Salesforceにおけるコールセンター業務向け機能についてご説明致します。


コールセンター業務の細分化

まずコールセンター業務を細分化してみようと思います。

その後業務に合ったSalesforceの機能をご紹介します。


受付チャネルごとにコールセンター業務を細分化すると下記のような整理となります。

今回はメインのチャネルである電話とWebフォームから問合せを受ける前提で細分化しました。

ざっくりとそれぞれ3つに分けられます。

■電話

〇受電

〇問合せ対応

〇事後対応(対応が完了したことを記録する。応対時間の統計を取るなど)


■Webフォーム

〇問合せ受付

〇問合せ対応

〇事後対応(対応が完了したことを記録する。応対時間の統計を取るなど)


細分化されたコールセンター業務に対するSalesforce機能

ではそれぞれの業務に対してどのようにSalesforceの機能を生かすことが可能かご説明します。


電話

受電

API連携が可能

SalesforceではAmazonConnectのようなクラウドプラットフォームを呼び出してCTI連携が可能です。

また顧客の架電時に問合せ内容を選択してもらうよう誘導するIVRも利用できます。

この機能を利用して受電したと同時に

Salesforceの問合せ管理データベースである「ケース」を自動で作成可能です。


メリットとしては、オペレーターが手動でケースを起票しなくてもよいので、

オペレーターが顧客対応に集中できるという点があげられます。


電話応対をしながらケースを起票するとなると、

オペレーターは顧客の話を聞き逃すことにつながります。


その点API連携を介して、

AmazonConnectのようなクラウドプラットフォームを呼び出せば

自動的にケースが起票されますので、スピーディに顧客対応に臨めるというのは大きなメリットです。


問合せ対応

ケースへ問合せ内容登録

顧客から問合せを受けた内容はオペレーターによってケースに登録されます。

Salesforceではケースに登録用に利用できるスペース「ケースコメント」が用意されていますので

こちらにオペレーターが問合せ内容やどのように対応をしたかを記載可能です。

一つの項目に登録するのではなく、一つのデータとして登録されますので、

都度編集を実施し更新するという操作は必要ありません。


例えば完全に正確な回答ができなかったので

受電時に一次回答を行い回答内容と対応内容をケースコメントに登録します。

その後より詳しい方・責任者へ確認を取ったらその内容をケースに紐づける形で登録することができます。

そして再度回答のために折り返し電話するといった一連の対応の流れを記録可能です。

Salesforceの標準機能ですのでカスタマイズが不要なところもメリットですね。


所有者の変更(エスカレーション)

顧客からの問合せに対する回答がオペレーターでは判断つかない場合もあると思います。

その場合はより上位層の方へ所有者を変更してエスカレーションすることができます。

所有者の変更というのはケースというデータの対応者を変更するという意味合いです。

所有者の変更時に申し送り事項と変更先へ通知することもできるので便利です。




事後対応(対応が完了したことを記録する。応対時間の統計を取るなど)

ケースのクローズ

ケースはステータス管理が可能になっております。

未対応、処理中、クローズ確認待ち、クローズのような感じです。

問合せ対応が完了したらクローズすることによって

対応が完了しているかどうかを明確に示すことが可能となるため、

対応漏れがないかどうかチェックできるため、問合せ対応漏れを防ぐことができます。


応対時間の統計取得

ケースが起票された日付/時間やクローズした日付/時間は自動で登録されます。

なので問合せ対応にどの程度時間がかかったか測定可能です。

またそのほかに所有者でグルーピングできるので各オペレーター毎に対応時間を算出して

パフォーマンスを可視化できます。

その他にも様々なKPI測定が可能となりますので興味があればお問合せ下さい。


Webフォーム

問合せ受付

Web-to-ケース

Webフォームからの問合せがなされた際に自動でケースを作成し、

ケースへ問合せのカテゴリーや内容を自動で登録できる機能です。


これによってオペレーターを介さずにケースが作成されますので、

よりスムーズな対応が可能になります。


Web-to-リード

Webからの問合せがあったということは見込み顧客である可能性は高いです。

なので既存の顧客以外が問合せを行うWebフォームを用意しておき、

そこから問合せを実施された場合は

自動で見込み顧客を管理するデータベース「リード」へデータを登録することは

機会損失を防ぐことにつながります。



問合せ対応

ルーティング、割り当て

自動でケースが起票されることはお伝えしましたが、誰が対応するかという問題があります。

Salesforceでは様々な要素で判定し適切なオペレーターへ自動でケースを割り振ることができます。

要素としては現在対応中のケースの数、得意なスキル、稼働率のようなものがあります。


例えばオペレーターAとオペレーターBがいて、ケースの最大受付可能数を3に設定します。

オペレーターAは3件対応中でオペレーターBは2件対応中であれば自動的にBが対応するようにケースを割り当てられます。


もちろんお休みや休憩時の際はオペレーターの対応状況を変更して受付を不可にしておくことで

ケースの割り当てを防ぐこともできます。


事後対応(対応が完了したことを記録する。応対時間の統計を取るなど)

事後対応に関しては電話と同様なので、割愛します。


Salesforceを利用したコールセンター業務改善には専門知識が必要

ここまで簡単にではありますが、

コールセンター業務を改善するために利用できるSalesforceの機能を紹介しました。


重要なことはSalesforceの機能をどのように既存に業務に当てはめていくかということです。

何も考えずに導入したのでは既存の運用にそぐわない部分が発生してしまい、

効果を最大化できないどころか、導入前より運用が混乱する可能性もあります。


多くの便利機能があるSalesforceですが使いこなすには専門知識が必要となります。

私は複数回コールセンター業務改善のためのSalesforce導入・改修経験を経験してきております。

もしご興味がございましたらお気軽にご連絡下さい。