【広告を外注するマーケター向け】とりあえずこれだけは覚えておけ!失敗しない広告プランニング
- 山本 大揮
- 記事制作日2025年4月10日
- 更新日2025年4月10日
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- 「集客増加のために広告を始めたいが、何から始めたらいいんだろう?」
- 「広告の大まかな知識もないので、代理店の言いなり…」
これまでの会社員やフリーランス経験のなかで、多くの人からこのようなお言葉をいただきます。
そんなあなたに、これまで株式会社サイバーエージェントで、運用金額通算8億円(リスティング広告3億、Meta広告5億)の広告運用を経験した私が考える
「とりあえずこれ覚えておけば絶対に失敗はしない、プランニング方法」
をご紹介します。
この記事では「広告を外注したい、既に外注している」あなた向けに
- 全体プランニングをするために必要な考え方
- 各広告媒体の特性と、各媒体に相性の良いターゲット(人物)
- 媒体ごとの詳細プランニング手順(より広告を理解したい上級者向けに)
を解説していきます。
0.【本質】そもそも広告プランニングとは?
そもそも、「広告プランニング」とはなにか、その本質を説明します。
一言でまとめると広告プランニングとは、
「誰に、何の広告を、どのように、いくらお金をかけて見せるのか」ということです。
少し詳しく解説します。ついて来てくださいね。
「誰に、何の広告を、どのように、いくらお金をかけて見せるのか」とはつまり、
- 誰に:ターゲットとなる人物像
- 何の広告:媒体選定
- どのような広告:クリエイティブ(広告文、バナー等)
- いくらお金をかけて:広告予算の配分
見せるのか、決めていくことが、広告プランニングの本質となります。
以降の章では、まずこの中の最初の二つ
- 誰に:ターゲットとなる人物像
- 何の広告:媒体選定
について解説し、それらを具体的にどのようにプランニングに落とし込んでいくかを説明していきます。
1.まずは広告媒体選定から始めよ
まず、Web広告を始めるときに1番最初に決めなきゃいけないことが**「配信媒体」**です
ここでは媒体の種類と特徴、そこからの選定方法について説明します。
①広告媒体のプル型、プッシュ型を知って初心者卒業
配信媒体は大きく以下のものがあります。
プル型の広告媒体
自ら情報を取りに行くユーザーに対して配信する広告
代表的に上げられる媒体は以下になります。
- Googleリスティング広告
- Yahooリスティング広告
プッシュ型広告
広告主側からユーザーに当てる広告
代表的に上げられる媒体は以下
- Meta広告(Instagram広告、Facebook広告)
- GDN,YDA(検索ディスプレイ広告)
- Youtube広告
②ターゲットごとに適切な広告媒体を知る
上記では広告媒体の種類について説明しましたが、次は「どの広告媒体が、どんなターゲット層と相性が良いのか」ということをご説明していきます。
具体的には以下のターゲット層と広告媒体の組み合わせが理想的です。
続きを読んでいただく前に皆さんの理解が進みやすいようにターゲット層と相性のいい広告媒体の組み合わせを以下の図でまとめてみました。

顕在層にはリスティングで。欲しい人には正面から売れ。
まず、ここでいう「顕在層」の定義について説明します。
具体的には「自分の課題と具体的解決方法がわかっている」ユーザーになります。
これに対して最も適切な広告媒体はリスティング広告になります。
なぜならリスティング広告が該当するプル型広告は
「自分から情報を取りに行っているユーザー≒自分の課題と具体的解決方法がわかっているユーザー」に当てる広告手法だからです。
またリスティング広告は顕在層のユーザーのため、他媒体よりもCVRが高いためCPAが安い傾向にあります。
準顕在層にはMeta広告で。「解決策を提示」しろ。
次に準顕在層向けの広告媒体を紹介します。
まずここでの「準顕在層」の定義は「課題はわかっているが、解決方法がわかっていない」ユーザーになります。
例えば、Webデザインナーのスクール広告を回したい場合、準潜在層とは**「収入が少なく、手に職もないので、何かITスキルを身につけたいが、何か始めればいいか迷っている」**という人たちのことです。
つまり準顕在層には「こんな解決方法があるよ!」とこちら側から伝えていく必要があるので、プッシュ型広告が有効的なアプローチ方法になります。
その中でも最も有効的な広告媒体がMeta広告になります。
Meta広告が有効な理由としては主に以下の理由が挙げられます。
- Facebook, Instagramのユーザー数は圧倒的に多い
- Meta広告はターゲティング精度が優秀なため準顕在層の中でも最も確度が高いユーザーに配信が出る
これらのことから準顕在層にはMeta広告の配信をおすすめします。
潜在層にはYoutube広告で。まずは問題に気付かせろ。
次に潜在層です。
潜在層の定義としては「そもそも課題がわかっていないユーザー」になります。
ここでもWebデザインナースクールの広告を例に挙げると、潜在層は「向上心はあるが、収入が同世代に比べて少ないことに気付いておらず、自分のスキルの無さが現在のキャリアにおいて改善点であるということに気付いていないが」人達になります。
また、課題がわかっていないユーザーもいれば、そもそも課題じゃないというユーザーにも広告を当てるということにもなりますが、「それではなぜ広告を当てるの?」という疑問が生まれてくると思います。それは「ユーザーが課題に気づいたときに、そのサービスを思い出させる」という第一早期を取りに行くためです。
このようなユーザーに当てるために最も適している広告媒体がYoutube広告になります。
Youtubeはプラットフォームとしての規模が大きく、様々なユーザー層に広告配信することが可能です。またYoutube広告の配信によって、オーガニック検索(SEO)やリスティング広告での自社キーワードなどでの獲得件数が増加していると言った事例がみられるため、サービス認知に有効的な媒体です。
上記で媒体選定の方法について説明してきました。
ここまでであなたは
- 誰に:ターゲットとなる人物像
- 何の広告:媒体選定
理解できたと思います。もう初心者卒業です。
それではここからは、後の二つ
- どのような広告:クリエイティブ(広告文、キーワード、バナー等)
- いくらお金をかけて:広告予算の配分
について解説します。
リスティング広告、Meta広告のプランニング方法について説明していきます。
2.リスティング広告におけるプランニング方法
上記で媒体選定の方法について説明してきましたが、ここからはリスティング広告についてご説明します。
①キーワード選定の進め方
上記の前提は理解したうえで、キーワード選定をしていきますが、ここでは
キーワード選定の方法について説明します。
結論、キーワード選定ではN1分析が欠かせません。
キーワード選定の基本は、徹底したN1分析
結論、キーワード選定ではN1分析を必ずしてください。
N1分析はマーケティング全般で欠かせない手法になりますが、役割としては
- どんなユーザーにニーズがあるのか→ターゲット
- ユーザーに対してどんな訴求が有効的なのか→クリエイティブ
ということを知るための分析になります。
これをリスティング広告で置き換えると、N1分析の役割は
ターゲティング:キーワード選定
クリエイティブ:広告見出しと説明文
を決めることになります。
また、ユーザーのニーズを理解することで、自分が想像していなかったキーワードにも範囲を広げられる可能性も出てきます。
例えば、Webデザインスクールのターゲティングとしては「副業スキル」を探している人が一般的ですが、ユーザーのニーズとしては「収入を増やしたい」ということなのであれば、現職よりも
Webデザイナーとして転職して収入が上がればニーズは満たされるので、転職を考えている人もタ-ゲットとして考えることができます。
このような理由からキーワード選定はN1分析から行うことが鉄板になります。
②顕在層の数と競合の広告出稿状況を確認する
媒体選定のところで話しましたが、リスティング広告は他媒体と比べてCPAが安い傾向にあることから、可能であるなら1番最初に始めたい媒体と思っている方も多いでしょう。
ただ、必ずしもリスティング広告で成果が挙げられるわけではありません。
始める前には必ず、検索量と競合の広告出稿状況を調べるようにしましょう。
検索量を確認する理由
検索量を最初に確認しなきゃいけない理由としてはリスティング広告が該当するプル型広告の特徴が関係しています。
プル型広告の特徴としては
「能動的に情報を調べているユーザー」に対して配信する広告です。つまりこの「能動的に情報を調べている」ユーザーが存在することで成立する広告手法のため、そもそも検索するユーザーがいなければ広告は当たらないということになります。
これが、プル型広告で検索量を調べなくてはいけない理由になります。
競合の出稿状況を確認する理由
次に競合の広告出稿状況を確認する理由について説明します。
仮にこれから出稿していく検索キーワードが決まったとしたら、次はここで競合の出稿量を見なくてはいけない理由としては「その検索キーワードが目標CPA内でCV獲得できるか」確かめるためです。
広告の方程式としてCPA=CVR/CPCになります。
競合の出稿量を知ることでCPCを予想することができます。
このCPCが分かれば、目標CPA内でとるために必要なCVRを算出することができます。
「そのCVRが本当に達成できるのか」が分かれば、事前に損失を防げるようになります。
検索量と競合の出稿理由を知るためのツール
検索Volと競合の出稿状況を知るためのツールとしては
- Googleキーワードプランナー
- キーワードマップ
が挙げられます。
キーワードプランナーは検索Volのみ
キーワードマップは検索ボリューム、競合が出向している検索キーワード、相場のCPCを把握することができます。
下にリンクを張っておきますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
③狙うべきユーザーをまずは取り切る。ターゲット層は徐々に広げていく
リスティング広告に限らず、広告運用の基本としては
確度の高いユーザーを取り切ってから徐々にターゲティングを広げていく
が基本的になります。
ディスプレイ広告の場合はその広げ方は予算調整だけになりますが、
リスティング広告は「インプレッションシェア」で調整できます。
そのため、広げる前は今取れている検索キーワードの**インプレッションシェアを100%**にしてからその後別のキーワードでターゲットを広げていきましょう。
4.Meta広告におけるプランニング方法
続いてMeta広告のプランニングについて説明します。
①まずはブロード配信一択。AIにデータを食わせて育てる。
Meta広告を始める際にはまずブロードから配信するのが基本です。
ブロードで配信する理由としてはMetaピクセルへのデータを与えるため
になります。Metaは機械学習に優れているので、最初はできるだけ多くの人に当てていきどんなユーザーだったらCVしてくれるのかを媒体に喰わせる必要があります。
「そしたら機械学習がワークするまでよくならないんじゃないのか」と思っている方、ご安心ください。Metaはターゲティングはクリエイティブ(バナーや広告動画)からターゲティングするユーザーを決め、その精度は非常に高いため、データ量が少なかったとしても大方正しいユーザーに配信してくれます。
上記の理由からまずは配信最適化を図るためにブロード配信から始めるのがおすすめです。
②バナーや動画を回しまくって訴求開拓をしていく
Metaピクセルにデータがたまっていなく、クリエイティブでターゲティングを決めていることから、Metaは配信の初動において最も大事なのがクリエイティブ制作になります。
可能だったら動画とバナー、そして訴求は絞らずなるべく多めに準備しておくことがおすすめです。
ぶっちゃけな理由として、何の訴求が当たるかは予想がつかず、ある程度配信して実績を見てからでないと「良い訴求」は見つけられないので、ここはパチンコみたいな感覚でなるべくたくさん準備しておきましょう。
③当たり訴求を見つけたら広告セットを切り分ける
当たりの訴求が見つかったら次は広告セットを切り分けましょう。
理想としては「当たり訴求」のものに広告予算の8割、「それ以外の訴求」に2割
というような比率で予算配分するのがおすすめです。
上記のような形で広告セットを分ける理由は主に以下です。
➊機械学習にブレを生じさせないため
Metaはクリエイティブの訴求単位にまで及んで機械学習が行われます。
つまり当たり訴求Aが見つかった時、機械学習は「訴求AでCV獲得できるユーザー」に絞って配信しています。このとき、違う訴求Bを同じ広告セットに入れてしまうとCPAが高くなるか、訴求BはよくないクリエイティブとMeta側で判断されそもそも配信される量が少ないという状況に陥ることはよくあることなんです。
そのため、基本的に当たりの訴求を見つけたらその訴求に絞った広告セットで配信することが理想です。
➋同じ訴求を配信し続けるとユーザーに飽きられてしまうため
「当たり訴求が見つかったらそれだけに投資したらいいじゃん」と思っている方もいると思いますが、同じ訴求をやり続けているとその訴求はユーザーに飽きられてしまい、CPAの高騰につながります。
訴求だとわかりにくいかもしれませんが、新しいレストランなどができた際に開店当初はその新鮮さで行列ができるが、しばらく経つと人気が落ち着くなんてことはよくある話です。
これは訴求も同じです。今CVRが高くても、時間が経てばその訴求はフレッシュさを失い、CPAの高騰につながるため、常に新しい訴求は作り続けなくてはいけません。
➌新規訴求の開拓する際はできるだけローリスクで行いたい
これまでの運用経験上、新規訴求の開拓している際に起こる結果は大抵の場合
めちゃくちゃCPAの安い当たり訴求が出てくるか
めちゃくちゃCPAの高い外れ訴求が出るか
のどちらかしかありません。
また、当たりの訴求よりも外れの訴求になってしまうケースがほとんどであるため、新規訴求の広告セットではCPAが他の広告セットと比較して高くなってしまうケースがほとんどです。そのためこの広告セットが全体に与える影響が小さくするために、新規の訴求は全体予算の20%ほどで始めなくてはいけません。
Meta広告における運用の役割は「いかに多くの当たりクリエイティブを見つけられる設計にするか」ということになります。
そのためできるだけ多くのクリエイティブに配信機会を与えるかということを優先事項としておこなうことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
かなりボリューミーでしたが、ここまでの内容をまとめると以下です。
- 配信媒体の特徴を知る
- 各ユーザーに有効的な媒体を選ぶ
- リスティング広告は顕在層の数と競合の出稿状況を調べる
- 最もCV獲得できる検索キーワードから徐々に広げる
- Meta広告は全ユーザーに当てて、当たり訴求を見つける
- 当たり訴求が見つかった後は広告セットを切り分ける
そして、再度になりますが、あくまで広告の本質は
「誰に、何の広告を、どのように、いくらお金をかけて見せるのか」です。
これを真剣に考え続けることこそが、広告の成功への道です。
ぜひみなさんが広告運用を始めるときに参考にしていただけると幸いです。
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◎現在対応可能
- 山本 大揮
職種
マーケティング
Web広告運用
希望時給単価
3,000円~5,000円
株式会社サイバーエージェントで広告運用者として活動している山本大揮です。 Google/Yahooなどのリスティング広告やMeta広告を中心に、月間4,000万円規模の運用実績を多数経験。配信費50万円から460万円への成果改善も担当。EC・サブスクなどのToC領域から商談リード獲得などのToB領域まで幅広く支援可能です。広告クリエイティブ制作にも対応し、成果最大化を一貫してサポートします。 戦略設計から運用改善まで、専門知識と実績を活かして顧客事業の成長させることを目指しています。よろしくお願いします。
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