ECサイトを無料作成する方法|オープンソースだと簡単に作れる?
- フリーランス名鑑編集部
- 記事制作日2020年12月25日
- 更新日2021年10月21日
ECサイト市場は近年成長の一途をたどっています。それに伴い「ECサイトで自社の商材を展開して事業を拡大したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし「予算に限りがあるので、できるだけ安く自社サイトを作りたい」と望んでいる方も多いと思います。
そこでこの記事では、ECサイトを無料で構築する方法として、以下のポイントを解説します。
・ECサイトを無料で作る方法・無料でECサイトを作れるASP4選を紹介
・無料でECサイトを作れるCMS4選を紹介
・無料ECサイトの作り方
・無料ECサイトを作るデメリット
この記事を読むと、あなたのECサイト立ち上げの目的に合わせた無料の立ち上げ方法がわかるようになります。
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ECサイトを無料で作る方法
ECサイトを無料で構築する方法として大きく分けて以下の2つの方法があります。
・無料CMS
両者の概要や利用方法について学ぶとサイト構築への大きな前進となります。以下で詳しく見てきましょう。
無料ASPを利用する
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)とは「特定のサービスをネット上で提供している業者」のことです。
レンタルサーバーを借りたりソフトをダウンロードせずに、ネット上の管理のみで利用できる利便性の高いサービスになります。
無料ASPのメリット・デメリットに関して以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・簡単に作成できる ・Webサイトに慣れていなくても使いやすい ・構築準備が簡単 ・サイト管理が簡単 ・メンテナンスコスト不要 ・セキュリティ対策はASPが対応 |
・自由度が低い(カスタマイズできない) ・ECサイトの内容と関係ない広告が表示される可能性がある |
カスタマイズ性が低いですが、サイト構築までのプロセスが容易でコストもかからないのが魅力です。
無料ASPがおすすめなのは「Webサイト構築に慣れてない方」や「とりあえずネットショップを始めて感覚を掴みたい方」などになります。
CMSを利用する
「CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)」とは「webサイトやコンテンツを構築・管理・更新できるシステム」のことです。
基本的な操作では特別なコーディングスキルをほとんど使わずに、ウェブサイトをワープロ感覚で構築できる簡便さが大きな特徴です。
CMSには「オープンソース」と「クラウド」の2種類があります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
オープンソース
オープンソース型CMSとは「外部にソースコードが公開されていて、利用者は自由に利用できるCMS」です。
オープンソース型CMSのメリット・デメリットに関して以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・サイトを構築しやすい ・一からサイト制作するよりも簡単 ・ソースコードを操作してオリジナルを作成できる |
・専門的な知識が必要 ・サーバーやドメインの準備が必要(コストがかかる) |
テンプレートやプラグインを利用して気軽にサイト構築ができるため、操作は比較的容易です。ただしカスタマイズを行う場合には一定のWebスキルが必要になります。
そのためオープンソース型CMSがおすすめなのは「IT専門知識がある方や「カスタマイズを充実したい方」などです。
クラウド
「クラウド型CMS」は「WEB上でホームページが作成できる仕組み」です。
オープンソースの場合はレンタルサーバーを用意してソフトウェアをダウンロード・インストールする必要があります。
一方クラウド型は自社サーバーを用意する必用もソフトをインストールする必要もありません。Web上でECサイトを制作できるためハードルが低いのが特徴です。
クラウド型CMSのメリット・デメリットに関して以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・初期費用がかからない ・サーバーの用意が不要 |
・自由度が低い(カスタマイズできない) |
クラウド型CMSがおすすめなのは「初期費用をかけたくない方」や「サーバーの用意ができない方」などです。
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無料でECサイトを作れるASP4選
ここでは登録料と月額料金がかからないASPを取り上げていきます。
おすすめできる4つのASPについて詳しく見ていきましょう。
サービス名 | 決済手数料 | サービス手数料 | 振り込み手数料 および事務手数料 |
特徴 |
---|---|---|---|---|
BASE | 3.6%+40円 | 3% | 2万円未満:500円 2万円以上:250円 |
多くの決済方法に対応 |
STORES.jp | 5% ※スピードキャッシュの利用で+3.5% |
無料 | 一律275円 | ・商品登録数に制限なし ・機能が充実 |
イージーマイショップ | 5%+40円 | 無料 | 一律250円(税別) | デザインの自由度が高い |
Yahoo!ショッピング | 3.0%(税別)〜 | 無料 | 無料(入金サイクル変更により金額が異なる) | 集客力が高いモール型 |
BASE
「BASE」は120万以上のショップオーナーが利用しているASPです。
サポート体制が優れているのが特徴で、出店や運営のコツなどを丁寧にサポートしてくれます。
BASEのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・おしゃれなデザインが豊富 ・複数の決済方法がすぐ利用できる ・サポートが充実している |
・商品売上に対してサービス利用料が請求される ・2万円未満の振込には事務手数料500円がかかる |
BASEをおすすめするのは「クレジットカードやキャリア決済などに対応するECサイトを構築したい方」や「出店ノウハウなどは学びながらEC展開をしていきたい方」などです。
STORES.jp
「STORES.jp」はデザインテンプレートのバリエーションが豊富なASPです。
簡単な操作でECサイトを構築できるシンプルさが人気です。
STORES.jpのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・操作がシンプル ・商品登録数無制限 ・メルマガやクーポン機能も充実 |
・他社に比べて決済手数料が高い |
STORES.jpをおすすめするのは「豊富な量の商品を登録して販売したい方」や「簡単な手続きでECサイトを始めたい方」などです。
初期費用や月額料金がかからない「フリープラン」を利用することで、よりリーズナブルな運営ができます。
また、月額費用がかかる「スタンダードプラン」もあります。
こちらのプランでは決済手数料が3.6%とフリープランより安くなったり決済手段が増えるため、「決済手数料の軽減や支払い方法の拡充をしたい方」におすすめです。
イージーマイショップ
「イージーマイショップ」はSEO対策が施されたテンプレートを提供しているASPです。
商品画像を高解像度でユーザーに見せられる機能が便利で、自社の商材を効果的な方法で視覚に訴えることができます。
ドラッグとドロップを利用したデザイン構築も可能で、Webスキルがそれほどなくてもサイト制作が可能です。
イージーマイショップのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・操作がシンプル ・商品登録数無制限 ・メルマガやクーポン機能も充実 |
・無料版ではデータ記録容量が0.1GBに制限 ・再販リクエスト受付機能やお問い合わせ管理ができない |
イージーマイショップは「シンプルな操作でECサイトを構築したい方」や「商品画像の見せ方にこだわりを出したい方」などにおすすめです。
Yahoo!ショッピング
「Yahoo!ショッピング」はモール型のASPです。
知名度が高い地盤に出店するスタイルになり、最初から集客率の高さが見込めるのが特徴です。
Yahoo!ショッピングのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・集客に強い ・初期費用や月額システム利用料、売上ロイヤルティが無料 |
・ストアポイント原資、キャンペーン原資などの費用が必要 |
Yahoo!ショッピングは「初期費用や月額料金を抑えて運営したい方」や「Yahoo!の知名度を活かした集客戦略を持っている方」などにおすすめです。
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無料でECサイトを作れるCMS4選
ではここからは無料で利用できるCMSとして、登録料と月額料金がかからないサービスを取り上げていきます。
おすすめできる4つのCMSについて詳しく見ていきましょう。それぞれの簡単な概要は下表の通りです。
サービス名 | 決済手数料 | サービス利用料 | 振り込み手数料 および事務手数料 |
特徴 |
---|---|---|---|---|
EC-CUBE | 5% | 無料 | 不明 | 汎用性が高く、独自のECサイト構築が可能 |
WordPress (オープンソース) |
3%〜 | 無料 | 不明 | SEOコンテンツと連携させて集客しやすい |
WIX(クラウド) | 無料(利用するクレジットカードによる) | 無料 | 無料 | デザインの種類が豊富(500種類以上) |
Jimdo(クラウド) | 3.6%+40円/件(ペイパルの手数料) | 無料 | 5万円未満:250円 | 操作が簡単で日本語フォントが多い |
EC-CUBE(オープンソース)
「EC-CUBE(オープンソース型)」は国内サービスでは人気の高いCMSの1つです。日本の会社が提供しているサービスだけあり、言語の壁がなく安心して利用できます。
小規模店舗から大規模店舗まで対応できるほか、800以上あるプラグインを利用してさまざまなカスタマイズを行えます。
EC-CUBE(オープンソース)のメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・日本企業が運営してるので言語面で簡単 ・レビューを表示させるなどの機能を搭載 |
・無料のテンプレートが極端に少ない |
EC-CUBEをおすすめなのは「レビュー機能をサイト内に持たせたい方」や「デザインにこだわりたい方」などです。
WordPress(オープンソース)
「WordPress(オープンソース型)」は世界中のWebサイトの37%で利用されているCMSです。圧倒的なシェアを誇り信頼感は抜群です。
WordPressそのものはECサイトに特化していませんが「Welcart」や「WP-Olive Cart」などのプラグインでECサイト化できます。
WordPressのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・仕組みが簡単で初心者でも作成しやすい ・Welcartのプラグインを導入することで機能を追加できる ・WP-OliveCartのプラグインを導入することで機能を追加できる |
・EC用のプラグインの導入が必要 ・新しい決済方法が出た際に対応が遅い |
プラグインの例として「Welcar」を導入すると、クレジット決済やクーポン機能・定期購入・自動継続課金機能などを追加できます。
また「WP-Olive Cart」を導入すると決済機能や在庫管理機能を追加できます。
WordPressをおすすめするのは「Webスキルが豊富にないために簡単な操作でECサイトを作りたい方」です。
WIX(クラウド)
「WIX(クラウド型)」はドラッグとドロップを使った操作でサイト構築ができるシンプル操作のサービスです。
また、スマホサイトとの親和性も高いほか、SNSとの連携にも対応しています。さらに、テンプレートが豊富で500以上のデザインから自社サイトにふさわしいものを選択可能です。
WIX(クラウド)のメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・直感的に操作できるので初心者でも作成しやすい ・フォームを追加できる機能がある ・デザインの種類が豊富(500種類以上) |
・無料版での制限が多い ・サービスが重い ・日本語の電話サポートがない ・インポートの機能がない |
WIX(クラウド)をおすすめするのは「シンプルな操作でサイト構築したい方」です。
Jimdo(クラウド)
「Jimdo(クラウド型)」は数分でサイト公開ができるなど、サイト制作アシスタント機能が優れているサービスです。
また、SNSとの連携機能やサイト訪問者の傾向を把握する解析機能・動画やマップの設置機能など利便性が高いです。
Jimdo(クラウド)のメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・簡単な操作でHPが作成できる ・日本語フォントが多い ・デザインが豊富 ・セキュリティが手厚い ・SNSと連携ができる |
・電話サポートがない ・バックアップ機能がない ・無料版は長期間ログインしてないと削除される ・決済方法がPayPalのみ(無料版の場合) |
Jimdo(クラウド)をおすすめするのは「とにかくすぐにサイト構築をしたい方」や「動画やマップなどさまざまなコンテンツを設置したい方」などです。
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無料ECサイトの作り方
ASPとCMSは似ている部分もありますが、利用する流れはそれぞれ異なります。
ここでは、それぞれの流れについて詳しく見ていきましょう。
無料ASPを利用する場合
無料ASPを利用する流れは以下の通りです。
- 無料ASPに登録する
- ECサイトに登録されているテンプレートを選択する
- ECサイトに商品を登録する
- 公開する
基本的にはこの4ステップで構築できます。具体例として「BASE」の作成手順を見てみましょう。
- アカウントを作成する
- ショップの情報を入力する
- 売りたい商品を登録する
- テンプレートを選んでサイトデザインを作る
- サイトを公開する
なお無料ASPの便利な点は、サーバーを用意する必要がなく簡単に開設できることです。専門的なノウハウなく初心者でもサイト構築ができるほか、イニシャルコストや月額費用なども抑えられます。
カスタマイズ性に多少の制限がありますが「とりあえずECサイトの雰囲気を味わってみたい」方には便利です。
CMSを利用する場合
CMSを使ってECサイトを構築する場合は、サーバーとドメインを用意する必要があります(オープンソースの場合)。
一方でクラウド型の場合は必要ありません。
オープンソース型CMSを利用する流れは以下の通りです。
- レンタルサーバーを用意する
- オープンソースのサービスをサーバーにインストールする
- サイトデザインを作成する
- 商品を登録する
- サイトを公開する
具体的な例として「EC-CUBE(オープンソース版)」の作成手順を紹介します。
- サーバーを用意する
- EC-CUBEをサーバーにインストールする
- ショップの情報や決済方法を登録する
- プラグインなどでサイトデザインを作成する
- 商品を登録する
- サイトを公開する
オープンソースのCMSを利用する方法では、CSSやhtmlなどのIT専門知識が必要になるので注意が必要です。
ここまで無料ECサイトについて確認して、有料も含めECサイトの作り方全般について詳しく知りたいと思った方は「ECサイトの作り方|6つの構築方法を比較!個人・法人での立ち上げはどれが最適?」を参考にしてください。
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無料でECサイトを作るデメリット
無料でECサイト作成できるのは便利ですが、デメリットも多くあります。
端的に説明すると、無料と有料では機能に大きな差があるからです。そのため、用途に応じて使い分けることを意識してください。
ここからは無料ECサイトのデメリットについて見ていきましょう。
拡張性が低い
無料サービスは有料サービスと比較して、機能の自由度やカスタマイズ性が劣ります。
具体的な例を挙げると「有料版はデザインの種類が豊富なのに対して無料版は少ない」といった点があります。サイトデザインにこだわりを持たせたくても、気に入ったものが見つからないケースもあるはずです。
「汎用的に利用したい方」は有料サービス、「とりあえず試しに使ってみたい方」は無料版といった使い方がおすすめです。
セキュリティリスクが高い
無料で作る場合、有料サービスと比較するとセキュリティリスク面のリスクが高いです。
そのため、リスク回避のために有料の追加機能を購入する必要があります。例えばオープンソース型CMSのEC-CUBEにはさまざまなセキュリティオプションを有料で追加できます。
オプションを購入すると、不正ログインを検知したりクレジットカード決済の不正利用を検知したりできるプラグインを追加可能です。また2段階認証やアカウントロック機能を持たせることもできます。
これらを考慮すると「商品数が多く安全に利用したい方」は有料がおすすめです。しかし「商品数が少なく単価も安い方」は無料版でも当面は問題ないと言えます。
機能が制限される
無料版は有料版と比較して機能が制限されます。具体的なポイントとしては、使える決済手段に差があります。
また登録できる商品点数が、無料版ではより制限を加えられることもあります。
消費者が利用する決済手段には幅があるため、より多彩な決済方法に対応している方が守備範囲が広くなります。さらに商品バリエーションを多くしたい場合に支払い方法の制限は障壁になってしまいます。
機能面を考えると「お問い合わせフォームやより多くの決済方法など多くの機能を利用したい方」は有料がおすすめです。
一方「特に機能は重視せず、とりあえずネットでサービスを販売したい方」は無料版でも十分と言えます。
他サイトのペナルティの影響を受ける恐れがある
無料サービスは共用サイトで運営するため、共用サイトのドメインがペナルティを受けると自サイトに影響がでる可能性もあります。
そのため、もともとアクセスのあったキーワードで順位が下がってしまい、結果的にユーザー数が減るなどのデメリットが発生する恐れがあります。
「共用ドメインリスクを回避したい方」や「SEOでも集客をしようとしている方」は独自ドメインを利用できる有料サービスがおすすめです。
一方「SEO集客を視野に入れない方」や「ドメインリスクが気にならない方」は無料版でも問題ありません。
本格的にECサイトを運営したいなら有料サービスを利用しよう
本格的なECサイト構築には、以下の3つの要素が不可欠です。
・拡張性、機能面での制限なし・安全なセキュリティ
・独自ドメインの運営
将来的にECサイトを拡充していきたい場合は目先の予算や手間ではなく、カスタマイズ性の高さや万全なセキュリティ対策ができるサービスを利用する方が成功のしやすいです。
とは言え、テストの意味合いで無料ECサイトを利用するのも悪くはありません。しかし本格的に運用させたい場合は、長期的な視点でサイト構想や設計を行うようにする必要があります。
最初にプランニングをしっかり行うことで、サイトの伸び悩みや修正点の多発を極力防げます。
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