「マッサージ店をポータルサイトに載せているけれど、なかなか予約が入らない」

「チラシや紹介には限界があるし、他に効果的な方法はないだろうか」

このように感じているマッサージ・エステサロンオーナーやスタッフの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、チラシ配布やポータルサイト運用、SEO対策・Web広告運用などの集客方法を幅広く解説します。

さらに、リピート率を高めるための方法や、集客成功につなげるためのポイントも紹介しているので、新規顧客と既存顧客を増やしたい方はぜひ参考にしてみてください。

地域で選ばれるサロンを目指すためのヒントが詰まった内容なので、実践し売上アップにもつなげましょう。


集客を考える前に知っておきたいマッサージ業界の現状とこれから

本格的に集客施策を考える前に、まずはマッサージ業界全体の現状を把握しておくことが重要です。市場の動向や競合の状況を正しく理解することで、自店舗が直面している課題や求められているニーズが明確になります。


これらの情報をもとに、効果的な集客施策を検討・実行していきましょう。


顧客獲得競争の激化と価格破壊

厚生労働省の「令和4年 衛生行政報告例」によると「あん摩、マッサージおよび指圧を行う施術所」は2022年時点で18,155ヵ所と、2012年から減少傾向です


出典:株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2024年上期≪リラクゼーションサロン編≫報告書


また、株式会社リクルートの調査では、リラクゼーションサロンの利用において、男性は1回2,000円以下の低価格帯と8,000円以上の高価格帯で利用率が伸びているとされています。女性は、4,001円以上の高価格帯が若干増加傾向です。


このように施術所の数は減少しているにもかかわらず、顧客ニーズは一部の価格帯に偏っており、特定の市場で競争が激化しています。結果として、低価格帯では価格競争が進行しています。


一方、高価格帯での利用も増えているため、他店との差別化を図る目的から、付加価値の高いサービスを打ち出す動きが見られます。


コロナ禍以降の需要が増加

市場全体としては、コロナ禍を経て、リラクゼーション市場は再び拡大傾向にあります。ホットペッパービューティーアカデミーの2024年調査によると、リラクゼーションサロンの市場規模は前年比+9.6%の3,674億円まで成長中です。


中でも、脱衣施術は前年比+16.9%と、2年連続で2桁の成長を記録しています。市場の需要は高まっていますが、競争も激しくなっています。


需要の回復とともに競争も激化しており、ポータルサイトやSNSの普及によって、ユーザーは複数の店舗を簡単に比較できるようになりました。価格を下げるだけでは選ばれにくくなっており「技術力」「接客」「空間の魅力」といった独自の価値が求められるでしょう。


これから注目されるマッサージ・リラクゼーションサービス

近年、マッサージやリラクゼーション業界では「AIスキン診断」「CBD(カンナビジオール)を取り入れた施術」「瞑想やマインドフルネスを活用したプログラム」といった新しいサービスが注目を集めています。


支持されている理由は、癒されたいという従来のニーズに加え、心身の状態を客観的に把握し、自分に合ったケアを受けたいというニーズが高まっているからです。


たとえば、AIスキン診断では、肌の状態を撮影・分析・数値化すると、個々の肌質に適した施術の提案が可能になります。根拠のある施術提案により、利用者の納得感や満足度の向上が期待できるでしょう。


CBDを使った施術は、ストレス軽減や安眠効果が科学的に報告されており、体と心の緊張を和らげる手段として注目されています。実際の施術に取り入れることで、より深いリラックス効果を提供できるのが特徴です。


さらに、瞑想やマインドフルネスを組み込んだプログラムは、情報過多でストレスを抱える現代人にとって、頭と心を整える時間を提供する新しい価値として受け入れられています。


このように、現在の利用者は「目に見える効果」と「自分の状態に合った施術」の両立を重視しており、こうしたニーズに応えるサービスが、選ばれる店舗の条件となっていくでしょう。


マッサージ店が集客に成功するために欠かせない3つの準備

マッサージ店の効果的な集客には、3つの事前準備が必要です。

  • 誰に来てほしいかを決める
  • 選ばれる理由を作る
  • 予約までの導線を整える


それぞれのポイントを具体的に解説します。


1. 誰に来てほしいかを決める

まず、どのような人に来てほしいのかをはっきりさせることが重要です。ターゲットが不明確だと、メニュー内容や価格帯、広告の訴求もぼやけてしまいます。


「育児中の30〜40代女性」「デスクワーク中心の20〜30代男性」など具体的に設定すると、メニュー開発や広告文がより明確になるでしょう。


ターゲットを定めたら、その層が普段どのような悩みを抱えているかをリサーチし、悩みの解決に直結する施術内容やキャッチコピーを用意しましょう。


2. 選ばれる理由を作る

価格だけで選ばれる時代は終わりつつあり、マッサージ店が継続的に集客するためには「この店だから行きたい」と思わせる理由が必要です。そのためには、他店と差別化できる特徴を明確に打ち出すことが欠かせません。


たとえば「女性専用」「オーガニックオイルを使用」「ヘッドスパに特化」など、特定のニーズに応える要素を組み合わせることで、店舗の個性や専門性が際立ちます。


まずは自店の強みを整理し、ターゲット層に響くポイントを明確化しましょう。そのうえで、Webサイトやチラシ、SNSなどを通じて、言葉や写真で具体的に伝えることが大切です。


3. 予約までの導線を整える

予約のしやすさは集客成功に直結します。サービスが魅力的でも、予約が面倒では離脱につながります。自社サイトやホットペッパー、LINE、SNSのDMなど、複数の予約手段を用意し、アクセスから予約完了までの流れを短くシンプルにしましょう。


また、CTAボタンは目立たせ、料金や初回特典もすぐに確認できるようにしてください。2クリック以内で仮予約が完了する仕組みが理想的です。


マッサージ店に効果的な集客施策9選

マッサージ店が成果を出すには、複数チャネルを組み合わせた集客戦略が必要です。以下9つの施策を実施すると、新規集客獲得につながります。


  • チラシ配布・ポスティング
  • ポータルサイト活用
  • MEO対策(Googleビジネスプロフィール)
  • SEO対策・ホームページ運用
  • Web広告(SNS・リスティング)
  • Instagram運用
  • YouTube運用
  • LINE公式アカウント運用
  • 紹介キャンペーンの活用


各施策の特性を理解したうえで、施策を実施しましょう。


 1. チラシ配布・ポスティング

店舗周辺の住民に直接アプローチする手段として、チラシ配布やポスティングは依然として有効です。デジタル施策が主流になった今でも、地域密着型の店舗にとっては、紙媒体の方が目に留まりやすく、来店のきっかけになりやすい傾向があります。


美容業界では0.1〜0.2%程度の反応率が期待でき、1,000枚配布で1〜2人の来店が見込まれます。印刷・配布を合わせた費用は1枚あたり4.5〜7円ほどで済むため、少ない予算でも始めやすい点が魅力です。


ただし、時間帯やエリアによって反応率に差が出ます。したがって、配布結果を記録・分析しながら実施すると、効果を高めやすくなるでしょう。


 2. ポータルサイト活用

地域で検索されやすいマッサージ店を目指すなら、ポータルサイトの活用は欠かせません。とくにホットペッパーやEPARKのような媒体は「地域名+マッサージ」で検索するユーザーと接点を持ちやすく、来店意欲の高い層に届きやすい特徴があります。


サイト内には、予約機能・口コミ表示・クーポン発行などが標準装備されており、これらを組み合わせて使うことで、新規顧客の獲得につながります。


また、集客効果を維持するには、店舗ページを放置しないことが大切です。写真やメニュー、クーポンは定期的に見直し、常に最新情報を反映させましょう。


 3. MEO対策(Googleビジネスプロフィール)

地域検索で上位表示を狙うならMEO対策もおすすめです。MEO対策とは「Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)」の略で、Googleマップ上で自社店舗を上位に表示させるための施策です。


MEO対策に必要なGoogleビジネスプロフィールを活用し、店舗情報・写真・営業時間・口コミなどを定期的に更新しましょう。とくに口コミの投稿促進や返信対応を丁寧に行うと、信頼性が上がり、検索順位アップにもつながります。


4. SEO対策・ホームページ運用

自社ホームページからの自然流入を増やすには、SEO対策が欠かせません。ポータルサイトと同様に「地域名+マッサージ」といった検索キーワードで上位表示されれば、広告費をかけずに新規顧客を獲得できるのがメリットです


ユーザーの悩みに答える記事を作成したり、実績や施術写真を掲載したりすると、検索エンジンからの評価が高まりやすくなります。


定期的なコンテンツ更新に加えて、スマートフォン対応やページ表示速度の改善も進めると、検索で上位表示が見込めるようになります。


5. Web広告(リスティング・SNS)

即効性を求める集客には、SNS広告やリスティング広告の活用が有効です。広告を出した日から来店を促せるため、短期間で反応を得たい場面に向いています。


たとえばGoogle広告では「今すぐマッサージを受けたい」と考えて検索しているユーザーに対して、ピンポイントで表示できます。一方、InstagramやFacebookでは、興味関心に基づいて広告が表示されるため、ストレス解消や癒しを求める層に自然にアプローチ可能です。


広告効果を高めるには「地域名+マッサージ店」など来店意欲が高いキーワードで絞り込みましょう。また「肩が痛い」などのキーワードでの出稿も可能なため、サロンのコンセプトに合わせて利用するとよいでしょう。


あわせて、誘導先となるランディングページや予約フォームの構成も見直してください。どこで離脱されているかをA/Bテストで検証し、予約完了までの流れを最適化することで、広告費が無駄になることを防げます。


6. Instagram運用

Instagramは、視覚情報を通じてマッサージ店の魅力を伝えるのに適したツールです。投稿内容次第で、来店前の不安をやわらげ、安心して予約につなげやすくなります。


まず、施術中の様子や店内の写真を投稿すると、店舗の雰囲気を伝えられます。利用者の声を添えることで信頼感も高まり、初めての人でも来店しやすくなるでしょう。動画を使ったリール投稿は、施術の動きやスタッフの雰囲気まで伝わりやすく効果的です。


また、プロフィール欄には予約ページへのリンクを設置しましょう。LINE公式アカウントとも連携すれば、投稿から予約までの導線が途切れにくくなります。


投稿頻度は週2〜3回が目安です。あわせて、ストーリーズでよくある質問や施術の裏側を紹介すると、ユーザーとの距離が縮まり、信頼構築につながります。


7. YouTube運用

施術の雰囲気やスタッフの人柄を伝えたいなら、YouTubeの活用が有効です。映像と音声を通じて情報を届けられるため、初めてのユーザーにも安心感を与えやすくなります。


たとえば「肩こりのセルフケア」「自宅でできるストレッチ」などのテーマに絞った動画を週1本程度投稿すると、専門性が伝わりやすくなります。施術者が顔を出して話すスタイルであれば、親しみも感じてもらえるでしょう。


また、動画の最後に予約を促す一言を加えたり、説明欄に予約ページやLINE公式アカウントへのリンクを掲載したりすると、視聴後の行動につながりやすくなります。


8. LINE公式アカウント運用

リピーターを増やしたい場合は、LINE公式アカウントの活用が効果的です。来店後も継続して接点を持てるため、店舗の印象を保ちやすくなります。


たとえば、来店時に友だち登録を案内し、数日後に「次回10%OFFクーポン」を配信すると、再来店のきっかけをつくりやすくなります。また、予約日の前日にリマインドを送ることで、無断キャンセルの防止にもつながるでしょう。


配信は月1〜2回が目安です。「季節の変化に合わせたケア」や「よくある不調への対策」など、実用的な内容も配信すると、ユーザーに自分ごととして受け取ってもらいやすくなります。必要性を感じたときに来店を思い出してもらえるため、再訪の動機づけにつながります。


9. 紹介キャンペーンの活用

紹介キャンペーンとは、お客様に友人や家族などを紹介してもらい、集客につなげる方法です。「紹介した人・紹介された人の両方にクーポンを配布する」といった形式で実施され、新規顧客の獲得とリピーターの定着を同時に狙える点が特徴です。


信頼できる人からの紹介は安心感があり、広告よりも来店のハードルが低くなる傾向があります。


ただし、紹介してもらうためには、既存客がある程度長く通っていることや、サービスに満足していることなどが必要です。条件が揃わなければ、紹介は自然に発生しにくく、集客数は限定的になります。


そのため、大量集客には不向きですが、信頼関係のある顧客を活かす施策としては有効です。


マッサージ店のリピーターを増やすための2つの施策

マッサージ店の経営では、一度きりの来店よりも、継続的に通ってくれるリピーターの存在が安定経営の鍵を握ります。


新規集客に偏ると、広告費やキャンペーンコストがかさみ、利益が出にくくなるためです。

ここでは、リピーターを増やすために効果的な2つの具体策を紹介します。


1. リピートを促す料金プランを取り入れる

リピーターを増やすには「通い続けるほどお得」と感じられる料金設計が効果的です。施術の質が良くても、再来店したいと思えるようなメリットがなければ次の予約につながりにくくなるためです。


たとえば「次回予約で10%オフ」や「5回分の回数券で1回無料」といった仕組みは、料金的な魅力が明確に伝わります。次回来店のきっかけをつくりやすく、リピート率の安定にもつながります。


一時的には客単価が下がる場面もありますが、継続的に来店するお客様が増えれば、結果的に売上のベースを安定させられるでしょう。


2. SNSを活用して関係を保つ

リピーターを増やすには、店舗を「思い出してもらう仕組み」をつくることが欠かせません。どれだけ満足して帰っても、時間が経つと印象が薄れ、来店のタイミングを逃してしまうことがあります。


対策として有効なのが、LINEなどのSNSを使った定期的な情報発信です。たとえば月1回のキャンペーン案内や誕生月クーポンなどは、来店を後押しするきっかけになります。


また、SNSで施術風景やスタッフの日常を発信することで、心理的な距離が縮まり、思い出してもらいやすくなります。


まとめ|マッサージ店の集客方法・施策を実践して売上アップを目指そう

本記事では、マッサージ店の集客に効果的な施策を紹介してきました。大切なのは、目的やターゲットに応じて施策を組み合わせ、実施後の反応を見ながら改善を重ねる姿勢です。やりっぱなしにせず、状況に応じて調整し続けることで、集客効果は安定していきます。


弊社では、SEO・MEO対策、SNS運用、Web広告運用など各種集客手法に対応しており、売上目標から逆算した戦略設計をご提案しています。地域性や店舗の特性を踏まえた、実行可能なプランをご相談いただけます。


「集客が伸び悩んでいる」「リピーターが定着しない」といったお悩みがある場合は、ぜひ一度ご相談ください。現状に合った施策を一緒に見つけていきましょう。

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