オウンドメディアを運営する目的とは?
- 大野 隼
- 記事制作日2022年10月5日
- 更新日2022年10月5日
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こんにちは!
株式会社エイト代表取締役の大野(@eight_ceo)です。
自社商品やサービスの認知度向上や、ユーザーとの関係性を強化するために有効なのが「オウンドメディア」の運営です。
ただ、それらのメリットを享受するには、的確な目標を設定したり、効果的な戦略の組み立てが不可欠になります。
今回は、オウンドメディアの運営について解説していきます。
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“オウンドメディア”とは何か?
“オウンドメディア”とは「自社で発行する広報誌・パンフレット・カタログ、または、自社のウェブサイト・ブログ・SNSなど自社で保有し、情報等を発信するメディア」のことです。
また、オウンドメディアの他に、料金を支払って他社サイトの中でユーザーが注目しやすい所に広告を出稿・掲載する“ペイドメディア”、TwitterなどのSNSや口コミサイトなどユーザーが情報発信に大きく関わる所で自社の情報を発信する“アーンドメディア”などもあり、これら3つを総称して『トリプルメディア』と呼びます。
3つそれぞれの長所を活かしながら補完していくことで、これらのメディアは大きな役割を担ってくれます。
オウンドメディアを運営する目的
オウンドメディアがどんなものか概要を分かった上で、では実際にオウンドメディアを運営する目的は何なのか、3つ挙げてみたいと思います。
目的1.新たな顧客の獲得
オウンドメディアを継続的に運営し、情報発信することで、様々なユーザーがアクセスしてくれると、新たな顧客を開拓でき、新たなファンの獲得につながります。
そこで重要なのは、新規顧客が持つ悩みを把握し、その顧客に有益な情報を発信し続けることです。
多様化する顧客ニーズや情報の収集方法に合わせて、広告や集客方法も変化し続けているため、他社サイトに広告を掲載する形のペイドメディアでは効果を得づらくなってきています。
今はユーザー自身がデジタルツールを駆使して、自身に必要な情報をピックアップしたら、その比較・検討を自らで行うという傾向があります。
また、BtoBにおいては、社内での提案を何度も承認してもらうという段階を踏んで購入契約に至るため、その比較・検討の時間が個人の顧客よりも更に長くかかります。
そして、企業内での比較・検討には、購入契約を決意するようなクリティカルな情報がたくさんあるほど提案が承認される可能性が高くなります。
そのため、自社商品・サービスの具体的な情報をコツコツ発信し続けることができるオウンドメディアは、新規顧客の獲得に向いていると言えるのです。
目的2.潜在顧客との関係構築
まだ自社の商品・サービス、あるいは会社自体のことを知らない潜在顧客に対しての関係構築という面でもオウンドメディアは有効です。
ここで重要になるのは“リードナーチャリング”です。
リードナーチャリングとは『自社商品やサービスの魅力を伝え続けて、顧客の購入意欲を高め、将来的な購入につながるよう中長期的に育成していく手法』です。
普段の人間関係において、相手のことを知れば知るほど絆が深まって信頼感が増していくように、オウンドメディアによる顧客との継続的な関係構築は、購入意欲だけでなく企業への信頼感の向上にも大きな効果があります。
そのために必要なことは、ユーザーが継続的にオウンドメディアにアクセスしてくれるよう、ユーザーが求めている情報を発信し続けるとともに、クオリティの高いコンテンツを制作・発信していくことでユーザーとの信頼関係を強めていくことになります。
合わせて、オウンドメディアからの資料請求、お問い合わせなどの導線もしっかりと設計しておくことも忘れずに行いましょう。すると、顧客情報の取得にもつながり、DMやメルマガの発行によって、より親密な関係構築が可能になるからです。
良質なコンテンツを継続的に発信し、ユーザーと長期に渡るコミュニケーションが図れるオウンドメディアだからこそ潜在顧客との関係構築が可能になる訳です。
目的3.長期での資産確保
自社の視点で見れば、オウンドメディアそのものや発信するコンテンツや情報は、いわば会社の貴重な資産とも言えます。
ペイドメディアは、瞬間的に多数のユーザーに拡散・認知されるというメリットもありますが、その分消耗も早く、資産として残しておくことは厳しいと言わざるを得ません。
逆に、オウンドメディアならばコンテンツを自社サイト内で保有することもでき、会社の資産として効果を持続的に発揮し続けますし、DMやメルマガのコンテンツ、顧客向けDL資料、クライアント向け営業資料など、多種多様なシーンにおいて使用できるという利便性も大きなメリットです。
オウンドメディアを運営する上での効果的な戦略の組み立て方
オウンドメディアは無計画に発信を続けても、大した効果を得ることは難しいでしょう。
しっかりとした戦略を練り、それに沿って運営していくことによって、オウンドメディアがもたらすメリットを最大限に受けることができ、ユーザーが求める情報を提供し続けられるハイクオリティなオウンドメディアの構築が可能になります。
そこで、オウンドメディアを運営する目的を達成するための、効果的な戦略の組み立て方を9つのステップで紹介していきます。
ステップ1.企業としての課題とその解決方法をハッキリさせる
オウンドメディアは自社の商品やサービスなどに関する様々な情報を発信できるため、その分最初に運営するための方針や方向性をきっちりと定めておくことが必要です。
その時、自社の課題や目標を抽出した上で考えると、おのずとやるべき事も決まります。
新規顧客の獲得なのか、自社サービスのリピーター増を狙うのか、課題や目標が違えばオウンドメディアによって伝達する情報の方向性や深度も違ってくるのです。
オウンドメディアを利用するユーザーに伝えるべき情報を伝え、とってほしい行動をとってもらうためには何をすべきかじっくり検討・分析すべきでしょう。
そして、検討・分析の結果から、オウンドメディア運営における目標から逆算し、課題とその解決方法を明確にさせることが最初の第一歩です。
ステップ2.ターゲットとなるユーザー設定と閲覧後のアクション想定
課題を明確にしたら、次はオウンドメディアをどんな層に向けて発信するのか、ターゲットとなるユーザー設定を具体的に行いましょう。
自社商品・サービスを利用するユーザーの性別、年齢、職業、性格、家族構成、生活習慣など、細部に至るまで徹底的に考えます。
ターゲットユーザーの設定には市場調査、アンケートの実施、営業担当者へのヒアリング、データ考察など色々な調査・分析を多角的に行う必要があります。
すると、ターゲットのユーザー像がくっきりと浮かび上がると、自然とそのユーザーがオウンドメディアを閲覧した後のアクションもイメージしやすくなるでしょう。
そして、自社の目標とターゲットユーザーのアクションが合致しているか確かめながら想定していくのが大切です。
ステップ3.KPIの設定
オウンドメディアでの目標を定めたら、その目標の達成に向けて「何を・いつまでに」達成するかというKPIの設定に移ります。
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、「重要業績評価指標」と呼ばれるものです。分かりやすく言えば、目標の達成度合いを計るための指標であり、目標達成のためのいわば“中間目標”を指します。
長期的に取り組む必要があるオウンドメディアの運営は、先ほどもお伝えした通り、方針や方向性をきっちりと定めた上での運営が必要になります。
やるべき行動を的確に把握するためには、的確な目標設定をしましょう。
例えば、ゴールを「自社の新商品の売上げを前月比で50%アップさせる」ためのオウンドメディアをスタートさせたとしましょう。そこで現在の状況から・・・
自社の新商品の売上げを前月比で50%アップ
- 新商品の魅力やメリットを知ってもらわなければならない
- 新商品の良さがしっかり伝わるコンテンツを制作する必要がある
- 従来商品との比較ができるデータ、利用者の声を載せる
・・・という感じで、どんどん掘り下げていくことで現状の課題を浮き彫りにし、目標を見据えたKPI設定ができるようになります。
実際にKPIを設定する時は、まず重要なのは目標にちゃんと辿り着くことができる内容かを考えることです。
時間や手間をかけて運営していくオウンドメディアですから、ちゃんと効率よく目標達成が行えるか常に意識しなければなりません。
また、具体的な数値として表せる指標かどうかも合わせて考えましょう。
数値化した指標は、誰もが等しく目標を可視化できる絶対的な指標となります。
そこに認識のズレが無いため、皆が同じ目標に向かい、やるべきアクションを共有でき、プロジェクトの進捗状態を途中で確認するのにも大いに役立ちます。
ステップ4.運営資金の確認
運営にかかるコストも考えなければならないことの一つです。
自社で運営するオウンドメディアがユーザーを獲得し、共感・信頼を得て、自社の顧客になってもらうためには、コンテンツのコンスタントな配信や内容の見直し・修正を行う必要があります。
その時かかるコストは概ね月額15,000~50,000円程度で、この料金の中で、ユーザーからの問い合わせ対応、サーバー保守、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム;Webサイトやコンテンツの構築・管理・更新が一元的にできるシステム)アップデート代行、ライトなSEO対策なども行ってくれる場合がほとんどです。
自社でサーバーを持たない場合は、それ以外にレンタルサーバーの代金も必要です。
その他、場合によってはコンテンツ制作のための取材・撮影代や現地への交通費もかかることもあり、基本的には依頼元である自社の負担となる点も留意しておいてください。
ステップ5.コンセプトの決定
オウンドメディアを運営していて何か悩みが生まれた時にも、原点回帰するためのツールとして有効活用ができます。
コンセプト決定においての注意点は「競合他社との差別化を図る」ことです。自社商品やサービスと類似したものを提供する企業は自社の課題とよく似た課題を抱えていることもよくあります。だからこそ、競合他社と被ることのない、自社独自のオリジナリティを持つことが鍵となります。
そのため競合他社をいつも調査・分析しておき、どこで差別化を図るかを常に考えておくのが大事です。
ステップ6.メディアに掲載するコンテンツの方針決定
いよいよコンテンツの制作ですが、ここで改めてテーマや方向性を明確にして、伝えるべき内容をしっかりコンテンツに載せることを心がけましょう。
その際、一つのコンテンツにつき一つのテーマに絞ること、ユーザーが検索するキーワードを予測した上でコンテンツを公開するタイミングや方法を熟考することも重要です。
このように確固たる方針のもと作り上げたコンテンツが、ユーザーにとって良質なコンテンツとなり得ます。
ステップ7.アクセス元の把握
オウンドメディアでは、ユーザーのアクセスルートを検討することも重要なポイントになります。
例えば、Googleなどの検索エンジンから来るユーザーの流入を増やすために、ユーザーの検索意図に基づくコンテンツ設計、SEO対策を踏まえた効果的なキーワード設定などが有効です。
そして、コンテンツを公開したら、Googleアナリティクスなど解析ツールを使って、サイトのアクセス数・ユーザー数、ユーザーのアクセスルート・デバイス、サイトの回遊履歴を把握し、ユーザーの情報を蓄積していくことで、解析精度も向上し、そのデータは価値ある情報となります。
そうした情報から、現在のコンテンツの把握や課題の解決策も見えてきます。
ステップ8.運営体制の確認
例え、どんなに立派な企画を立案しても、コンテンツを作成する所でミスをすると本末転倒です。
そこで必要なのはオウンドメディアの運営体制の整備です。
企画・立案、コンテンツ作成・公開、校正・編集、データ解析、課題抽出、解決方法の実行・・・という感じで運営の手順を一つひとつ整えながら体制を強化していきます。
加えて、コンテンツの中身も常に更新し続けていくという気構えが必要になります。
もし、オウンドメディアにアクセスするユーザーは増えているけど、その後のアクションに結び付いていない場合、対策すべきはコンテンツの内容の改善か、それともコンテンツ内リンクの配置や内容に不備があるのか、ユーザーの離脱地点など分析も具体的に行っていきましょう。
運営体制がしっかり整っていれば、運営に携わるスタッフもスムーズに業務を進めることができ、オウンドメディア運営の効果を最大限享受できるようになります。
ステップ9.メディアサイトの構築理由を決定する
例えば・・・
- 自社の新商品で1ヶ月100万円以上の利益を上げる
- ユーザーをしっかり契約成立まで誘導する
- 自社サービスの潜在顧客を増やす
など、オウンドメディアの用途は企業によって多種多様ですが、大切なのは何故オウンドメディアを構築するのかをハッキリさせることです。
その理由が明確になることで、それが課題解決における解決策の選定やメディアの運営体制など、様々なアクションの指針となります。
そして、企業が一丸となって同じ方向を目指しながら目標達成に向けて取り組めるのです。
オウンドメディアで目的達成するためのコツ
先述のように効果的な戦略を組み立てた上で、ユーザーの求める情報満載のコンテンツを掲載したオウンドメディアが完成、そして運用まで漕ぎ着けました!
ところが、実際に運用してみると想定していなかったアクシデントに遭遇したり、思い描いていた運営ができず目標達成まで程遠かったり、ということもしばしば。
苦労の末できあがったオウンドメディアを最大限に活用できるように、ここではオウンドメディアでの目標達成のコツを2つ紹介いたします。
効果を実感するまでは長期戦!
オウンドメディアは、運営して即効果が出るということはほとんど有りません。
ウェブ広告やテレビCMなどのペイドメディアと比較すると、オウンドメディアは目立ちづらく、そのため効果が出るまでの時間も長いのです。
SEO対策をしっかりととり、検索上位にオウンドメディアのコンテンツが表示されたら、次第にユーザーへもその存在が広まっていき、認知度を上げていきます。
そのようなプロセスを経て効果が出ることを踏まえると、早くても3ヶ月、通常はおよそ6ヶ月〜1年間、時には効果が出るまで1年以上かかることも有り得ます。
競合他社との力関係やドメインパワーなど自社で構えるシステム強度といった要素も絡むため、企業によって効果が出てくるまでの差もあります。
効果が出るまでは長期戦も辞さない構えで、焦らずに、じっくりと腰を据えて余裕を持ってオウンドメディアを運営していきましょう。
継続的な運営費用がかかる
今ではたくさんの企業が自社のオウンドメディアを持っていて、その中でユーザーに選ばれるためには、ユーザーの細かなニーズにしっかりと応えられるコンテンツの制作が重要です。
コンテンツ制作には、ユーザーニーズ、拡散しやすい内容、SEO対策など様々な点に気をつけなければなりません。さらにターゲットユーザー層やオウンドメディアでの目標によっても異なりますが、ユーザーの求める内容を盛り込み、目標に沿ったコンテンツをコンスタントに制作し続けることが何より大事です。
これだけ色々な要素を踏まえてコンテンツを制作しなければならないとなると、当然ながら人員面・金銭面でのコストがかかります。
しかも、先ほども言った通り、オウンドメディアは効果が出るまでに時間がかかることが大半なので、運営には継続的な費用がかかることには常に留意しておきましょう。
まとめ
競合がひしめく中で効果が出るまで時間もかかるオウンドメディアにおいて、綿密な目標設定と戦略設計が成功の鍵になります。
その上で何故オウンドメディアを立ち上げなければならないのか、運営に携わるスタッフどうしでしっかり目標を明確に洗い出し、設定しましょう。
強いモチベーションはオウンドメディア運営の原動力にもなります。
オウンドメディア運営で最大限効果が出るまで、根気よく取り組んでみてください!
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