Amazonと楽天市場どっちに出店すれば良いの?それぞれの特徴について徹底解説!
- 田邊 直己
- 記事制作日2024年2月11日
- 更新日2024年11月10日
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現在、ECモールへの展開を検討しているものの、Amazon・楽天市場どちらに出すべきか、もしくは両方出すべきなのかお悩みの企業様は多いのではないでしょうか。
今回の記事では
・Amazonと楽天市場のそれぞれの費用面や仕様の違い
・どういった企業が各モールに向いているのか
・モール運用でよくある失敗ケース
などをお話させていただきます。
この記事が少しでもECモール展開を検討されている方のお力になれば幸いです。
そもそもECモールとはなんなのか?
そもそもECモールとは何なのかからお伝えします。
ECモールとは、「複数のブランドや店舗が、一つの大きなサイトに集まって出店する形式のオンラインプラットフォーム」のことを指します。一方で、自社ECサイトというのは「自分たちのブランド・店舗のみを出品しているサイト」のことを指します。
オフラインで例えると、
- ECモールはショッピングモール
- 自社ECサイトは自分たちで店舗を構えている路面店
に当たります。
ECモールはAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング・Qoo10・ZOZOTOWNなど複数存在しています。今回はその中でも圧倒的に市場規模の大きいAmazon・楽天市場に焦点を当ててお話をしていきます。
Amazonと楽天市場のそれぞれの特徴と違いについて
まず、Amazonと楽天市場はモール形態が大きくことなっています。
具体的には下記違いがあります。
- Amazon:マーケットプレイス型
- 楽天市場:テナント型
もう少しイメージの湧くお話をさせていただくと、
Amazonは「ドン・キホーテに棚を借りて、そこに商品を置くイメージ」、楽天市場は「ショッピングモールである、イオン内に自分たちの店舗を構えるイメージ」です。
上記違いにより、同じECモールとはいえ、Amazonと楽天市場で下記のような点が大きく異なります。
- 固定費
- 開店後の工数
- ページ作成の自由度
- 出品した後にできる施策の自由度
下記表に簡単に主要ECモール(Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング)の比較表を掲載しておきます。
| Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング |
---|---|---|---|
月間利用者数 | 4,729万人 | 5,104万人 | 2,288万人 |
推定売上規模 | 4兆7,069億円 | 4兆4,510億円 | 1兆4,180億円 |
月間出店料 | 4,900円 | 50,000円(スタンダードプラン) | 無料 |
販売・決済手数料 | 8%~15% | 4.5%~8.0% | 3.0%~4.48% |
モール形態 | マーケットプレイス型 | テナント型 | 組み合わせ型 |
※月間利用者数参照元:ニールセン、デジタルコンテンツ視聴率のMonthly Totalレポートによるオンラインモールのサービス利用状況参照
※推定売上規模参照元:eccLab 【2020年EC流通総額ランキング】国内18・海外27のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド
その他の主要な特徴としては、下記となります。
- Amazon:商品ページの自由度が低い・CRM機能が無い・ガジェットや男性向け商材が強い
- 楽天市場:商品ページの自由度が高い・CRM機能が使える・ギフトや食品などが強い
ECモールに出品する場合にはこれらの特徴や各商材の市場規模を押さえた上でどちらから出品していくかを判断する必要があります。
Amazonに向いている企業と楽天市場に向いている企業とは
上記特徴を見ただけでは、正直どちらから出品するべきなのかピンと来ていない方も多いのではないでしょうか。
ここからは、実際にAmazonの出品に向いている企業と楽天市場の出店に向いている企業の特徴について解説していきます。
Amazonの出品に向いている企業の特徴
Amazonの出品に向いている企業の特徴は下記です。
- 商品数が少ない
- Amazonと相性の良い商材を扱っている
- 運用リソースが潤沢にない
- ECモールの運用にまずはチャレンジしてみたい
このような企業様はAmazonの出品が向いています。
Amazonと相性の良い商材を扱っているというのは言わずもがなではありますが、Amazonで売上を作っていく上では基本的には「Amazonに流入してきたユーザーのシェアを奪い合う形」になります。そのため、市場規模の小さい商材の場合、目指せる売上規模も小さくなってしまうため、市場規模の大きい商材のほうが適しています。
また、商品数が少ない企業様がAmazonが向いている理由はモール形態の違いによるものです。楽天市場はページの自由度が高く、CRM機能が多く備わっているものの、商品数が少ない場合だとこの恩恵を十分に受けられず、固定費だけが高くなってしまいます。
続いて運用リソースについてですが、Amazonはページの自由度が低い、裏を返せばフォーマット化されているものが多いという点や、返品や発送などのお客様との直接のやり取りが発生する部分をAmazon側が対応してくれるという点から楽天市場と比較すると工数がかからない点が特徴です。
そのため、「今はそんなに社内リソースが無い」といった企業様でもハードル低く挑戦できるECモールとなっています。
上記理由により、「ECモールの運用にまずはチャレンジしてみたい!」といった企業様はAmazonから出品されるのが良いのではないでしょうか。
楽天市場の出店に向いている企業の特徴
楽天市場の出店に向いている企業の特徴は下記です。
- 商品数が多い
- 楽天市場と相性の良い商材を扱っている
- リソース(人的・金銭的)が確保できる
Amazonとは逆になってしまうのですが、機能面が充実している分、商品数が多い場合はクロスセルやアップセルができる機能が備わっているため売上自体は伸ばしやすいです。
また、分析できるデータもAmazonと比較すると多いため、正しいマーケティング戦略を立てて運用していくことでより大きな売上規模を目指すことが可能です。
ただ、一方で固定費が高かったり、機能が充実していることから使いこなすためにはリソースが最低限備わっていることが最低条件となります。
モール運用でよくある失敗事例
ここからは、よくあるECモールでの失敗事例をご紹介します。
商材による相性を間違えてしまうケース
最もわかりやすい商材が「ギフト」ではないでしょうか。
皆さんもイメージしていただくとわかるかと思うのですが、Amazonでプレゼントを購入したり、お中元やお歳暮をAmazonで購入したりといった方は少ないのではないでしょうか。
やはり圧倒的に「ギフト」に強いのは楽天市場になります。
そのため、Amazonに出品してどれだけ売上を伸ばそうと思っても「Amazonでプレゼントを購入する人が少ない=市場規模が小さい」ため、売上はなかなか伸びません。
まずは、出品しようとしているモールに「市場があるかどうか」は事前に確認する必要があります。
商品数が少ないのに楽天市場から開始するケース
良くご相談でいただくケースとして、1商品しかないのに楽天市場で販売を始めようとしているケースです。
楽天市場は固定費が高くなっているため、損益分岐点がAmazonと比較すると高くなっています。また、機能が充実していることやバックオフィス業務などの負担が大きいことから、かけたリソースに対して回収するのが困難に陥りやすいです。
もちろん、既に自社ECサイトで売上が立っており、楽天市場内でマーケティングをしなくても、十分な売上期待値があるケースは別ですが、そうでない場合はAmazonからの出品をすることを強くおすすめいたします。
リソース不足で運用の手が回らないケース
まずはECモールに出品はしてみたものの、人手が足りず何もできないケースです。
たまに「ECモールは出品しておけば勝手に売れる」と勘違いしている方がいらっしゃいますが、それは間違いです。
ECモールでは、各ECモールの特徴・特性に合わせたマーケティング戦略をとらなければ一切売上は上がりません。
最低限担当者1名をつけ、マーケティング戦略の立案から実行までを行いましょう。
まとめ
今回はECモール、その中でもAmazon・楽天市場に焦点を当ててお話をさせていただきました。
まとめると、Amazonはリソースがあまりない小規模事業者や商品数の少ない店舗様におすすめです。一方、楽天市場はリソースに余裕がある一定規模の事業者様におすすめのモールとなっています。
また、モールに関しても商材との相性があるため、まずは「どのくらいの売上を目指せそうか」という市場分析を行った上で出品を進めていただくことも重要です。
モールの出店・運用に困ったらまずはご相談ください
色々とお話をさせていただきましたが、こちらの記事を読んでいる方の中には
- 市場分析ってどうやってすれば良いの?
- 結局どっちに出せばよいか答えを知りたい!
- 知識も運用リソースも無い
- ゆくゆくは内製化したいがとりあえず最初は丸投げしてスピードを上げたい
といった企業様もいらっしゃるかと思います。
そういった企業様はまずはご相談ください。
- そもそもECモールに出品したほうが良いか?
- ECモールで売上を上げるために必要なことは何か?
など疑問点にお答えし、私のほうでできるご支援内容についてお伝えさせていただきます。
まずは、お気軽にご相談・ご質問お待ちしております。
【問い合わせ先】
メールアドレス:tanabe.business0821@gmail.com
チャットワークID:tanabe_naoki
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稼働ステータス
◎現在対応可能
- 田邊 直己
職種
マーケティング
マーケティングプランナー
希望時給単価
5,000円~10,000円
Amazon・楽天市場特化のECモールのコンサルティング運用代行をしております。下記経歴・実績紹介となります。 【経歴】 2021年4月~2022年6月: Amazon・楽天市場のコンサルタントとして、店舗様の売上拡大のコンサルティングから実行部分(戦略設計・広告運用・クリエイティブディレクション・クアイアント折衝など)までを担当。 2022年7月~2023年12月: マネージャーとして、 ・Amazon・楽天市場のコンサルティング・運用代行 ・新入社員の教育 をメイン業務。 2024年1月~: Amazon・楽天市場を主体としたECモールの運用支援をフリーランスとして行う 【実績】 ①健康食品取り扱いメーカー様 Amazon:立ち上げから約1年で月商1,500万超 単品リピート通販を行っている企業様で、Amazonに新規出店。初回値引きで購入した転売ショップがAmazonに乱立する形となったため、転売ショップのウォッチング・排除の運用フローを構築・実施し、転売ショップに売上が流れない状態を作ることにより値崩れの防止、売上減少の防止を行いました。 ②化粧品取り扱いメーカー様 Amazon:約1年半で月商20万→月商150万 ご契約当初、売上高広告比率が50%を超える状態となっておりました。また、ページのコンテンツが作られていない(CVRが低い)状態で広告の運用を行っていたため、広告費の削減およびコンテンツを早急に行い、コンテンツの作りこみと広告の最適化を行いました。結果として売上は7.5倍、売上高広告比率も20%に抑えることでAmazon単体を赤字から黒字転換しました。 ③男性向け商材取扱メーカー様 Amazon:約1年で月商50万→月商1,500万 数年前まではWEB広告等を使い自社サイトで大きく売上を作っていたものの、薬事により広告が縮小。その結果、Amazon内での売上も減少しておりました。しかし、ページのコンテンツも作られておらず、広告も運用されていない状況だったため、まずはコンテンツ作成および広告の最適化を行いました。一方で、昔のWEB広告の影響でレビューが荒れていたため、転換率が伸び悩んだため、レビューの最適化を行うことで転換率は1%ほどだったものを7%ほどにまで引き上げ、約1年、1商品のみで月商1,500万円まで伸ばすことに成功しました。 ④スピルリナ商品取扱メーカー様 スピルリナの入った商品で競合商品のおよそ9倍の販売価格となっておりました。当初、青汁関連などの健康意識の高い方向けに広告やクリエイティブの作成を進めていたのですが、価格が高いこともあり売上が伸び悩んでおりました。そのため、市場を「健康食品」ジャンル、「健康意識の高い人」からターゲットを変え、「競合商品に対して悩みや不満を抱えている人」にクリエイティブ、広告配信先等を絞る形にいたしました。その結果、広告費は半減、売上は1.5倍という結果を出すことに成功しました。 ⑤某食品メーカー様 月間広告費:8.5百万円 CPA:710円 CVR:18.8% →月間広告費:8百万円 CPA:618円 CVR:19.2% 広告費が無駄に使用されていた部分を削減し、より獲得効率の良いターゲティング先に予算を注力いたしました。広告費は下がったものの広告経由売上はほぼ横ばいという形で維持し、SEOが上がった影響でオーガニック売上は伸び、結果売上高広告費率は3%改善する結果となりました。
スキル
戦略設計
WEB戦略設計
・・・(登録スキル数:3)
スキル
戦略設計
WEB戦略設計
・・・(登録スキル数:3)