ECサイトの作り方|6つの構築方法を比較!個人・法人での立ち上げはどれが最適?
- nakanishi
- 記事制作日2021年01月19日
- 更新日2021年10月21日
ECサイトを制作する際は、当然ですがさまざまな準備が必要です。中でも、サイトの構築方法はその後のサイト運営の成果に大きな影響を与えます。
そこでこの記事では、初めてECサイトを制作する方でも結果の出るサイトを作る方法として、以下のポイントを解説します。
・ECサイトを作る方法を6つ紹介
・ECサイトを構築したあとに必要なものを紹介
・結果の出るECサイトを構築するためのポイント
この記事を読むと、あなたにぴったりのECサイトの作り方がわかります。
なお初めてサイトを作成するため、一から相談して結果の出るサイト作成を検討したいという方は、実績のあるフリーランスにお願いすると親身に対応してもらえます。
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そもそもECサイトとは何か知りたい方は「【事例】ECサイトとは?意味や定義をわかりやすく解説!」をぜひ参考にしてください。
ECサイトを導入する前に決めておきたいこと
ECサイトを導入したいと考えている方の中には「具体的にどのような準備をすれば良いのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ECサイトの運営する際には、以下の3つの要素を決定する必要があります。
・必要な機能
・サイトの運営体制
これらの要素を検討せずに導入してしまうと、その後のサイト運用を失敗してしまう恐れがあります。
この記事を読み終わったころには、ECサイトのイロハをより理解できるようになります。
予算
予算はプラットフォームの選定や欲しい機能の導入可否に影響するため、最初に決める必要があります。
目安として予算ごとに制作可能なプラットフォームの型を表にまとめました。
予算 | プラットフォーム |
---|---|
〜10万 | モール型、無料ASP 、オープンソース |
10万〜100万 | 無料ASP型、有料ASP型 |
100万〜500万 | ECクラウド |
500万〜 | パッケージ |
数千万〜 | フルスクラッチ |
どのようなプラットフォームを選択するかは、予算や初期費用のみでなく、ランニングコストやECサイトの見込み年商も加味した上で決定する必要があります。
例えば、予算が数十万円程度しかなく無名ブランドの商品を取り扱う場合は、無料ASPや利用者の多いモール型ECサイトから始めるのが無難です。
まずはECサイト構築と運用にかけられる自社の予算を把握から始めていくのがおすすめと言えます。
必要な機能
機能を決める際は、以下の2つの観点で考えることが大切です。
・できれば付けたい機能
ECサイトに必要な機能例を2つの観点から下表にまとめました。
必須機能 | できれば付けたい機能 | |
---|---|---|
フロント(顧客側) | バック(お店側) | |
・商品検索機能 ・買い物かご機能 ・セキュリティ機能 ・決済機能 ・FAQ、お問い合わせページ ・アカウント登録機能 ・マイページ機能 |
・商品登録 ・在庫管理機能 ・受注・発注管理機能 ・顧客管理機能 |
・ランキング機能 ・SNS連携機能 ・サイト解析機能 ・コンテンツ機能 ・レコメンド機能 ・キャンペーン ・セール管理機能 ・レビュー機能 |
また上記に加え、スマホ用アプリの制作も必要か検討しましょう。
近年、スマホでのECサイト利用者も多く、スマホ用アプリの開発はより多くの顧客の確保へ繋がります。
また、自社に技術力が高いスタッフが在籍している場合は、カスタマイズ性や拡張機能に関して幅広く考慮しておくと良いです。
より便利でユーザービリティーの高いサイトを製作することで、リピーターも発生しやすくなります。
運営体制
正確なECサイトの運営のために、運営体制を予め整えておく必要もあります。
ECサイトの運営には以下の2つの業務があります。
・バックエンド業務
これら2つの業務の詳細を、下表にまとめました。
マーケティング業務 | バックエンド業務 |
---|---|
・商品企画 ・仕入れ ・サイトデザイン ・ブログ、SNS更新 ・集客、プロモーション ・サイトデザイン ・機能カスタマイズ ・アクセス解析 |
・受注発注管理 ・在庫管理 ・入金確認 ・検品 ・顧客対応 ・顧客管理 |
ECサイトの展開規模にあわせて、それぞれの業務に必要な人数と経費の想定が必要です。
仕入れ規模が大きい場合や販売個数が大量になる場合、数人体制で運営を続けるのには無理が出てくる可能性があります。
例えば食品販売を手がける場合「クリーム菓子のみを販売するのか」と「スイーツ全般を販売するのか」で商品企画や検品・在庫管理に割くべき人員は大きく変わります。
自社で全業務を担当できないときは、いくつかの業務をアウトソーシングすることも検討しましょう。
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ECサイトの作り方(構築方法)は6種類|特徴を比較
ECサイトの構築方法は6種類あり、それぞれ初期費用・月額費用・特徴が異なります。
大まかな相違点を下の表にまとめましたので、参考にしてください。
構築方法 | 初期費用 | 月額費用 | 特徴 |
---|---|---|---|
無料ASP | 0円 | 0円 | とにかく安く作れる |
有料ASP | 〜10万円 | 〜10万円 | 無料ASPよりも機能やデザインが豊富 |
クラウドサービス・SaaS | 〜300万円 | 10万円〜 | カスタマイズ性が高い |
オープンソース | 0円 | 10万円〜 | テンプレートやオプションが豊富 |
ECパッケージ | 〜500万円 | 10万円〜 | 独自の販売方法が可能 |
フルスクラッチ | 数千万円〜 | 10万円〜 | あらゆるカスタマイズが可能 |
ここからは、それぞれの構築方法やおすすめの企業を具体的に見ていきましょう。
無料ASP
想定年商規模 | 初期費用 | 月額費用 | カスタマイズ可否 |
---|---|---|---|
〜1000万円 | 0円 | 0円 | 不可 |
無料ASPは「試しにECサイトを始めたい個人事業主や法人」におすすめです。
ASPはあらかじめハードウェアやソフトウェアを自前で用意する必要がないため、ネット知識がない方でも運営可能です。また、サイト不具合やシステムの不具合などを気にする必要もありません。
さらに、イニシャルコスト・ランニングコストもかからないため、試験的に利用することも可能です。
無料ASPのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・初期費用、月額費用が0円 ・専門知識が必要ない ・サポートが付いてくる |
・手数料がかかる ・独自のECサイト制作ができない ・連携できるサービスに限りがある ・機能の拡張性が低い |
無料ASPの代表的なサービスには、以下のようなものがあります。
・STORES.jp
・イージーマイショップ
また、無料でECサイトを作る方法をより詳しく知りたい方は「ECサイトを無料作成する方法|オープンソースだと簡単に作れる?」をぜひ参考にしてください。
有料ASP
想定年商規模 | 初期費用 | 月額費用 | カスタマイズ可否 |
---|---|---|---|
〜5000万円 | 0円 | 0円 | 不可 |
有料ASPは、「力を入れてEC事業に取り組みたい個人事業主や試しにECサイトを運営したい法人」におすすめです。
初期費用・月額費用ともに数万円のコストがかかりますが、ほかの構築方法と比較するとトータルコストは低めです。
また、手数料を取られないサービスが多く利益率が高くなるほか、サポートが充実しているという利点もあり、力を入れてEC事業に取り組みたい個人事業主には特におすすめです。
ただしカスタマイズができないため、オリジナルのサイトを作りたい際は不向きと言えます。
有料ASPのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・無料ASPよりもサポートや機能面が充実している ・外部ツールと連携できる ・豊富なサイトデザインを利用できる |
・規模に合わせたカスタマイズができない ・ランニングコストが掛かる ・慣れるまで時間がかかる |
有料ASPの代表的なサービスには、以下のようなものがあります。
・MakeShop
・Shopify
クラウドサービス・SaaS
想定年商規模 | 初期費用 | 月額費用 | カスタマイズ可否 |
---|---|---|---|
1億円〜 | 〜300万円 | 10万円~ | 可 |
クラウドサービスは「力を入れてEC事業に取り組みたい法人」におすすめです。
ECクラウドはASPよりも拡張性が高いため、売上や顧客の増減にあわせて独自の販売方法を構築できるのが特徴です。
簡単に言えばカスタマイズ性が高く、より自社サービスに合ったマーケティングが可能になるということです。
またシステムアップデートが自動でされたり、外部システムとの連携で店舗システムとの連携などもできます。
ただしソースコードを開示してないため、自社で保守管理ができないというデメリットがあります。
クラウドサービスのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・拡張性が高く独自のECサイトが構築できる ・SNSや店舗システムなど外部システムと連携ができる ・システムのアップデートが自動でされる |
・拡張性によっては初期費用が高くなる ・EC運営の知識が必要 ・自社で保守管理ができない |
クラウドサービスの代表的なサービスには、以下のようなものがあります。
・ebisumart
・Makeshop for クラウド
オープンソース
想定年商規模 | 初期費用 | 月額費用 | カスタマイズ可否 |
---|---|---|---|
1億円〜 | 0円 | 10万円~ | 可 |
オープンソースは「力を入れてEC事業に取り組みたい法人や独自の販売方法でEC運営を行いたい法人」におすすめです。
オープンソースは無料で公開されているソフトウェアのことで、自社サーバーにインストールしてサイトを構築する方法です。
インストールは無料で行うことができ、一定レベルのプログラミング知識さえあればデザインやカスタマイズも自由にできます。オリジナリティのあるECサイト構築に有効です。
一方で不具合があった場合には自社で対応が必要であり、ノウハウに乏しい場合には運営に支障が出る恐れもあります。
オープンソースのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・拡張性やシステム面での自由度が高い ・初期費用がかからないため試験的に中規模サイトを制作できる ・テンプレートやオプションが豊富 |
・プログラミングの知識が必要 ・セキュリティ面が脆弱 ・アップデートを自分たちで行う必要がある |
オープンソースの代表的なサービスには、以下のようなものがあります。
・magento
・WordPress
また、WordPressでのECサイトの作り方が知りたい方は「WordPressでのECサイトの作り方|Welcart(プラグイン)ならカート決済などの機能が充実」をぜひ参考にしてください。
ECパッケージ
想定年商規模 | 初期費用 | 月額費用 | カスタマイズ可否 |
---|---|---|---|
1億円〜 | 〜500万円 | 10万円~ | 可 |
ECパッケージは「力を入れてEC事業に取り組みたい法人やシステム面から独自のサイト構築をしたい法人」におすすめです。
ECパッケージは、売上管理・顧客情報管理など、ECサイトを構築する際に必要となる機能一式を備えたパッケージをインストールして構築するスタイルです。欲しい機能がない場合は、随時追加可能です。
クラウドよりも拡張性が高く、独自の販売方法など自由なカスタマイズができるのが特徴です。織込まれている機能が充実しているほど、システム構築までスムーズ進められます。
なお、ECサイト構築方法の中でも比較的大規模になるため、事業規模が1億円以上のECサイトに多く見られます。
ECパッケージのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・拡張性が高く、システム面から自由なECサイトを構築できる ・セキュリティ面が強固 ・ECサイトに必須機能が搭載されている |
・システムアップデートが必要 ・システム面を自由にカスタマイズできるため費用が高いことがある |
ECパッケージの代表的なサービスには、以下のようなものがあります。
・コマース21
・EC-Orange
フルスクラッチ
想定年商規模 | 初期費用 | 月額費用 | カスタマイズ可否 |
---|---|---|---|
10億円〜 | 数千万円〜 | 数十万円〜 | 可 |
フルスクラッチは「EC事業をメインにしている法人や大規模なECサイト構築を検討している法人」におすすめです。
フルスクラッチはゼロからECサイトを構築する方法であり、あらゆるECサイトの構築方法で、最もカスタマイズ性が高いのが特徴です。作る技術さえあれば、どのようなカスタマイズも可能です。
またシステムや機能をすべて内製化でき、市場や顧客の求めるものが変化した際には素早い対応がでるというメリットもあります。
このタイプは大規模なサイトに多く、構築期間も半年以上掛かるものが多いです。
フルスクラッチのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・ゼロから構築するため、あらゆるカスタマイズが実現可能 ・システムをすべて内製化できる ・自社で内製化するためマーケティング部門と素早い連携がとれる |
・高度なプログラミングの知識が必要 ・費用が莫大になるため、予算に余裕のある企業しか構築できない ・システムのアップデートが必要であり、アップデートにも高度な知識が必要 |
フルスクラッチでECサイト構築をしている代表的なサービスには、以下のようなものがあります。
・ZOZOTOWN
・GU
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ECサイトを構築したあとに必要なもの一覧
ECサイト制作後は、運営に向けて以下のものを準備する必要があります。
必要なもの | 概要 | 理由 |
---|---|---|
SSL証明 | 情報暗号化の仕組み | SSL証明を行うことで、セキュリティを向上させサイトへの信頼性が向上 |
商品写真 | 商品のサイズ感や素材感・デザイン性などを含んだ宣材写真 | 視覚的な商品情報を掲載することで顧客の購買意欲が向上 |
商品紹介文 | 商品を購買する消費者側のメリットを謳った文章 | ユーザーを惹き付けて購入メリットを印象付けるのに必須 |
コンテンツ(記事) | 商品に関連したコラムなどのコンテンツ | 特定のテーマや商品の関連情報を掲載することで、サイトの知名度を高めたりアクセス数を稼ぐ |
特定商取引法の表示 | ECサイト運営者が遵守するルールを法律に則っている証明 | 記載しないと罰則対象になる場合あり |
テスト・サイト管理 | 実際にネット上で運用を開始する前に、運営のシミュレーションすること(スタッフ教育も含む) | ・シミュレーションを行うことで、トラブルやバグの発生時に速やかな対応が可能 ・実運用をよりスムーズに運ぶ助けになる |
テストをあらかじめ行うことで、トラブルやバグの発生時に速やかな対応ができるほか、実運用をよりスムーズに運ぶ助けになります。
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結果の出るECサイトを構築するポイント
ECサイトは、ネット上にシステムを構築するのみでは意味を成しません。売上が伸びなければ構築コストやランニングコストだけがかかって赤字になってしまいます。
例えば、知名度がそれほど高くない商品を売るためにECサイトを立ち上げても、その商品の魅力や価格の妥当性が消費者に伝わらなければ購買者はなかなか現れないでしょう。
そのためECサイト構築の際には、以下のポイントを意識する必要があります。
・実績のあるWeb担当者をアサインする
ここからは、これら2点についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
Webマーケティングに強い開発会社やフリーランスに依頼する
ECサイトの構築を「Webマーケティングに強い開発会社やフリーランス」に依頼することで、結果に繋がりやすいECサイト構築ができます。
豊富なマーケティングノウハウのもとに構築されたサイトは、以下の点を押さえているため、売上やブランド向上に繋がりやすいです。
・効率的な販売ができるか
また、ECサイト構築後の運営もサポートしてくれるというメリットもあります。
そのため、ECサイト構築はWebマーケティングまで依頼できる開発会社やフリーランスに依頼することも検討しましょう。
実績のあるWeb担当者をアサインする
「実績のあるWeb担当者をアサインする」こともECサイトを軌道に乗せる上で大切です。実績のあるWeb担当者は、結果に繋がりやすいECサイトの構築、運営のノウハウを持っています。
また自社内に経験豊富なスタッフがいない場合、担当者を社内で育成するよりも、外部のエキスパートを起用した方が早く結果が出ます。
素早い構築と運用はサイト認知度を高め、中長期的に見ても利益が大きくなるため、価値ある先行投資です。これらを考慮しECサイト構築を検討する前に、実績のあるWeb担当者をアサインすることも検討してみましょう。
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また、ECサイトを運営するのに必要な運用スキルが知りたい方は「ECサイト運営とは?担当者の業務内容や必要な運用スキルなどを紹介」をご覧ください。
まとめ
ECサイト構築には、前提として以下の2つの要素が不可欠です。
・サイト規模に見合った正しい構築方法の選定
細かい計画を練らなければ、ECサイト運営に失敗してしまいます。また、ECサイトの市場規模は年々上昇しており競争は激化しているため、サイト構築のみに注力しても売上は望めないでしょう。
さらに、自社のリソースや人員の知識を把握しておくことも必要です。仮に予算が充実していたとしても専門知識やスキル、人的リソースが乏しいの場合は、成功の目は出にくいでしょう。
自社の人材のみサイト構築を検討するのが不安な場合は、実績のある会社やフリーランスに依頼することも検討しましょう。
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