どのような「バリュー」を患者に提供できるか(書評:「ヘルスケア産業のデジタル経営革命」
- 日紫喜 光良
- 記事制作日2020年8月15日
- 更新日2020年8月15日
- 0いいね!
要点
どのような患者にどのようなバリューを届けるかがヘルスケアサービスで重要である。そして、バリューを具体化したアウトカムによって、サービスが評価される(値段がつく)ようになる。これからのヘルスケアビジネスは次の4種類に分類されるだろう。
- リーンイノベーター:ジェネリックのより一層の効率化
- 患者サービスイノベーター:製品(医薬品、医療機器等)に患者サービスという付加価値を与える。
- バリューイノベーター:満たされない医療ニーズの解決をめざす。患者にとってのバリューを高めアウトカムを実現するために製品を利用する。保険事業者などリスク負担者が顧客となる。
- 新デジタル医療企業:満たされない医療ニーズの解決をめざすスタートアップ企業が顧客となる。スタートアップ企業の顧客は患者から保険事業者からメーカーまで網羅される。
ペイシェント・ジャーニー(診断、発病から治療、退院までの患者が体験する一連のプロセス)における満たされない医療ニーズのギャップを埋めるために、患者とのコミュニケーションをデジタルツールで補完し、医療専門家との信頼あるパートナーシップ構築をめざす。さらには、多くは医療施設の外にある、治療法、ライフスタイルなどの様々な側面を「システム」として統合・調整することで、集団のペイシェント・ジャーニーにおける総合的なバリューの最大化を図る。
次のような人材がこれからのヘルスケアサービスで求められている。
- あらゆる問題を妥協なく患者の視点で捉える(例:戦略的な視点や実践的な経験を備え、既存の医療モデルに疑問を呈することのできる臨床医やコメディカル職員)
- 患者や医療システムへの価値提供に責任を負う
- 意思決定の材料としてリアルワールドデータや分析を重視する(つまり、正しい問いかけをし、分析結果を正しく解釈できる)
- 価値向上のためのサービスパッケージを支える社内外のパートナーシップに積極的・協力的である
- デジタルエコノミクスを念頭に、会社のビジネスモデルをデジタルスピードに対応できるものに転換する
簡単な解説を作りました。この本を理解するために、「バリュー」の概念を意識しないと内容が理解できないと思いますのでそこに重点を置いて作りました。次のスライド動画をごらんください。
Part 1: https://youtu.be/BcHtzY9bvK4
Part 2: https://youtu.be/UgL933ut4T8
Amazonのページはこちらです。
https://amzn.to/30Wb87K
- この記事にいいね!する
この記事を書いた人
- 0いいね!
稼働ステータス
△仕事内容による
- 日紫喜 光良
職種
セールス
営業
希望時給単価
3,000円~5,000円
現職は東邦大学理学部情報科学科の准教授です。情報技術でより良いヘルスケアの提供をめざす医療情報学が専門です。 1987年 東京大学教養学部理科三類入学 1993年 東京大学医学部医学科卒業。医師免許証取得。研修医(東大病院) 1994~1998年 東京大学大学院医学系研究科(社会医学専攻(医療情報学(指導教官:開原成允教授、大江和彦教授))) 1998~2000年 日本学術振興会特別研究員(東京大学理学部情報科学科 辻井潤一研究室) 2000~2001年 信州大学医学部附属病院 医療情報部助教 2001~2008年 産業技術総合研究所 生物情報解析研究センター 主任研究員 2008年~ 現職
スキル
Microsoft Excel
英語
Microsoft Word
スキル
Microsoft Excel
英語
Microsoft Word