本記事を読んでいただきたい対象者

旅行系(体験/宿泊施設/交通)で以下のような課題をお持ちの事業者様、担当者様

  • 繁忙期に空席がある
  • 満席状態だが、追加人員補充なしで売上をさらに拡大したい
  • 集客はOTAに依存していて、自社サイト経由で集客できていない

 

今回ご支援させて頂いた事業者様

石垣島のマリンアクティビティを運営している事業者です。

シュノーケリングや船に乗って離島へ行くツアー等を展開されています。

 

需要期は3月末の春休みから9月のシルバーウイークまで。

8月の夏休みがピークです。

 

私がWebマーケ責任者として支援開始させて頂いたのが2023年11月で、本ブログ更新が2024年9月頃。

ほぼ丸1年支援させて頂いた中で、実績と施策をご紹介します

 

実績

  • 支援前

売上よりも原価(船の燃料費や人件費)の方が高く赤字状態

需要期でも40名乗りの船に対して平均乗車人数は3名程度でした

 

  • 支援後

原価はほぼ横ばいで売上を8倍に伸長

7-9月はほぼ満席状態です

 

売上インパクトが大きかった施策3選

前提として、旅行業界の売上は以下で構成されています。

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売上 = 申込数 × 平均参加者数 × 単価

申込数 = Imp(リーチした人の数)× CVR(申込み率)× キャンセル率

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どの指標を伸ばす施策なのかも合わせて記載します。

 

①Webサイト導線見直し(CVR向上)

旅行業界で最も主力の集客経路は検索です。

直近はYoutubeやTiktok動画で潜在層向けマーケを実施する事例も増えてきましたが、

まずは検索で顕在層を刈り取っていくのが最優先施策です。

 

検索広告・SEO対策をする上で、

検索ユーザーが探している情報を分かりやすく伝えられるWebサイト導線を作れているか

が、最も重要なポイントです。

 

あるあるの失敗として挙げられるのが、

販売しているプランごとのページを並べているだけのケースです。

 

観光地Aで体験できる松竹梅プラン3つと

観光地Bで体験できる松竹梅プラン3つ、

合計6つのプランが並列で並んでいる、みたいなイメージです。

 

人気プランやプラン一覧等の見せ方はできていたとしても、

検索ユーザーの意図に合わせて、観光地ごとに構造化したサイト構成にできていないと

正しい導線設計とは言えません。

 

観光地ごと、だけではなく、キーワード種別ごとにカテゴライズした上で、

各カテゴリごとに、どんなページに流入させたいかを整理してきます。

 

・ブランドキーワード

・観光地名

 例:「石垣島 青の洞窟」「石垣島 幻の島」

・体験

 例:「石垣島 シュノーケリング」「石垣島 マリンスポーツ」「石垣島 モデルコース」

 

本事業者の事例では、

導線設計を正しく整理することで、

キーワード種別ごとに差はありますがCVRが3~5倍になりました

 

②新規プラン作成(平均参加者数、単価向上)

旅行業界の場合、

他業種と比較しても新規商品(プラン)の提供がしやすいと考えています。

既存アセットの組み合わせや料金設定を変えるだけで、売上を拡大した事例をご紹介します。

 

まず、

石垣島の小さなマリンアクティビティ事業者が、

石垣島に来るユーザー数を増やすことは容易ではありません。

だいたい時期ごとに石垣島に旅行に来るユーザー数は決まっていて、

その各ユーザーから時間とお金をどれだけ頂けるか、シェアの奪い合いです。

 

そのエリアに来るユーザー層を知った上で、各層に適したプランを用意できているか?を考えていきます。

 

例えば、石垣島マリンアクティビティ事業の例だと、1申込みあたりの平均参加者数は1.8人でした。

実際に参加頂いていた層はカップル・パパ活・女子旅の2人組、シュノーケリング好きの1人参加が中心です。

 

一方で石垣島にはファミリー層や学生旅行目的で来られる方も多かったため、

15歳以上の子供は半額、5名以上の団体割引プランを追加したところ

1申込みあたりの平均参加者数は3.2人にまで上昇しました。

 

船は40人乗りなので、

ツアー参加者が1人でも40人でも原価は同じです。

ツアー単価を下げてでも乗車人数を増やした方が利益に繋がるため、

ターゲットを絞った上での値下げは効果的でした。

(値下げしすぎるとツアーの価値低下リスク&再度値上げはしずらいので慎重に行う必要あり)

 

 

また、今リーチできている層からもっと時間を頂けないか?

という視点も重要です。

 

当時は半日プラン(3-4時間程度)しか提供しておりませんでしたが、

1日プランを追加しました。

 

1日プランといっても、

午前のツアーと午後のツアーをセットにしただけなので、

事業者側のツアー運営には特に支障がなく、

単価の引き上げに成功しました。

 

さらに単価を引き上げるために、船まるごと貸切プラン(1日10万円)もご好評頂いております

 

ユーザーは、お金と時間を消費するために旅行します。

ただ、どのコンテンツに消費するかは常に迷っています。

マリンアクティビティ事業も、現地で検索して申込みする割合が4割程度います。

 

そのニーズにお応えできるように、

1日まるごとでも、隙間時間でも、対応できるプランを用意することが重要です。

 

どんなプランを作ればいいか?も

実は検索ニーズから考えるのが一番の近道です。

悩んでいたら是非ご相談ください!

 

③予約後オペレーション改善(キャンセル率低下)

上記①②施策を中心に集客を強化した結果、

予約申し込みを頂いても満席でキャンセルにしなければならないケースが増えてきました。

 

もともと赤字体制で運営していたこともあり

ツアースタッフ人員は最小限で運営していたためスタッフが足りず

多い日でキャンセル率は50%程度まで上がったこともあります。

 

キャンセル率改善のための施策は電話提案です。

空きのある別プラン、もしくは空きのある別日時(多くのユーザーは複数日石垣島に滞在する)を予約申し込み時に取得した番号宛てに電話して提案するオペレーションを設計しました。

元々はキャンセルメールと同時に提案しておりましたが、電話に変更するだけで大幅に提案成功率が上がりました

 

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

上記施策を例とした、

WebマーケでのCV数拡大やCPA改善だけでなく、

売上・利益拡大にコミットした支援を必要とされている方がいれば是非お問い合わせください!