1、最近のSNSの動向


ショートムービーがベースに

 スマホカメラの発達により、誰でも気軽に動画を撮影・投稿できるようになりました。また、動画編集アプリなどもたくさんあり、どんな人でもレベルの高い動画加工が簡単にできるようになってきたため、「TikTok」や「YouTubeショート」の様な短い尺の動画を中心に、今後も広がりを見せていきそうです。


若者のテキスト離れ

 以前はブログやTwitter、Facebookなど、テキストが主流にあったSNSですが、最近ではテキストに比べ、受動的に情報が耳と目から入ってくる動画が、より多くの人に好まれる傾向にあります。特に、利用者層が若ければ若いほど、動画コンテンツ、とりわけ短尺の動画が好まれる傾向にあります。その背景には、短時間でより多くの情報を得られるといった利点や、動きがあるため具体的なイメージがしやすかったり記憶に残りやすかったりといったことが挙げられます。


 若者の読書離れや国語力低下といった問題もあり(※1)、こういった側面からも、テキストを読むよりも動画を見ることを好む若者が増えてきていることが読み取れます。今後も動画系SNSが更に加速し、より多くの人が利用するようになると予想されます。


(※1)『池上彰が語る「日本人の読解力急落」の衝撃ーーなぜ、読解力が必要なのか?』参照:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77483


SNSの固定化

「Twitter」「Instagram」「YouTube」「TikTok」「Facebook」


 全世界で毎年新しいSNSが登場しているものの、上記のSNSに比べるとどれもアクティブユーザー数は少なく、これといった新しい機能もまだないようです。そのため、未だ上記5つのSNSの影響力は強く、今後も個人やビジネスでの活用には上記のSNSの活用は必須と言えるでしょう。



2、今後注目のSNS

1)国内


voicy

https://voicy.jp

 voicyは「声のブログ」として主にビジネスパーソン、就活生を中心に人気を集めているSNSです。

2021年4月時点での月間利用者数は250万人と多く、数字的にも右肩上がりなSNSと言えます。


 ラジオに近い感覚のSNSで、音声のみで楽しむコンテンツとなっています。

カテゴリ的には「ビジネス」「学習」「エンタメ」「ライフスタイル」「トーク」「スポーツ」と6つに分かれており、好きなカテゴリの中から配信者を選んで聞くような形になっています。


 まだラジオ系のSNSの浸透は浅く、動画でのSNSが主流になっている中で「音声」に特化した形を持っているvoicyは、2022年流行ること間違いなしです。



IRIAM

https://www.live.iriam.com

 IRIAMは顔出しをせずにキャラクターを模して配信が可能なSNSです。

自身でイラストを用意すればたった数分でバーチャル配信者になれる斬新な機能がついているのが特徴です。声だけで配信できるので、比較的シャイな日本人にとってはマッチしているSNSと言えるでしょう。


 また大手配信アプリの「ポコチャ」を運営する、「DeNA」から出資を受けていることもあり、今後の発展に期待できるSNSといえます。


 IRIAMだけではなく、ライブ配信系のアプリは収益化も進んでおり、2022年は多くの注目を集めることとなるでしょう。



GRAVITY

https://gravity.place

 GRAVITYは「共感しあえる人と繋がる」をテーマに交流をはかるツールとなっています。

機能としては音声通話がメインとなりますが、このSNSの特徴はそこではありません。


 利用開始時に心理テストを行いグループ分けするので、人間的に同じ感性を持つ人と繋がれたりストレスフリーな会話を展開できたりするのが大きな特徴となっています。


 「やさしいSNS」として広がりを見せ、様々なSNSが発展する中で「SNS疲れ」してしまった人でも気軽に利用できる仕様になっており今後の発展が楽しみなSNSの一つです。



2)海外(アメリカ)


 FacebookやYouTubeをはじめ、時代を創り出すSNSを生み出してきたアメリカ。日本の流行をより先に掴むために、アメリカで既に流行しはじめているSNSを調査しました。


Pinterest(ピンタレスト)

https://www.pinterest.jp

 2010年にアメリカで生まれたSNSで、自分好みの画像をコレクションできる仕様になっており、現在月間利用者数1億人を越えるSNSです。

一見Instagramと変わらないように見えますが、大きな違いが一つあります。


 それは「行動前」「行動後」かです。


 Instagramは「行動後」に他人に向けて発信しますが、Pinterestは「行動前」に自分に向けて発信するSNSとなっているのです。例えば「インテリアをどうしよう」「明日の夕飯はどうしよう」となった時に、自分の未来に向けて発信する、といった使い方です。その変わったスタイルがアメリカで人気を招いています。



Caffeine

https://www.caffeine.tv/unsupported-browser.html

 Caffeineは、元Appleのデザイナーが開発を手掛けた動画投稿SNSで知られています。

アメリカではすでにtwitchが(※2)、ゲーム実況SNS市場を確立しつつあるものの、Caffeineでは、よりユーザーに安全でテレビに近い配信を行うことで勝算を見込んでいます。


 ゲームのプレイ動画の配信をメインに開発された動画配信プラットフォームでしたが、現在は「スポーツ配信」や「ダンス配信」といった様々なジャンルでの配信が見られるようになってきました。 


 最近だとラッパーのドレークが主催するラップバトルの番組が独占配信され、870万人の同時接続を記録したことでアクティブユーザーを増やしました。


 より安全なユーザー同士の関係を創り上げるために、「差別的発言」「いじめ」に対して、他のSNSに比べて厳しく取り締まっていることを売りに、今後の動画系SNSの中でも、最注目のものといえるでしょう。


(※2)TwitchはAmazonが提供するライブストリーミング(ライブ配信)サービスで、PCやスマホアプリ、Fire TV Stickなど様々なデバイスに対応しています。


Steemit

https://steemit.com

 Steemitはブロックチェーン技術(※3)を使用した新しい形のSNSとなっています。

主にブログの様な記事を投稿していく形で、ブロックチェーン上に投稿が保存されていく仕組みです。


 一番の特徴は、投稿に対するいいねやコメントに応じて、主にSTEEMトークン(※4)が与えられることです。そのトークンはお金に変換することが可能なので、投稿主は投稿するだけで収益を得ることができるのです。


 ブロックチェーン技術が様々なサービスに応用されていくにつれてSteemitのユーザー数も増えていくことが期待されています。


(※3)ブロックチェーンとは、データの改ざんを困難にし、透明性を実現するために、ネットワークに接続した複数のコンピュータ同士が分散してデータの共有・監視を行う仕組みや、データを「ブロック」に収める際に、一つ前のブロックの内容を示すハッシュ値と呼ばれる情報を同時に格納する仕組みなどを組み合わせた技術のこと

(※4)イベント専用の期間限定ポイントのようなもの


3、まとめ

 以上、これからの期待が高まるSNSをご紹介しました。


 ラジオ的要素であったり、キャラクターに声を当てて配信したり、「やさしいSNS 」といったコンセプトを持っていたりなど、それぞれのSNSが何かしらの特徴を持ちながらサービスを展開していることが分かりました。

そういったターゲット層を明確にしたSNSがこれから先、注目されていくということが予想されます。


 ビジネスでSNSを活用する際にも、ただ闇雲に流行っているSNSに広告を流すだけでなく、そのSNSをどういう人が利用しているかということも考えながら、マーケティングしていくことがこの先とても重要になってきます。


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