インターネットを利用した犯罪が年々増える中、私たちも「フィッシング詐欺」、「ウェブスキミング」、「ランサムウェア」などネット犯罪に関する用語を聞くことが日常茶飯事になりました。

 

インターネットを利用した犯罪は国境をまたいで世界各国で展開される傾向にあるため、ITエンジニアや企業の経営者はネット犯罪(サイバー犯罪)に関する用語が英語でどのように表現されているのかを知っておく必要があるでしょう。

特に事業の海外展開を考えている経営者であればなおさらです。

 

今回は、海外でよく聞くネット犯罪に関する用語を10個集めてみました。

参考にしてください。

 

Adware

コンピューター上に迷惑な広告を表示する、悪意のあるプログラミング・コード。

 

Griefers

オンラインゲームのプレイヤーのうち、故意に問題を引き起こしたり、他のプレイヤーに対してネット上でいじめしたりするプレイヤーのこと。

 

Circumventor Sites

子どもが有害サイトを閲覧できないようにするフィルタリング機能を回避して、ブロックされているサイトに子どもがアクセスできるようにするウェブサイト。

 

Spoofing

見知らぬ発信者からのメールや連絡が、信頼できる発信者からのメールや連絡であるかのように偽装する行為。メールやウェブサイトの偽装以外にも、IPアドレス、ドメイン・ネーム・システム(DNS) サーバーが偽装されることもある。

 

Social Engineering

犯罪者が機密情報や個人情報を入手するために人々を操る技術。ソフトウエアのハッキングとは異なり、人の自然な信頼行為を利用する方法。

例えば、海外旅行で社長が留守の間に、社長の名前で経理宛に「今、海外の提携先と大きな契約がまとまりそうだから、今日の17:00までにOO銀行に1千万円振り込んでくれ」とメールが入るというもの。

犯人は社長が海外旅行に行っていることを知りながら、終業間際などタイミングを見計らって、メールを送ってくるので、社員は慌ててお金を振り込んでしまう。

 

Quid pro Quo

信頼ある機関からの連絡を装い、口座番号や暗証番号など個人情報を盗み取る行為のこと。

例えば、日本で言えば銀行協会の職員を装って電話をかけてきて、巧みに口座情報や暗証番号を聞き出したりすること。

必ずしもネット上で起きるとは限らず、日本の場合は電話を使った手口が多い。

 

Spear Phishing

スピア・フィッシングとはフィッシンが詐欺の一種で、特定の個人やグループをターゲットに設定して、彼らがメールなどに反応する手口を利用する詐欺行為。

例えば、フィッシング詐欺は「おめでとうございます。1億円が当せんしました。以下のリンクをクリックして手続きをしてください」というメールを無作為に送信する。

 

一方で、スペアフィッシングは、中小企業の経営者だけに的を絞って「低金利で融資が可能です。融資が可能かどうかは以下のリンクから必要な情報を入力していただくだけで、すぐに審査が終わります」というようなメールを送信する。

一見正当なメールに見えるものの、機密情報が盗まれたり、会社のシステムにアクセスされたりする。

 

Pretexting

ソーシャル・エンジニアリングの一種で、巧妙なシナリオを作成することに重点が置かれた手口のこと。

日本でよくある「オレオレ詐欺」がバージョンアップしたような手口。

 

  1. 息子を装った犯人から「お金が必要だ」という電話がかかってくる。
  2. 直後に警察を装った犯人から「先ほどの電話は詐欺で、犯人を捕まえたいので協力してください。もうすぐ警察がお宅に伺いますので、警察と一緒にお金を持って、犯人が指定した場所に行ってください」と電話がかかってくる。
  3. やってきた警察と一緒にお金を持って出かけると警察が「現行犯で捕まえるので犯人にお金を渡してください。そこを警察が取り押さえます」と言われる。
  4. 犯人にお金を渡すが、犯人は警察に取り押さえられることはなく、気づいたら警察と名乗る人物もいなくなっていた。

このように巧妙にシナリオが作成された詐欺の手口をPretextingという。

 

COPPA(Children's Online Privacy Protection Rule)

COPPA とは、13 歳未満の子どもを対象としたウェブサイト、またはオンライン・サービスの運営者と、13歳未満の子どもからインターネット経由で個人情報を収集していることを認識しているその他のウェブサイト、またはオンライン・サービスの運営者に対して一定の要件を課すアメリカの法律。

 

例えば、ウェブサイト運営者がプライバシーポリシーに記載しなければならない事項、保護者からの同意を求めるタイミング、13歳未満に対する営業活動の制限などが細かく規定されている。

 

CIPA(Children's Internet Protection Act)

小中学校、高校などの教育機関の図書館に対して、インターネットにアクセスできるすべてのコンピューターに未成年者に有害な視覚的描写へのアクセスを防止する対策を実施することを義務付けているアメリカの法律。

対応できていない学校や図書館には政府からの助成金が受け取れなくなるなどの罰則がある。

 

まとめ

ネット犯罪は国境をまたいで起きているので、被害にあった企業の担当者は英語での情報収集や英語での弁護士とのやりとりが必要になる場合もあります。

 

特に海外に事業展開を考えている企業であれば、これらの用語を知っておくことは重要です。

また、子ども向けのコンテンツの配信を事業に盛り込んでいる企業であれば、COPPAやCIPAの知識も必要でしょうし、プライバシーポリシーもしっかりと作り込む必要があります。

 

事業計画の中でも上記の犯罪への対応策などを表記する必要があるかもしれません。

プライバシーポリシー、事業計画などを英語で作成する必要がある場合は、英語とITの両方に詳しい弊社にご相談ください。

 

 

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