▼初級編

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▼中級編

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初級編、中級編をお読みになっていただきありがとうございます。
上級編では、SEO対策を外注する事業者様が知っておくべきことをベースに以下を解説していきます。

 

・SEO対策の上級テクニック
・良いSEO業者・フリーランスの選び方
・SEO業者が提案してくる内容の基本概念
・SEO対策は業者以外にもお金をかけるべき
・ポータルサイトのSEO対策

 

私は10年以上SEO対策に携わってきました。「ポケパラ」というナイトレジャーのポータルサイトを0から開発し、SEO対策を並行して行ってきました。このサイトはページ数200万以上MAX月間約1億PVがあり、この業界では圧倒的な情報量と認知を得ています。

 

このサイトに10年間携わる中で、SEO業者5社とお付き合いをしてきました。SEO業者の提案を本質的に理解し、サイトに落とし込んできました。結果として「エリア×業種」でほぼ1位を獲得しています。

 

このように多くのSEO業者と付き合いをしてきたため、SEO業者に依頼する側の事業者が知っておくことを理解しています。知っておかないとSEO業者の言われるがままになります。実際この5社の中には、めちゃくちゃな施策を提案をしてきた会社もありました。依頼する側も最低限の知識を理解しておかないと、毎月数十万円~数百万円以上するコンサル費が無駄に終わってしまう可能性もあります

 

そして最後の章では、ポータルサイトを運営している事業者様向けのSEO対策を解説します。10年間ポータルサイトのSEO対策をしてきた私が、実際に行ってきた施策をまとめました。ポータルサイトのSEO対策で陥りがちな点と、シンプルにポータルサイトで順位を上げるにはどうすればよいか、を解説していきます。

 

■SEO対策の上級テクニック

SEO対策の考え方として、サイトに"流入する前"と"流入した後"に分けて考えていきます。流入する前とは、ユーザーがGoogleで検索をし、アナタのサイトをクリックするまでの流れです。流入した後は、Googleからアナタのサイトをクリックし、ユーザーがサイト内でどうゆう動きをするかです。

 

それぞれを分けて考えて対策することにより、よりSEO対策でするべきことが明確になってきます。

 

◆流入する前のSEO対策

ユーザーがGoogleで検索し、どのサイトをクリックするか悩んでいる状況を想像してください。
この場面で、よりアナタのサイトがクリックされるように対策をしなければいけません。「とりあえず上位に表示されればクリックされやすいんじゃないの?」と鋭い方は思うと思いますが、その上位に表示されるためにこれらの対策があります。要するにニワトリが先か卵が先かの理論になります。

 

・titleタグ

まずGoogleの検索結果でクリックしてもらうために工夫すべきことは「titleタグを工夫する」ことです。titleタグとは、そのページの内容が何なのかを簡単に表すものです。

クレジットカード-比較-Google-検索 (1)

一般的なtitleタグのSEO対策として、「先頭の方にターゲットキーワードを配置する」手法があります。

例えば「名古屋 イタリアン」で上位に来る食べログのtitleは『名古屋で人気のイタリアン ランキングTOP20 | 食べログ』です。「名古屋」「イタリアン」を先頭の方にうまく配置していますね。

 

これは基本的なテクニックです。最初に伝えたように、titleタグを工夫して、Googleの検索結果でクリックしてもらわなければいけません。そのためのtitleタグ上級テクニックを紹介します。

 

・名古屋のイタリアン一覧
・名古屋のイタリアンおすすめ21選
極端な例ですが、上記の2つだと圧倒的に後者の方がクリックしたくなりますよね。つまりテクニックとは、より具体的な情報(数値や日付など)をtitleタグに盛り込むことです。10選、TOP10、2020年最新版など、数値でユーザーの目を引きクリックを誘います。

 

「クレジットカード 比較」で検索した場合の実例を紹介します。
・クレジットカード比較|注目・定番クレカ550枚【2020年10月】
・【2020最新・徹底比較】クレジットカード人気おすすめランキング
・【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2020年版】「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!全8部門の“2020年の最優秀カード”を詳しく解説!

 

最後のはちょっとやりすぎな気はしますが、アフィリエイトで超レッドオーシャンなクレジットカードで1位~3位のサイトがこういったtitleをつけています。

 

・description

ここまでがtitleのつけ方の上級テクニックです。もう1つ検索結果画面でクリックしてもらうために工夫する項目があります。それはdescriptonです。

クレジットカード-比較-Google-検索 (1)

descriptionはtitleの下に表示される文章のことです。この文章を読まない人もいますが、検索キーワードの種類によってや、検索慣れしている人はdescriptionを見てクリックするかを決めます

descriptionの上級テクニックもtitleと同じです。titleより長い文章を入れられるため、数値や日付など目を引くワードをうまく使い、ユーザーがクリックしたくなるようにしましょう。文章の先頭に目を引くワードを入れるのがコツです。

 

◆流入した後のSEO対策

流入する前の対策としてtitleとdescriptionの工夫を解説しましたが、せっかく獲得した流入を逃さないための内部施策を解説していきます。

 

流入してきた人を逃さないためにはどうすればよいか?「逃さない」とは、1ページだけ見て帰ってしまうことを防ぐという意味です。この『1ページだけ見てGoogleの検索結果に帰ってしまい、他のサイトを見る』という行動は、アナタのサイトのSEOでマイナスになります。

 

Googleはユーザーが求める情報を的確に提供することが使命です。

 

『1ページだけ見てGoogleの検索結果に帰ってしまい、他のサイトを見る』の行動が示すシグナルは、"アナタのサイトの情報ではユーザーは満足しなかった"、すなわち情報が間違っているか不足しているか的確ではないか、というマイナスシグナルになるのです。
 

・内部リンク

上記のマイナスシグナルを発生させないために内部リンク構造が重要となってきます。もちろん最初の1ページ目にユーザーが求める情報が網羅されていて、ユーザーにそれで満足してもらうことが大前提ですが、さらに関連情報のリンクを設置することでサイト内を回遊してくれます。

 

内部リンクは自然な流れで設置することが大切です。そのページの自然な文脈で関連する他のページのリンクを設置します。適当に設置するのではなく、常にユーザー視点で関連リンクを設置しましょう

クレジットカード-比較-Google-検索 (1)

内部リンクのメリットはもう1つあります。↑の画像の「サイトリンク」にいくつかワードが表示され、それぞれリンクになっています。これは内部リンクが大きく影響しています。関連した内部リンクを正しく設置することでサイトリンクが表示されます。

 

サイトリンクが表示されるとGoogle検索結果でより目立つため、流入する前のSEO対策にもつながってきます。

 

■良いSEO業者・フリーランスの選び方

良いSEO業者・フリーランスの選び方は、ズバリ『提案の質』です。

 

一般的にSEO業者を探す時、紹介やネットの比較サイトを使うと思います。その中で何社かから提案をしてもらい、その内容で決定しましょう。フリーランス名鑑で何人かに声をかけてもいいですね◎

 

ひと昔のSEO対策の主流は『外部リンク対策』でした。偽の外部サイトを構築し、そこからリンクを貼ることで順位を上げるという手法でした。この手法は現在は効きません。外部リンク対策を提案してくる業者は決して選んではいけません

 

現在のSEO対策の主流はコンテンツSEOです。コンテンツSEOとは、ユーザーが求めるコンテンツを正しく作り、そこに流入させる施策です。自社で正しくコンテンツを作っているつもりでも、『実はユーザーの需要とは真逆のものを作っていたり』、『自社サービスの成約につながらないコンテンツばかり作っていたり』、『テクニカルなSEO対策がコンテンツに施されてなかったり』することは往々にしてあります。

 

SEO業者の仕事は、正しい手法で正しい方向性で戦略を立て、それに向けて実際にコンテンツ制作の手助けをすることです。そしてその結果として、自社サービスの成約につなげることがSEO業者の価値になります。

 

◆正しい方向性の戦略とは

SEOとブランディングを合わせて戦略を立てなければいけません。「SEO単体で順位を上げれば良い」という考え方は戦略ではありません。SEO対策の結果としてブランディングを強化しなければいけません。

 

SEO対策でブランディングを意識するとは、「ファンを増やし、指名検索(サイト名や会社名の検索)を増やす」ことです。

 

Yahoo知恵袋で例をあげます。Yahoo知恵袋は知恵の共有サービスで、いろんな質問があり、それに回答が付きます。ahrefsで調べるとたくさんの流入キーワードがありますが、その中に「漫画バンク」というキーワードがありました。これで検索すると4位で多くの質問と回答があります。

 

Yahoo知恵袋はすでに十分認知度もあるし、SEO対策もバッチリされていますが、サービススタート当初はこういったキーワードで上位を目指そう!というSEO対策がされていたと思います。併せてファンを増やすためにサービス自体のブラッシュアップや広告などで認知度をあげていたと考えられます。

 

Yahoo知恵袋の流入キーワードには「知恵袋」「ヤフー知恵袋」がどのキーワードよりも圧倒的に多いです。指名検索が増えブランディングに成功しています。指名検索が増えると、Googleはそのブランドが人気のあるものと判断し、サイト全体の価値をあげます

 

SEO対策をただ順位を上げるための施策ではなく、WEBマーケティング全体戦略の施策の1つとして提案してくれるSEO業者を選びましょう。

 

■SEO業者が提案してくる内容の基本概念

「プラスの施策」と「マイナスを排除する施策」の2つに分けて説明します。

 

◆プラスの施策

これまでの章で解説してきたtitie,descriptionや内部リンク、コンテンツSEOを提案・実行することがプラスの施策になります。

これらは正しい方法で行えば、やればやるほどプラスになります。当然ですね。

※具体的な方法の説明は割愛します

 

◆マイナスを排除する施策

プラスの施策をどれだけしても順位が改善しない場合がまぁまぁあります。それはマイナス要因が存在し、プラスの施策をプラマイゼロ or マイナスにしているからです。

 

Googleは重複したコンテンツを最も嫌います。同じサイト内、外部サイトと同じコンテンツがあると、マイナス評価をします。

 

コンテンツとはページ内の文章のことを指しますが、title、descriptionの重複もGoogleは嫌います。サイト内にある1つ1つのページが、それぞれ異なったtitle、description、文章である必要があります。

 

これらのマイナスシグナルを発見できるのが、SeachConsoleのカバレッジという機能です。SearchConsoleはSEO対策をするうえで必須ですが、その中でもカバレッジというページには、上記のようなマイナス要因の一覧が表示されています。

 

SEO業者は、このカバレッジを見て改善案を提出してきます。

 

■SEO対策は業者以外にもお金をかけるべき

月数十万円~数百万円をかけてSEO業者に依頼しても、来月からすぐに効果が上がるわけではありません。SEO対策は中長期的な施策であって、対策を初めて早くて6ヶ月ほどで効果が表れます。

 

良いSEO業者の選び方の章でも話しましたが、ファンを作り指名検索を増やすために、短期的な流入が見込める手法をとるべきです。
 

それは広告です。SEO対策は中長期的な戦略のため、順位上昇を待っていては競合に出し抜かれます。SEO対策の効果が出るまでは、広告に力を入れましょうGoogle広告、ヤフー広告でSEO対策するキーワードで広告を打ちます。予算に余裕があるならSNS広告も併用して、認知度アップを図ります

 

SEO対策をすればそれでOKではなく、広告を併用してWEBマーケティング全体の戦略として考えます。

 

■ポータルサイトのSEO対策

最後にポータルサイトを運営している事業者様向けのSEO対策を紹介します。ポータルサイトとは、食べログ、SUUMO、マイナビなどの主に検索サイトを指します。

 

ポータルサイトとは地域ごとや業種、ジャンルなど網羅的な検索ができるサイトであるため、地域×業種の数だけページが存在し、必然的にページ数は多くなります。地域・業種ごとの各ページは、基本的に同じ1つのシステムで動いているため、1つのページでSEO対策をすれば地域×業種のすべてのページのSEO対策ができます。

 

基本的なSEO対策はそれでできますが、ページ数が多いため管理も煩雑になりますし、すべての地域のキーワードで上位化は簡単ではありません。ポータルサイトはその地域のページがあり、その下に店舗や会社情報などがぶら下がります。食べログで考えるとわかりやすいですね。名古屋イタリアンのページがあって、そこに店舗がずらっと並んでいます。

 

こういったポータルサイトでSEO対策のベースとなる項目は以下です。
・情報量(店舗、会社の数)
・情報の質(1店舗ごとの情報の質)
・認知度
・マイナス面を常に排除

 

◆情報量

食べログの例を使うと、名古屋のイタリアンのお店がどれだけ多く掲載されているかになります。やはりポータルサイトはユーザーにできるだけ多くの情報を提供する必要があるため、情報量はユーザーからもGoogleからも求められます

 

情報量でいうと食べログの仕組みは秀逸です。食べログではユーザーが店舗登録をできます。ユーザーが情報量を勝手に増やしてくれるのです。しかも口コミも投稿してくれます。

 

この情報量を増やすには、ポータルサイトを運営する企業としてかなりのリソースを割きます。割り切ってリソースを割いて情報量を増やすのか、食べログのように自動で情報量が増える仕組みを作らないといけません。

 

ただサービス開始当初は、認知度もありませんしユーザーもいませんから、リソースを割いて情報量を増やす施策が必要です。予算を使って人員を確保し、情報量を増やす業務にあてるべきです。

 

ポータルサイトとしての情報量の理想は、対象(店舗、会社)がすべて掲載されていることです。

 

◆情報の質

情報量をすべて掲載したからと言って、検索結果で1位になれるわけではありません。情報量にあわせて情報の質が必要です。

 

情報量を増やすために、店名と電話番号だけしか載っていないページを量産しても、それはユーザーも望みませんしGoogleも評価はしません。むしろGoogleとしてはマイナスの評価をする場合もあります。

 

情報の質としての理想は、1つ1つの店舗名(会社名)検索で1位をとることです。例えば、食べログの名古屋イタリアンランキングで1位の「イル アオヤマ」で検索すると食べログが1位です。「名古屋 イタリアン」でGoogleで1位になるには、名古屋のイタリアン各店舗の指名検索で1位を取ることを目指さなければいけません。すべて1位は現実的には無理ですので、なるべく上位を取ることが重要です。

 

では各店舗で1位を取るにはどうすればよいか。他サイトにはないユーザーが求めるオリジナルのコンテンツを作ることです。オリジナルコンテンツの最低ラインとして、その店舗や会社のオリジナル紹介文を設置します。食べログは他サイトとは違い、ユーザーが写真や口コミをあげてくれるため、自然とオリジナルコンテンツが増えていきます。

 

オリジナルのコンテンツを作り続けるためには、社内の体制を強化するか、食べログのようにユーザーが作ってくれる仕組みを作る必要があります。

 

◆認知度

良いSEO業者の選び方の章でも話しましたが、ブランディングをして認知度をあげることが重要です。
 

ポータルサイトはそれなりのサイト規模になるので、競合も規模が大きくなります。食べログ、ホットペッパー、ぐるなび、rettyのようなイメージです。

 

大規模サイトの戦いになるほど、指名検索が重要になってきます。如何に「食べログ」という検索を増やすかを考えなければいけません。食べログはCMや広告を使って、その対策をしていますね。

 

◆マイナス面を常に排除

大規模サイトでは起きがちなミスについて解説します。

 

ページ数が多いサイトになると、titleやdescriptionが同じページが存在したり、最悪ページごと全く同じというミスが起こりがちです。何度も言いますが、重複ページはGoogleが最も嫌います

 

数十万ページとなると目視で管理することは不可能です。これらを効率的に解消するためにSearchConsoleのカバレッジが存在します。ここには重複ページの一覧が表示されるため、定期的にここをチェックして重複を解消し続けないといけません。

 

私の過去の経験として、カバレッジに表示されないものもありました。その場合は「site:」を使い、重複ページを発見します。「site:tabelog.com 名古屋 イタリアン」と検索すると、食べログの名古屋イタリアンに関するページが表示されます。この中に本来は存在してはいけないページがある場合、それを解消します。具体的には「https://tabelog.com/italian/aichi/A2301/rank/?param=test」など、想定していないパラメータがついているページがインデックスされ、重複ページになっている場合があります。

 

きちんとSEO対策をしているつもりでも、想定外の重複ページが生まれてしまうことは往々にしてあります。定期的なチェック体制を引き、常にマイナス要素を除外することで安定した順位を維持することができます

 

◆ポータルサイトのSEO対策は会社の体制次第(おまけ)

情報量、情報の質、認知度を総合的にあげるためには、会社の体制が大きく関わってきます。中枢となるSEOの戦略はSEO業者に任せれば良いですが、それに伴う実作業は社内で行います。(予算が豊富にあればすべて外注も〇)

 

ポータルサイトの場合は自社システムで運営している場合がほとんどであるため、SEO対策のシステム変更を迅速にできる体制がまず必要です。システム外注でも良いですが、変更のたびに煩雑な手順がある場合は、システム内製化を検討すべきです。SEO対策の変更は1日でも1分でも早く適用した方が良いです。そのためにシステム面での体制も強化しましょう。

 

またポータルサイトでは、基本のSEO対策に加えてコンテンツSEOもするべきです。外部に一括で任せる方法もありますが、社内で知見のある人がライターと組んでコンテンツチームを作るのがベストです。コンテンツSEOと店舗ページの紹介文の作成にライターが必要です。社内にアルバイトのライターチームを編成するか、外注ライターの確保が必須です。

 

このように、ポータルサイトでSEO対策を継続するためには社内の体制が非常に重要になってきます。収益面でも体制面でもSEOは経営と直結するため、部分的ではなく全体を見た戦略を立ててください