デザインを仕事にしていると海外から発注を受けることもあります。

そんなときに相手からの指示がなかなか理解できないということはありませんか?

それもそのはず。デザインの分野では日常会話ではあまり使わない英単語が結構あります。

 

また知っている英単語であっても違う意味合いで使われることも多いのです。

今回は海外での勤務経験とデザインを得意とするプロの翻訳家がフォントにまつわる面白い英語表現をお伝えします。

 

最後まで読んでいただくことで、知識が得られることは間違いありませんし、英語ネイティブのデザイナーと会話をするときも自信を持って話すことができるでしょう。

 

Uppercase

Uppercase(アッパーケース)とは英語の大文字のことです。

“Please change those words into the uppercase”と言われたたら、「それらの単語を大文字にしてください」という意味だと理解してください。

 

Lowercase

Lowercase(ロワーケース)とは英語の小文字のことです。

 

Ascender

Ascender(アセンダー)とはアルファベットの小文字の上に突き出ている部分のことをいいます。たとえば「b」や「h」の上から突き出ている部分がAscenderです。

 

Descender

Descender(ディセンダー)とはアルファベットの小文字の下に飛び出している部分のことをいいます。

たとえば「g」や「p」「y」の下方向に飛び出している部分がDescenderです。

 

Baseline

Baseline(ベースライン)とはdescenderのないアルファベットの底辺部のことをいいます。

 たとえば以下の図の下線部分がbaselineです。

“Please lower the baseline for the second line”と言われたら「2行目を全体に下にしてください」という意味だと理解してください。

 

x-height

x-height(エックスハイト)とは小文字の「x」の高さのことです。

多くの小文字の高さはこの「x」の高さにそろえるべきだと考えられています。

“Please make x-height for this words higher”と言われたら「この単語を上方向に細長くしてください」という意味です。

 

Kerning、Leading、Tracking

Kerning(カーニング)とは文字やアルファベット間のスペースのことです。

通常コンピューターなどに文字を打ち込むと文字のあいだのスペースは同等になります。

ただし、文字やアルファベットのかたちによっては同じ幅のスペースであってもくっついて見えたり、離れて見えたりします。

人が見た時に違和感のないスペースを作成することがKerningです。

"Please adjust the Kerning"と言われたら、見た感じ違和感がある、スペースが広くなっていたり、狭くなっているように見える、ということです。 

 

Leading(レディング)とは行送りのことです。

上の行と下の行の間のスペースのことです。

ただし、はかり方は下の行のbaselineから上の行のbaselineを測ります。

"Please make leading this paragraph 10"と言われたら「この段落の行送りは10ポイントにしてください」という意味です。 

また"Please make this paragraph 9 on 10"と言われたら「この段落では10ポイントの行送で文字を9ポイントにしてください」という意味です。 

 

Tracking(トラッキング)とはひとまとまりのアルファベット(単語)全体の幅のことです。

この幅を調整することで単語の印象が大きく変わります。

言葉だけではわかりにくいので、以下の図を参考にしてKerning、Leading、Trackingに対する理解を深めてください。

 

Small caps

Small caps(スモールキャプス)とは小文字サイズの大文字のことです。

Small capitals(スモールキャピタルズ)と呼ばれることもあります。

アルファベットの大文字を使用する際に大文字の部分が目立ちすぎないようにするための方法です。

 

Point size

Point size(ポイントサイズ)とは文字の大きさです。

 コンピューターのソフトでは通常1インチ(25.4mm)の中に72.272ポイント入るように設定してあります。

つまり、1ポイントは約1/72インチ(0.3528mm)ということです。

 

 

Font weight

Font weight(フォントウェイト)とは文字の太さのことです。

コンピューターのソフトやプログラミングの世界では100から900の間で太さを指定します。

100が一番細く、900が一番太い数値です。

400で標準、700で太字(bold)と同じ太さになります。

"Please make the font weight of this word more than 700"と言われたら「通常の太字(bold)よりも太くしてください」という意味です。

 

Widows & orphans

 Widows and orphans(ウィドウとオーファン)とは段落の最初の行が前のページに残ってしまったり、最後の行がページ内におさまりきれずに次のページに記載せざるおえなくなったりする状態のことを言います。

 

本来Widowsは「寡婦」、orphansは「孤児」という意味があります。

しかしデザインの現場で"Please becareful with making widows and orphans"と言われたら決して「妻より先に死んだり、幼い子どもを残して死んだりしないように気をつけて」という意味ではありません。

「段落の最初と最後の行が別のページに記載されることがないように気をつけて」という意味です。

 

まとめ

今回はデザインの現場で主にフォントにまつわる面白い英語表現をお伝えしました。

デザインの現場では日常会話ではあまり使用しない単語や表現がまだまだたくさんあります。

 

海外のクライアントとデザインについて打ち合わせをしなければいけないけど不安でしょうがないという方は一度、ご相談ください。

 

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