AI、AR/VR、IoTなど世界を変えるかもしれないというIT分野は、詳しく知らないにしろ、少なくとも名前だけは聞いたことがある人は多いことでしょう。

しかし、もっといろいろなことが、すごいスピードで起こっているのがIT業界です。

 

今回は、最近、活発に動きがあるIT分野を紹介いたします。

少なくとも、名前とそれがどのような技術なのかを知っておくだけでも、投資の機会、ビジネス・チャンスをつかむ可能性は高くなるでしょう。

 

ぜひ最後まで読んで、今後の事業の可能性を広げていただきたいと思います。

 

Progressive Web Apps(プログレッシブ・ウェブ・アプリ)

Progressive Web Apps(プログレッシブ・ウェブ・アプリ)またはPWAは、ウェブ上でソフトウェアなどの開発が可能なアプリケーションです。

PWA には、次のようなウェブサイトの利点がいかされています。

 

  • ウェブ・プラットフォーム・テクノロジーを使用して開発されるため、単一のコードから複数のOS、デバイスで実行が可能。
  • インターネットの接続さえあればアクセスが可能。
  • デバイスにインストールして使用することもできるため、自分だけの使いやすいプラットフォームにカスタマイズすることが可能。
  • デバイスにインストールすれば、オフラインでも利用が可能なため、ネットワークに接続していないときでも使用可能。

 

これからは部屋にこもってキーボードをパチパチと叩くのではなく、あらゆる場所でアプリケーションが可能になることは明らかでしょう。

 

Low Code Development(ローコード開発)

Low Code Development(ローコード開発)は、プログラミングの作業を最小限に抑えるための、プログラミングの手法です。

視覚的なユーザー・インターフェースとドラッグ・アンド・ドロップにより、これまでのコマンドをひたすら打ち込むというプログラミング作業が簡易化されます。

 

ローコード開発の普及により、プログラミングを専門的に学んでいない人でも、アプリケーションの開発が可能となり、より幅広い層がソフトウェア開発やアプリケーション開発に携わることになります。

また、IT 部門のバックヤード作業が大幅に軽減されることでしょう。

 

FinOpsとGreenOps

これまで、IT業界において、可能な限り低いコストで事業をサポートすることをFinOpsと呼んでいました。

コストの効率化だけではなく、ここに環境、エネルギー効率を付け加えたものをGreenOpsと呼びます。

たとえば、アイドル状態のサーバーを削減し、ワークロードを最適化し、エネルギー効率の高いテクノロジーを利用するなどです。

 

実際、GreenOpsは無駄なコンピューティング能力、ストレージを最小限に抑えることに重点を置いています。

最近では、FinOpsとGreenOpsの両方の利点を組み込んで、コスト面と環境面の両方の効率を最大化する試みが積極的に行われています。

 

Distributed Computing(分散コンピューティング)

Distributed Computing(分散コンピューティング)とは、複数のコンピューター上にある複数のソフトウェアが歯車のように機能しあって、単一のシステムとしてタスクを実行する仕組みのことです。

複数のコンピューターは一つの会社の社内でローカル・ネットワークで接続されている場合もあれば、地理的に離れてインターネットに接続されている場合もあります。

 

そのため、分散コンピューティングには、以下のような利点があります。

 

  • 必要に応じてマシンを追加しシステムを拡張することができる。
  • 複数のマシンで同じサービスを提供するため、1台が使用できなくなったとしても、作業を継続することができる。

 

インターネットに接続されている世界各地のコンピューターが一つのタスクを成し遂げるということが、もうすでに始まっているのです。

 

IoB (Internet of Behavior) 

IoBとは、人間とインターネットを繋ぐ技術と理解されることが多く、日本では「行動のインターネット」と呼ばれています。

たとえば、スマートウォッチです。

 

スマートウォッチを身につければ、心拍数を測ったり歩数を数えたりして、歩いた距離や経路、時刻などを自動的にデータ化してくれます。

 

行動履歴、顔認識、位置情報、自動車運転情報なども収集することで、企業はこれらのデータを分析して、行動につながるあらゆる情報(商品の告知、イベントの告知など)を的確にユーザーに届けることができます。

 

Microservice Architecture(マイクロサービス・アーキテクチャ)

Microservice Architecture(マイクロサービス・アーキテクチャ)とは、小さなサービス(マイクロサービス)を組み合わせて一つのアプリケーションを開発することです。

たとえば、インターネットショップにおける、受注、商品の発送、請求書の発行、領収書の発行、返品の手続き、アンケートの集計などそれぞれが一つのマイクロサービスです。

 

これらが一つの束になってインターネットショップが出来上がっていると考えても良いでしょう。

このマイクロサービスアーキテクチャには以下のメリットがあります。

 

  • 各サービスの開発チームやビジネスの事情に合わせて異なる開発言語・データストレージを使うことができる。
  • 機能を拡張したり、縮小したりする際に他のサービスに影響を与えることなく、対象のサービスのみを入れ替えたり、修正したりできるため、顧客のニーズに素早く対応できる。

 

ユーザーのニーズにすぐに対応できる仕組みがあるというのは嬉しいことですね。

 

Infrastructure as Code (IaC)

Infrastructure as Code (IaC) とは、CPU、メモリといったサーバのインフラ構築を、手動で行うのではなく、一度プログラミングしてしまい、その後は自動的に行うことです。

プログラミングによって、インフラ構築が可能となるので、同じ作業を何度も手作業で繰り返す必要がなく、人為的ミスも少なくなります。

 

また全体的に作業量が減るのでコストの削減にもつながります。

サーバーに限らず、パソコンの買い替え時期になると中小企業では、2、3名のパソコン操作が得意な職員が、社員全員のパソコンの初期設定をおこなったり、プリンター、インターネット、メールの設定をおこなったりします。

これらが、すべてプログラミング化されたら、これほど便利なことはありませんよね。

 

DevSecOps

DevSecOpsとは、ソフトウェア開発の方法で、簡単にいうとソフトウェア開発チームと運用チームが協力して、プロセス全体にテストと統合を組み込みながら、迅速に作業を行うDevOpsにセキュリティーの側面を含んだ開発プロセスのことです。

 

従来のソフトウェア開発は、計画、設計、開発、統合、テストの明確なフェーズに分割され、数か月から数年を必要としていました。

 

しかし、時間がかかりすぎ、納期や脆弱なセキュリティが問題視されていました。

この問題を解決したのがDevOpsでしたが、さらにそこにセキュリティを加えたのがDevSecOps です。

作業の効率化に加え、セキュリティもないがしろにしていない、という点は末端のユーザーにとっても嬉しい話です。

 

まとめ

今回は、最近活発に動きがあるIT業界の8分野を紹介しました。

AI、IoT、VRだけではなく、私たちの生活をより便利にする仕組みや、ソフトウェア開発をより簡単にするプラットフォームであるという印象をお持ちになったのではないでしょうか。

 

20年前、一般の人々が映像を撮影して、それを編集して、世界中の人々に公開するということは簡単ではありませんでした。

しかし、インターネットの回線が太くなり、高品質の映像が撮影できるスマートフォンが登場し、無料の映像編集ソフトウェアが使えるようになったことから、YouTubeなどの動画共有プラットフォームを利用したビジネスは大きなマーケットを作り上げました。

 

それと同じように、これからは誰もが簡単に自分でアプリケーションを作り、それを簡単にネット上で販売したり、公開したりすることが今まで以上に簡単になることでしょう。また、実際には出会ったことのない遠い国に住む人と共同でアプリケーションを開発することも可能になるでしょう。

アプリケーションだけではありません。

 

美術作品、音楽などもそのような作り方になっていくことでしょう。

今回、紹介したキーワードに注目しつつ、ぜひみなさまなりのビジネスチャンスを掴んでいただきたいと思います。

また、IT、ウェブ関係資料の翻訳のご要望がありましたら、ぜひ弊社に一度ご相談ください。

 

 

株式会社LA ORG(https://la-org.com/)