独自サービスを作るための費用感・相場とは?各サービスをオリジナルで制作した場合の目安コスト
- 土門 大貴
- 記事制作日2023年8月15日
- 更新日2023年10月21日
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弊社はシステム会社なので、『WEBサービスを作りたい』『社内システムを作りたい』というご相談をよくいただきます。
もっと詳しく語ると、『地域振興のメディアサイトを作りたい』とか『いろんなSaaSに散らばった社内の案件情報を一元化したい』とか『顧客データを活かしてマッチングサイトを運営したい』といったお問い合わせです。
これらのご相談をいただくお客様は、業種・規模ともに千差万別なのですが、どの企業様もおそらく一番気になられる点は、その開発費用でしょう。
なにせオリジナルのシステムというものは、会社ごとに相場がバラバラで、見積もりの項目もわかりにくいため、よほどシステムに精通した方でない限り、その費用感を読み解くのがとても難しいのです。
今日はそのような『費用感がわからない』という方のために、各サービスをオリジナルで制作した場合の目安をご紹介します。
なお、目安といっても『最小で構成した場合』の目安となりますので、もちろんここからかけ離れた金額が、システム会社から提示されることもあり得ます。その点は予めご了承ください。
メディアサイト:50万円〜
自社でオウンドメディアを持つ企業さんは、ここ数年でかなり増えてきました。
単純にメディア事業をされる企業さんもいらっしゃいますし、コンテンツマーケティングや、ドメインの強化が狙いの場合もあります。
そのような『メディアサイト』をオリジナルで作る場合、50万円ぐらいからが相場になるでしょう。
なお注意していただきたい点として、なんでもいいから、ただメディアサイトが欲しい、というだけならば、ほとんどお金を使わずに作れます。
例えばWordpressのようなCMSをインストールして、数千円のテーマをインストールしてもメディアサイトは作れますし、
bloggerやnoteをドメインと紐づけることだってできます。
しかしながら『自社の事業へ効果的な導線を引く』とか『とにかく高速で読み込みを行わせたい』『大量の画像をホストしたい』『動画のストリーミング等も行いたい』といった場合は、それらの要求に答えられるよう、それなりにサーバ環境やシステムの作り込みを行わなければなりません。
そのようなオリジナルの調整を施したメディアサイトを作りたい場合は、上記のような相場となります。
社内システム:80万円〜
一昔前とは違って、現在では社内情報のIT化というのもかなり進んできたと思います。
中小企業やスタートアップでも使いやすい、安価な顧客管理ツールやプロジェクト管理ツールがたくさん用意されています。
しかしながら、そういったツールはオリジナルで作られたものではないので『ここにこういう項目を入力できたらいいのに』と感じることは、使えば使うほど出てきます。
また色々なツールを使うあまり、『情報がいろんなツールに散らばりすぎている』とか『形骸化して誰も使わなくなったツールがある』といった状況にも陥りやすいです。
もちろん、多機能で細かくカスタマイズできることが売りの社内ツールもありますが、そういったサービスはランニングコストがとても高かったり、
あまりに多機能すぎて、カスタマイズするのにSEばりの知識が必要となったりします。
そういった状況に陥った場合は、いっそオリジナルの社内システムをオーダーするのはいかがでしょうか。
『案件管理』や『在庫管理』『顧客管理』といった情報を、あなたの会社が一番使いやすいよう設計することが可能です。
制作費の目安としては、80万円ぐらいからのスタートとなります。
決して安くない金額ですが、市販のSaaSを使った場合、年間いくら掛かるのか、といった点も考えてください。
それらのサービスは従業員一人当たりの月額課金がかかるので、年間のコストでみると結構なコストとなっている場合があります。
しかしオリジナルで社内ツールを制作した場合は、毎月の保守料+クラウド費用のみで済むため、そこまで大きなコストとはなりません。
ぜひその点も考えて、制作を検討してみてください。
toC向け、toB向けで決済機能が必要なサービス:150万円〜
すこしタイトルが分かりにくくなりましたが、要は『マッチングサービス』や『ECサイト』、『フリマサイト』『クラウドファンディング』『レンタルサービス』といった、決済機能がついたWEBサービスの制作になります。
これらをオリジナルで制作しようとした場合は、150万円~が相場となるでしょう。
ただし、この金額はあくまで小規模の場合であり、複雑なアプリ・サービスを組み込む必要があるケースでは料金が跳ね上がります。
逆に既存CMSやフレームワーク等が流用できるシステムであれば、コストダウンできる場合もあります。
なお、決済機能が付属するこういった事業は、補助金等の対象となります。
IT導入補助金やものづくり補助金等の申請を検討して見られてください。
またこれらのサービスを制作する場合は、どの決済代行業者と契約するのか、といった点も考慮が必要になります。
ぜひ下記記事もご覧いただき、早めに決済代行業者を選定されることをおすすめします。
AI活用のサービス:120万円〜
また、最近特に問い合わせが増えているサービスとして、AI(特にChatGPT)を活用したものが挙げられます。
例えば『社内の”お問い合わせ”や”よくある質問”をChatGPTに回答させたい』といったケースや、
『データ解析の自動化』、『音声の文字起こし』、更には『顔認識ソリューション』といったものもAIの領域です。
これらは数年前まで費用対効果が見合わないサービスでしたが、OpenAIがChatGPTを公開した今、しっかりコストに見合うような成果を出すことができます。
決して実験段階のプロジェクトではなく、すでに大手銀行や地方自治体等でも導入が進んでいる技術です。
もちろんAIが担える業務というのは千差万別なので、費用もピンキリではありますが、『独自サービス』というくくりで言うなら120万円程度は見ていただいたほうがいいと思います。
それでも現在非常に注目されている技術ですし、その割にまだ国産サービスがあまりない状態なので、しっかり考えた上で開発を行えば大きなチャンスが拾える分野です。
スマホアプリ:200万円〜
そして現在、BtoCサービスの主戦場であるスマートフォンアプリについてもご紹介します。例えば『店舗の公式アプリ』や、『小規模なSNS』、『自社のサービスのスマホアプリ化』等の開発です。
これには、おおよそ200万円~が掛かると考えてください。
これまで挙げた他の独自サービスより高くなっていますが、それには理由があります。
というのも、『動けばいい』WEBアプリやPCアプリと違い、スマートフォンアプリには色々な制約があるからです。
そもそもOSが2種類ある上に、片方に絞ったとしてもバージョンが多岐にわたります。
画面の縦横比やCPU・メモリ等も千差万別な上、取得したい情報によっては権限等も考慮しなければなりません。
更にはそれらの対策を行ったとしても、エミュレーターだけで絶対的に対応できるわけではないため、実際にリリースしてからの改善も必要になります。
そしてAppStoreやGooglePlay等に登録する場合は、各規約やガイドラインに抵触していないか、調査し考慮した上で開発を行わなければなりませんし、申請を行うにもそこそこの工数がかかります。
なので、WEBサービスでは100万円で済んだものが、アプリ化しようとすると200万やそれ以上のコストが掛かる、という話はざらにあるのです。
ただし逆にいえばそれだけ参入障壁が高いとも言えるため、『アプリ化の意義がある独自サービス』は、作れれば非常に大きなアドバンテージを得ることになります。
なお、これはあくまで独自サービスの価格なので、
もし公開されているフレームワークをそのまま流用できるようなアプリであれば、もっとコストを低く抑えて制作することも可能です。
このあたりの判断についてはとてもややこしいので、検討される場合は是非一度ご相談下さい。
独自サービスの価格 高い?安い?
ここまで各種独自サービスを開発する際の費用についてご紹介しましたが、高いと感じられますか?安いと感じられますか?
もちろん、軽い気持ちで試せるほど安い金額ではないでしょう。
100万円程の費用があれば、CMを打ったり、駅に広告を出したり、新商品の試作やイベントを開催することもできます。
しかしそもそも考えていただきたい点として、独自サービスは軽い気持ちで作るものではありません。
メディアサイトであれスマホアプリであれ、それ相応の計画と覚悟をもって企画を行うべきものであって、
単にお金の使い道として選ぶのであれば、先程挙げたような使い方や、投資にでも当てたほうが賢明でしょう。
(なお社内システムについては、もちろんそこまで重たく考えなくとも大丈夫です)
もし本気で独自サービスを作りたいのであれば、店舗1軒を立ち上げるぐらいの心構えで企画を行ってください。
独自サービスも店舗も『人の必要を満たす』という点では変わりません。
であるならば50万~200万という金額は、実店舗の設備投資よりは安いのではないでしょうか。
そして、ITの独自サービスでうまく行った場合のリターンは、店舗を構える形の事業よりも非常に大きいものとなります。
なお、今回取り上げたような独自サービスを開発する際は、ぜひ『MVP開発』といった手法についても検討してみましょう。
非常に効率よく、低コストで需要の確認ができる開発手法で、MVP開発から大きなサービスへと変貌を遂げたIT系サービスは山ほどあります。
MVP開発については、これまでいくつか記事をリリースしています。ぜひこちらもご一読いただければ幸いです。
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