職前に必要な準備です。

パソコンや必要なソフト、資格などフリーランスとして仕事を続けるために必要なものをあらかじめ揃えておくと、独立後すぐに仕事に集中できます。

整えておく仕事環境の例として、以下が挙げられます。

フリーランスの職種によって、上記以外にも必要なものは異なります。

例えばWebデザイナーは、ネット環境やパソコンのほかに、仕事で利用するツールを購入する必要があるでしょう。またエンジニアの場合は、CPUがCore i5以上など業務に必要なパソコンの性能も異なります。

具体的にどのような環境を用意すべきかを知るには、同じ職種で独立している人を参考にすると良いでしょう。

ステップ2.各種手続きを済ませる

フリーランスになるための必要な準備には「各種手続きを済ませること」も挙げられます。具体的には以下の手続きを行っておく必要があります。

上記の手続きに精通しておくことで、フリーランスとしてのスタートを順調に切ることが可能です。それぞれの手続きについて詳しく見ていきましょう。

国民年金に切り替える

フリーランスになるために済ませる手続きとして「国民年金への切り替え」があります。

国民年金に切り替えると、会社員の厚生年金がなくなるためもらえる年金の総額は少なくなります。また扶養がつかないため、配偶者がいる方はその方の年金も納める必要があります。

一方でフリーランスになると国民年金額を控除できるため、節税対策の一環になるメリットもあるでしょう。国民年金に切り替える手順は以下の通りです。

また、国民年金に加入する際に必要なものは以下の通りです。

上記の手続きは、原則として退職から14日以内に行う必要があります。ほかの作業で手が回らず手続きができないということがないよう、退職前に行えることは先に済ませておくことが大切です。

フリーランスが加入する年金について詳しく知りたい方は「フリーランスが国民年金にプラスで利用できる制度は？国民年金基金やiDeCoなどを紹介！」をぜひ参考にしてください。

国民健康保険に加入する

フリーランスになるために済ませるべき手続きには「国民健康保険に加入すること」も挙げられます。

国民健康保険に加入すると、会社からの補助が出ないため保険料が全額負担になります。また、保険料は自身で支払う手続きをする点も覚えておきましょう。

なお具体的な保険料は前年度の収入によって決まるため、独立1年目は会社員時代の収入にかかる保険料の支払いが必要になります。

国民健康保険に加入する手順は以下の通りです。

また、国民健康保険に加入する際に必要なものは以下の通りです。

国民健康保険への加入も国民年金と同様、原則として退職から14日以内に手続きを行う必要があります。そのため、国民年金と一緒に手続きを行うことがおすすめです。

フリーランスが加入できる健康保険について詳しく知りたい方は「フリーランス・個人事業主向けの健康保険！保険料を安くする方法やおすすめの民間保険3つを紹介！」をぜひ参考にしてください。

個人事業開業届を提出する

フリーランスになるために済ませる手続きには「個人事業開業届の提出」もあります。

個人事業開業届のメリット、デメリットは以下の通りです。

個人事業開業届を出すと、税制面でメリットがある青色申告ができるようになります。開業届の提出は必須ではありませんが、税金対策をしたい場合は届け出をすると良いでしょう。

また開業届を出すと事業用の銀行口座を作ることも可能になり、社会的信用面でのメリットがあります。個人事業開業届の提出手順は以下の通りです。

なおマイナンバーカードとICカードリーダーがあれば、自宅で開業手続きをすることも可能です。

フリーランスの開業届の提出方法について詳しく知りたい方は「フリーランスの開業届は必要？申請タイミングや書き方、必要書類や提出する流れを紹介！」をぜひ参考にしてください。

青色申告承認申請書を提出する

フリーランスになるために済ませる手続きとして「青色申告承認申請書を提出すること」も大切です。

青色申告をするメリットは以下の通りです。

青色申告承認申請書を提出すると、最大65万円までの青色申告特別控除が受けられます。また事業で純損失が生じた場合、翌年以降3年間にわたって所得金額から損失分を差し引きできます。

青色申告承認申請書の提出手順は以下の通りです。

フリーランスの確定申告のやり方が知りたい方は「フリーランスの確定申告の書き方・やり方！個人事業主が自分で簡単に手続きできる会計ソフトは？」をご覧ください。

ステップ3.案件を獲得する

独立前の準備や各種手続きが終わったら、フリーランスとして案件を獲得しましょう。

独立して営業活動をせずに案件を待っているのみでは、仕事獲得はできません。自身で営業活動をして、積極的に受注を目指さなければなりません。

営業活動の例として以下があります。

独立したことをSNSで報告すると、会社員時代に獲得した人脈から仕事をもらえる可能性があります。

また近年ではネット上で情報収集をする方が多いため、ホームページを制作すると、不特定多数のユーザーの目に留まりやすく有効な手段と言えるでしょう。

特にWeb系の職種で働く場合、自身の情報の受け皿としてホームページやSNSなどのアカウントを利用するのはおすすめです。

フリーランス仕事の取り方や探し方が知りたい方は「フリーランスの仕事の取り方！エンジニアやWEBデザイナーの仕事探しにおすすめの7つの方法！」をご覧ください。

なお、上記のようなフリーランスに必要な事務手続きの詳細は「StockSunサロン」にて公開中です。フリーランスとして独立しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

StockSunサロンに登録する

未経験からフリーランスになるには？

フリーランスになりたいサラリーマンが独立後スムーズに仕事・案件を獲得するには、以下の手順を踏むと効率的です。

上記のポイントをしっかり押さえておくことで、独立後に仕事が見つからず無収入状態に陥るリスクを軽減できます。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

ステップ1｜どんな仕事をするか決める

独立後スムーズに仕事・案件を獲得するために「フリーでできる仕事を把握すること」は大切です。

フリーランスは、自身のスキルが収入に直結します。そのため自身が貢献できる分野を洗い出し、具体的な作業内容をまとめておくと受注に結びつけやすくなるでしょう。

例えば、サラリーマン時代にエンジニアだった場合は、自身が書けるプログラミング言語を把握しておく必要があります。また、会社でSNSマーケティングを担当していた場合は、得意なSNSのマーケティングスキルをまとめておくのがおすすめです。

なお、自身のスキルをまとめる際のポイントは「クライアントの立場に立って、何ができるのか明確にしておくこと」です。

例えばHTMLとCSSを扱える場合は「HTMLとCSSができます」ではなく、「企業のホームページ制作が得意です」と宣伝すると伝わりやすいでしょう。

フリーランスができる仕事について詳しく知りたい方は「フリーランスの仕事の種類！おすすめの職種や仕事内容を一覧で紹介！」も参考にしてください。

ステップ2｜スキルや資格を取得する

独立後スムーズに仕事・案件を獲得するためには「必要なスキルや資格を獲得すること」も大切です。

会社員時代に培ったスキルや習得したスキルに加え、新しいスキルや資格を習得し磨き続けることで、仕事の幅が広がって案件獲得に困りにくくなります。

例えばWebライターの場合、マーケティングスキルを身に着けて、マーケティング目線でのライティングができるようにしておくと自身のフリーランスとしての価値が上がります。

またプログラマーの場合は、新しい言語を習得することで対応できるシステムのバリエーションを増やせるでしょう。必要なスキルを獲得する際に大切なポイントは「自身が得意な領域で仕事の幅が広がるスキルを習得すること」です。

例えば、Webライターの場合はSEOについての知識を学び、マーケティング目線でのSEOライティングを身につけることが例として考えらます。

なお、必要なスキルを獲得する方法がわからない方におすすめの手段の1つに「StockSunサロン」があります。StockSunサロンの特徴は以下の通りです。

StockSunサロン・フリーランス名鑑に登録する

フリーランスとしてスキルや資格を取得したい方は「スキルなしでフリーランスになれる？必要なスキル一覧とスキル不足の対処法！」や「フリーランスに資格は必要？エンジニアやデザイナーなど職種別におすすめの資格・検定一覧」をぜひ参考にしてください。

ステップ3｜フリーランス向けサービスで実績と人脈を作る

独立後スムーズに仕事・案件を獲得するために「フリーランス向けサービスで実績と人脈を作る」も大切です。

発注者は、フリーランスの実績をみて依頼するか検討することが多い傾向にあります。そのため、実績を積むことはフリーランスにとって最も大切な項目と言えるでしょう。

さらに、フリーランス同士でネット上やリアルイベントで繋がることで、その人脈を生かして仕事がもらえることもあります。そのため、フリーランス同士で繋がりを持っておくことはメリットが大きいです。

主なフリーランス向けサービスは以下の通りです。