Xで越境EC時代へ|SNS×個人貿易の歴史と変遷から、読み解く未来
- 藤田 裕貴
- 記事制作日2026年4月6日
- 更新日2026年4月6日
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2026年3月29日、X上でイーロン・マスク氏が、きわめて重要な投稿を行いました。
“Grok automatically translating and recommending X posts from other languages is starting to work.
Only with Grok understanding every language and recommending content can this be done.”
(日本語にすると)
「Grokによる他言語のX投稿の自動翻訳と推薦機能が動き始めた。
Grokがあらゆる言語を理解し、コンテンツを推薦できて初めて、これが可能になる」
という意味です。
https://x.com/i/trending/2038401729071333474?s=20
正直、この一文はただの「翻訳機能追加」じゃありません。
X上で生まれた投稿が、言語の壁を越えて自動的に読まれ、拡散され、推薦される世界が、本格的に動き始めたということです。
つまり、もう「日本語で書いて、日本人に読んでもらう」だけの場じゃなくなってきたんですね。
Grokが翻訳して、推薦して、分析までしてくれるようになったおかげで、日本人が発信した情報や商品の話が、海外の人に自然に届く土壌が整い始めた感じがします。
しかもここ数年、Xは長文投稿、収益化、Grokの高度化、動画生成、そして決済・送金のX Moneyと、機能が一気に広がってきました。
一つひとつ見るとバラバラに思えるけど、全部つながっているんですよね。
2026年内にはX Moneyがフルでグローバル展開されると見立てるのが不自然でありません 。その中で「投稿→会話→即決済→送金」まで完結する世界が現実味を帯びてきます。2027年以降は「Everything App」として志向性を示しており、さらに決済・EC・動画・AIが全部つながる方向へ進むようです。
要するに、Xはただの投稿の場から、収益化の場、そして本格的な取引インフラへと、静かに、でも確実に姿を変えつつある。
そんなタイミングで、日本人が自分の商品やコンテンツを、世界中の人に直接届けられる時代が、すぐそこまで来ています。
そこで今回は、SNSを活用した越境ECのこれまでの歴史を、ゆっくり振り返りながら、
これからXがどうなっていくのか、現実的な目線で一緒に考えてみたいと思います。
【興味がある人だけ見れば良い年表】
以下は、マスク氏がX(旧Twitter)を買収して以降の、主な機能進化の時系列です。
2023年2月8日:長文投稿機能(最大4,000文字)導入 ※サブスクリプション加入者限定
2023年7月13日:クリエイター収益化プログラム開始(インプレッションに応じた収益化)
※広告収益分配の開始は 2023年2月3日、2023年7月13日は初回支払い
2023年7月28日:収益化プログラムをグローバル開放
2025年7月:Grok 4リリースと同時にSuperGrok Heavyティア(月額300ドル)導入
2025年8月:Grok Imagine初期動画生成機能リリース(480p、SuperGrok/Premium+限定)
2025年10月:Grok Imagine v0.9で大幅強化(画質・音声改善)
2026年1月28日〜2月2日:Grok Imagine 1.0正式リリース(10秒動画・720p・高品質音声同期)
2026年2月〜3月:動画拡張機能・ストーリー生成機能追加、Proモード(1080p)展開
2026年3月19日:無料枠を大幅制限(有料プラン中心に移行)
2026年3月29日:Grokによる真のグローバルシームレス言語体験がスタート
▼2026年4月現在のX/Grokサブスクリプション体系(主なTier)
・無料ユーザー:基本Grok利用可(Imagineはほぼ利用不可)
・X Premium(約$8/月):長文投稿・収益化・Grok標準アクセス
・X Premium+(約$40/月):広告完全非表示・Grok 4強化・Imagine利用枠拡大
・SuperGrok($30/月):Grok 4フルアクセス・高品質Imagine(AI活用最優先)
・SuperGrok Heavy($300/月):最上位モデル・企業向け最大生成枠
▼今後のロードマップ
2026年内:X Moneyフルグローバル展開
2026〜2027年:Grok AIとの深層連携強化
2027年以降:Everything Appとしての完全統合
(興味がある人だけゾーン終わり)

2004年にFacebookが誕生し、2000年代後半に入る頃には、インターネットを通じて海外に物を売ること自体は、もう珍しい話ではなくなっていました。
もっとも、その時点で今のようにソーシャルコマースやライブコマースという言葉が一般化していたわけではありません。越境EC全体で見れば、WordPressなどで自社サイトを立ち上げて売っていた会社もあったし、eBayなどモール型越境ECも別の軸で動いていました。
余談ですが、なぜかeBayは京都、Amazonは四国に古参の凄腕プレイヤーが多いです。
京都は観光で訪れたインバウンド外国人観光客が、伝統文化の文脈の中で触れた飲食物や工芸品の魅力に惹かれ、生産者に海外販売の協業を持ちかけて始まったケースが多い所感。
▼京都のBento&coトマ・ベルトラン氏は、2006年からShopifyのベータ版を利用して、日本の弁当箱を世界に販売している
https://kyoto-iju.com/works/bento-and-co
その一方で、2000年代後半から2010年代前半にかけて、もう一つ別の流れが育っていました。SNSを起点に広がっていったソーシャル越境ECです。
Facebookに商品の写真を貼って、DMで注文を受けて、PayPalで回収して、郵便局から送る。いま振り返ればずいぶん素朴ですが、当時はそれで十分に回っていたし、実際に利益を出していた人も少なくなかった。越境ECは最初から整った仕組みで始まったのではなく、まずはそういう半分手作業の世界から広がっていった面がある、ということです。
その後、2010年代前半から中盤には中国向け代購が一気に存在感を持ち、2010年代後半にはInstagramのショッピング導線が強化され、中国では抖音を中心にライブコマースが台頭し、2020年代に入るとTikTok Shopや専用物流の発達によって、「SNSで見つけて、そのまま買う」という流れがかなり現実のものになってきました。そして今、その延長線上にあるのがXです。
この記事では、2000年代後半から2020年代に至るまでのソーシャル越境ECの流れを時系列でたどりながら、Xがこの先どこまで越境ECのインフラに近づいていくのかを考えていきます。単なるSNS活用術の話ではなく、売り方そのものがどう変わってきたのか、そして次に何が起きそうなのかを、できるだけ実務の目線で整理してみたいと思います。
2000年代後半〜2010年代前半|Facebook個人貿易の時代
この頃のソーシャル越境ECは、今みたいに最初からモールや自社ECで整った形で売るというより、SNSで受注して、決済と発送は外で回す、かなり手作業の集合体でした。

出典:Facebook MAU推移|Meta Platforms, Inc. Investor Relations
https://investor.fb.com/investor-news/default.aspx
在日外国人、特にブラジル、フィリピン、中国、ベトナム系のコミュニティが中心になって、Facebookの個人アカウントやグループを使いながら、日本の商品を母国の知人やコミュニティに向けて売っていた。商品は日用品、化粧品、ベビー用品、家電、アニメグッズ。要するに、日本で買えること自体に意味があるものが強かった時代です。
決済はPayPal。発送はEMSかSAL便(現在は廃止)。
感覚的には、Facebook投稿が店頭で、DMが接客で、PayPalがレジで、郵便局が物流。BtoC輸出というよりCtoC、あるいはソーシャルセリングの延長線上にある個人貿易で、後の代購の原型に近い。
きれいな仕組みというより、必要な機能をその場でつないでいた、という方が実態に近かったと思います。
2010年代前半〜中盤|中国向け代購の全盛期と、在日東南アジア人の個人輸出
この時期に一気に存在感を持ったのが、中国向け代購です。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」「訪日外客統計」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/inbound.html
WeChatのモーメンツやWeiboで日本商品を見せて、注文を取って、国際発送する。その流れがかなり広がりました。いわゆる「爆買い」も、単に観光客が買い物をしていただけではありません。日本で仕入れて、中国側で売る導線が、すでにちゃんとできていた。
旅行ついでに買っている人もいれば、どう見ても仕入れ前提で動いている人もいました。

出典:JAPAN TREND https://www.japantrends.com/what-chinese-tourists-buy-japan-bakugai/
決済もPayPalから、徐々にWeChat PayやAlipayへ寄っていって、売り方も決済も中国の生活圏の中に入っていく感じがありました。

出典:Tencent Holdings Limited 決算発表資料(Annual Results)
https://www.tencent.com/en-us/investors.html
都内下町某所に、いきつけのタイ古式マッサージの店があります。そこのママが、2015年頃からFacebookで楽天市場の商品を、母国タイ向けに横流しで売っていました。
やり方は本当にシンプルで、注文入ったら楽天で買って、国際発送するだけ。

粗利率は50%で、ママは稼いだお金でベンツのEクラスを買っていた。後で聞いたら消費税還付は概念自体知らなかったらしく、受け取っていなかった模様。
彼女に限らず、この時代にこんな感じでやっていた人は割と多く珍しくありません。何せプラットフォームがなかったもので、在日外国人のみならず2000年代、2020年代前半からeBay輸出をやっていた日本人プレイヤーの中にもこの販売手法に取り組まれている方が多かったです。
こういう話は、きれいに整理された越境EC論にはあまり出てきません。ですが、当時のソーシャル越境ECの実態をよく表していると思います。情報差と価格差がそのまま利益になりやすかった時代であり、今ほどプラットフォームも物流も整っていなかったからこそ、需要あまり状態であり、そういう荒っぽいけどシンプルなやり方が成立しやすかった。
少し大げさに言えば、あのタイ人ママがやっていたことは、今のD2Cブランドが洗練された形でやっていることと、構造そのものに限って言えば、そこまで変わりません。
日本の商品があり、海外に需要があり、つながる手段がある。見込みオーダーの声をよく聞いて、ニーズのある商品を用意し、喜ばれそうな商品情報を発信し、問い合わせに丁寧に対応して交流を深め、迅速・正確に商品を届けます。違うのは、ツールの出来と、後ろ側インフラの厚みだけ。
この頃から、2011年頃に米Amazon、2013年頃には4ヶ所の韓国ECモールで販売が可能になり、小規模事業者・中小企業でも越境ECを事業として海外モール出店が現実味を帯びて、やる入口も増えてきます。一方で、2016年の4.8新政あたりから、個人で雑に回していた人ほどやりにくくなっていった。勢いだけでは押し切れない場面が増えた、最初の折り目だったと思います。
※4.8新政(2016年4月8日発効の中国跨境电商新税制)は、保税区輸入の税制優遇廃止と一律の輸入増値税・消費税導入、品目制限リスト(白リスト)導入を指す政策です。保税区在庫の駆け込み需要後、業界再編が進みました。
輸出物販の隠れた旨み|消費税還付という仕組み
越境ECの話をするうえで、外せないのが消費税還付でしょう。
輸出物販の魅力は何かと聞かれたら、ここを挙げる人は多いです。かなりざっくり言えば、エンドユーザーが日本在住ではない輸出取引では、仕入れにかかった消費税分が申告によって戻ってくる構造です。
たとえば仕入れ価格が税込110万円なら、そのうち10万円が返ってくるイメージ。利益率だけ見ていると見落としがちですが、ここは収益構造をかなり変えるポイントです。輸出物販を長くやっている人ほど、この部分の重みをよく知っているはずです。

ただ、この還付の詳細な手続きや適用条件について、非税理士である私が解説・指南することは税理士法に抵触する恐れがあります。
そこで、登録者42.8万人の税理士YouTuberのヒロ先生に解説していただきました。気になる方はこちらをご覧ください。
▼ 輸出事業者の消費税還付について(ヒロ先生 解説)
https://x.gd/7ctn3
2010年代後半|Instagram・ライブコマースの台頭
この頃になると、売り方そのものが少し変わってきます。Facebookの「知人コミュニティの中で売る」感じから、Instagramで見せて売る感じへ寄っていく。写真の世界観、ビジュアル訴求が強くなって、ただ商品を載せるだけでは弱い時代になった。
中国では、「小紅書(RED) 」の人気に火がつきました。
▼REDのインストール方法は、こちらのブログ記事で解説しています。
(Instagramのネタ探しに良いです)
【海外SNS】中国版インスタ「小紅書(Red book)」のアカウント作成方法【3分で完了】
https://x.gd/3GZtT

出典:艾瑞咨询(iResearch)「中国直播電商行業研究報告」 / 中国商務部「中国電子商務報告」 https://www.iresearch.com.cn/ http://www.mofcom.gov.cn/
同時に、中国では抖音(中国版TikTok)を中心にライブコマースが一気に伸びました。出品して待つ時代から、人が売る時代へ。誰が紹介するか、誰が配信するか、誰の言葉で売るか。そこ自体が商品価値の一部になっていきました。
この流れは個人物販だけの話ではなく、企業側にも広がっていきました。2022年には全日空ANAの中国版TikTokのライブ配信で同時接続1万人を達成していて、置いておいたら「日本製品なら、とりあえず売れる」状態が観測されました。(食品からDHCのサプリから本当に何でも売ってた)
当時は世界中の越境セラーを集めた出店登録のサポートグループ(中国版LARKの「飛書」)も、参加者が300社台でかなりの黎明期でした。
中国版TikTokのEC機能「抖音小店」の審査に通りました!㊗️
あとは、電話番号&銀行口座の認証→保証金納付で開店です。#中国輸出 https://t.co/lMScEypB3x pic.twitter.com/l0WD5YVpwQ— 藤田 裕貴 (@fujit_ECbassman) March 24, 2022
中国版TikTokは日本からも見ることができますので、ご興味ある方はリサーチがてらどうぞ。コンテンツのアイディアやヒット商品の種が見つかったりします。
▼抖音(中国版TikTok)のインストール方法
https://youtu.be/mDZ6Hew_9IM?si=F37eYpXTuc12gQjf
▼抖音(中国版TikTok)を日本からポストする裏技(今は使えなくなった)
https://youtu.be/0nVEOyLFm20?si=A3T2vvGr76u3JAE2
この時期を語るなら、古物市場やブランドオークションの変化も外せません。朝から来て、相場を見て、買えるものを拾って、そのまま母国向けに流す在日外国人や、日本人プレイヤーが出てきます。特に中国向けは、大量に買い付けて発送する人がかなり増えた時期でした。
商材も一定ではなく、有田焼や備前焼などの焼き物がトレンドな時期もあれば、ゴルフ用品が強い時もありました。詳細説明は憚られますが、中国は現地の事情やタイミングで急に特定商材へ寄ります。
やり取りはWeChat、支払いはPayPalやWestern Unionなどが主流。綺麗な仕組みではなく、個人の人脈と相場観とフットワークで回っていた世界。
インフルエンサーが他社商品をライブで紹介して、売れた分だけマージンをもらうアフィリエイト型モデルも、この頃にかなり広がっています。今のライブコマース型アフィリエイトの土台は、この時期にほぼ完成しました。
2020年代〜現在|TikTok Shopと物流の進化

TikTok Shopは、もはや「SNSの延長」ではなく、発見・衝動買い・ライブ接客まで一体化した販売面になっている。2025年の米国BFCMでは4日間で売上5億ドル超、ライブ配信セッションは76万件超、視聴は16億回超に達した。 TikTok Newsroom
2020年代に入ると、SNSは集客の道具というより、販売の場そのものになってきました。TikTok Shopが東南アジア・米国・英国で本格展開して、見つける、気になる、買う、拡散されるがひとつの流れの中に入りました。
中国では農家や工場などの生産者本人がライブ配信の前に立って売るスタイルも強くなって、産地の空気や作り手の熱量ごと売る感覚になっていった。ライブ配信が、在庫処理・販路開拓・ファン作りを同時にやれる販売手段として機能するようになったのは大きいと思います。

物流もこの時期に大きく変わりました。クーリエや専用越境物流を組み合わせるのが普通になり、配送代行会社が間に入ることで、販売側は仕入れ・在庫・国際発送を全部自前で抱えなくてよくなった。
流れとしてはかなり分かりやすくて、仕入先の商品を在庫を持たずに販売し、売れたら仕入先から配送代行会社へ送り、配送代行会社が海外向けに梱包し直してそのまま各国へ発送する、という形です。ソーシャル越境ECの手作業っぽさは残っていても、後ろ側の物流だけはかなり分業が進んだ。この変化はかなり大きかったと思います。

2023年には、福岡港から釜山港へ初めてBtoC貨物の直行船便が運行開始した。スタートアップ企業が参入し、まもなく1日10万個を超える規模の物量になった。そのほとんどがQoo10受注からの発送でした。

※イメージです。
興味深いのはアメリカの物流会社がこのチャンスに目を付け、福岡に日本法人を設置し、倉庫・購入代行サービスなどの下請けにて事業展開。税関OBを常駐させ、数十年ぶりの通関業まで取得して一気通貫を展開している点。
▼詳しくはこちら
▼第37回:福岡の韓国物流がアツい理由を解説します
https://note.com/fujit_ecbassman/n/nc34cac857955?magazine_key=m623d700287f5
決済もPayPal一強ではなくなり、Stripeや各国ローカル決済が広がった。プレイヤーも、個人バイヤーや代購から、D2Cブランドやメーカーが直接海外へ売る流れへと変化しています。

2026年以降|Xを活用した越境ECの次の段階
Xの強さは、台本も編集も不要。思いついた時に誰でもいちばん手軽に発信できるSNSということです。しかも、そのままアメリカをはじめ世界へ届く。つぶやきたい時にすぐ投げられる軽さと、グローバルへの到達力が同居しているのがXの独自性です。
残念ながら韓国においては、“陰キャがやるキモいSNS”という認知があって、アングラ寄りの商材や濃い趣味の文脈の方がハマりやすい印象があります。このあたりは、国ごとの空気を見ながら使い分ける感覚が必要です。
Xの到達力を数字で見ると、見え方が変わる
では「どの国に強いのか?」
感覚的には「世界に届く媒体」ですが、数字で見ると、その輪郭がもう少しはっきりします。Xの広告到達ベースで見た2025年1月時点の国別ユーザー数トップ10は以下の通り。
月間アクティブユーザー数そのものではありませんが、どの国にどれだけ大きな市場があるかを見るうえでは、かなり有効な指標です。

出典:DataReportal「Digital 2025: Global Overview Report」https://datareportal.com/reports/digital-2025-global-overview-report※DataReportal 2025 では、Xの※DataReportal 2025 は、MAUではなくXの広告到達ベース
ポイントは、アメリカが1億人超、日本が7000万人超という点。
つまりXは、日本国内でつぶやくための場というより、日本語圏と英語圏、特にアメリカ市場に対して、同時に言葉を投げられる媒体として見た方が実態に近い。
越境ECの観点で見ると、通販市場が世界2位国への到達力はかなり大きいと思います。


通販の客単価は世界一だったりする。
Xを活用したグローバル販売の未来
これらの時代編成を整理・俯瞰した上で、Xによる越境ECのこれからを占ってみます。今わかっている情報から、私の観点で勝手に行った根拠のない予想を多分に含みますので、ブレストとしてお読み流しください。
1. Xは「市場の声」と「訴求の検証」が同時に取れる
従来の越境ECでは、市場調査、商品企画、クリエイティブ制作、出稿、LP改善、というように工程が分かれていました。でもXは、会話の場そのものに需要が出ます。
だから、何に反応しているか、何に文句を言っているか、何を信用していないか、どの言い回しなら引用や返信がつくか、買う理由ではなく買わない理由が何か、といったものが、広告管理画面より先に見えることがあります。
従来、低評価はレビューによって表面化しましたが、Badボタンの登場により、好評・興味がない(高離脱)に加えて不快・不満が、販売前に可視化されます。
またXに内蔵された高性能AI「Grok」をどう使うか、という伸びしろ問題も出てきます。人力で追うには多すぎる会話を、要点ごとにまとめて仮説を立てる。そしてその仮説を通常ポストで流し、反応がよかった訴求だけを強くしていく。広告代理店の現場の感覚でいえば、Xは「配信前の仮説出し」と「配信後の反応収集」が同じ場所で回る媒体になりうる。ここはかなり大きいと思います。
2. オーガニック投稿、広告、X記事は分けない方が強い
Xを使ううえで、オーガニックは認知、広告は刈り取り、長文は補足、みたいに完全に切り分けてしまうと、少しもったいない。むしろ、通常ポストで訴求を複数試し、反応が良い論点だけをX記事にし、X記事で理解を深め、そのうえで広告を当て、広告で拾った反応をまた通常ポストに戻す。この循環の方が強いと思います。
たとえば韓国向けにレジャー用品を売るとしても、いきなり「日本製で高品質です」では弱い。(従来の韓国越境ECでも、それだけでは売れませんが…)
でもX上で現地ユーザーが、何に不満を持っているか、どこで離脱しているか、なにと比較してどこを見ているか、何を見たら信頼するかを先に拾えれば、広告の勝率はかなり変わる。投稿で熱を作り、広告で増幅し、X記事で理解を通す。
この三層が、単発のLPや広告よりも、今後は強くなるケースが増えるはずです。Xアカウントそのものが複合メディアになっており、シームレスで売買まで可能な売り場だからです。
3. X記事は「売る場」ではなく「理解を通す場」として効く
スモール越境D2Cで比較優位性が出しやすく、利益が大きいニッチ商品は、短い訴求だけで動きにくいです。
背景説明が必要なコスメ、成分や製法が価値になる食品、技術優位性のあるBtoB商材、OEMや共同開発につながるニッチ素材、日本の文脈ごと売る工芸品や地域商材。こういうものは、ポスト一発では理解されにくい。
だからX記事が効きます。短い投稿で興味を持たせて、X記事で背景、品質、比較、よくある誤解まで整理して読ませる。そのうえでDM、商談、EC、資料請求につなぐ。つまりX記事は、売る前の理解コストを下げる導線としてかなり使えると思っています。
言語のグローバル化によって、今までLinkedInと切り分けて使っていた性質も加わっています。
4. BtoBではスペースと公開型の壁打ちが使える
BtoB韓国EC、代理店開拓、OEM、業務用商材。こういう領域でもXは面白いと思っています。
展示会やメールだけだと、相手の温度感や論点が見えにくい。でもXだと、普段の投稿、引用、スペース、DMまで含めて、相手の関心や立場がかなり見えます。
スペースって、その人に関心があるからフォロー→告知が流れてきて→テーマに興味を持って→参加する
という流れだと思いますが、この流れが海外の人に対しても起こせるようになりました。
言語交換アプリのHelloTalkでは、お互いの言語を多少なりとも話せるので、このスペースが非常に活発でしたが、この文字のグローバル化の先に音声の自動翻訳が加わると勝手に予測しています。(2026年4月6日時点では、X社から何の発表もありませんが)
ここで活きるのが、スペースでの公開型の壁打ちです。いきなり売り込むのではなく、質問や疑問に答えたり、お悩み解決していくことで、顧客と信頼関係を深めることができます。
韓国ECでは、例えばサプリメントコンプレックス商材などで顕著であり、電話やオープンチャット、オフラインイベントなどで、購入前のお悩み相談にかなり力を入れている傾向があります。これがX上でできてしまう訳ですね。
また、ニーズの把握やリサーチにもなり、発売後の商品の改善や新たな商品開発にも非常に役に立つと思っています。
現地で不足している商品カテゴリー、使っていてよく起こる失敗、悩み、もっと欲しい要素 、自分ならではの活用方法、見込みのユーザーが関心を持っていること 、日本製品が刺さるポイント、刺さらないポイント、現地市場で誤解されやすい訴求、現地でどのような印象を持たれているか…
こういうテーマで会話を公開していく。そこに関係者が集まり、質問が出て、後で個別商談に移る。これは単なるライブ配信ではなく、公開型の信頼形成です。うまく運営できれば、展示会よりも濃い接点になる可能性があると思います。
無在庫の購入代行など、既製品をそのまま販売している場合は、欲しい商品をダイレクトに聞いてしまえるでしょう。これは入手さえできれば出品するとすぐに売上インパクトがあるので、有効な販促としてかなり大きいですね。
5. 最終的には、Xは「売る前」から「売った後」まで繋がると予測
たとえば、家まで集荷に来て、そのまま海外発送してくれる配送代行、住所や宛先入力を簡略化するSaaS、投稿やDMからそのまま注文処理へ入る仕組み、問い合わせ、返品、補償まで巻き取る外部インフラ。こういうものとXが滑らかにつながれば、かなり便利になる。
韓国ではすでにコンビニのCUから国際配送できる流れがある。こういうのは一度始まると、一気に一般化します。
▼第39回:韓国コンビニCUから、激安配送サービス登場!
https://note.com/fujit_ecbassman/n/n25197c88b861
イーロン・マスクは、確固たる信念のもとに、インフラ覇権を取りに来ているので、そうなる流れは十分に予測できるんですよね。
Xが目指しているのは、単に投稿できる、決済できる、で終わるものではなく、投稿、決済、配送、顧客対応まで含めた取引基盤にされようとしている可能性は、十分に考えられます。
そこで想起するのが、ラトビア発のECプラットフォーム「JOOM」です。JOOMは233カ国に一括販売が可能で、英語で商品をアップロードすれば、それぞれの国の言語に自動翻訳して表示してくれます。また、各国に合わせて送料や関税も消費者に掲示した上で購入してもらうシステムになっています。

越境ECは「売れるか」だけではなく、「売った後の翻訳・CS・物流を誰が持つか」で工数が大きく変わる。JOOMはその裏側まで巻き取る設計が特徴。 Free Life&Co株式会社
JOOMは商品を載せて売るだけでなく、販売後の顧客連絡、サポート、返品折衝まで巻き取ってくれる。「売った後に発生する面倒」をインフラ側で吸収する発想がかなり強い。Xが将来的にそういう方向へ行く可能性は、普通にあると思っています。
配送に関しても、香港に日本人販売者専用の倉庫があり、そこに届けるだけで、売上のほとんどを形成する主力の35ヶ国のエンドユーザーまで届けてくれる物流インフラまで整っています。(それ以外の国は直接配送)
▼JOOMについての詳細はこちら
【JOOM】旧ソ連EC市場の消費動向と日本製品の販売戦略|わずか1登録でロシア&欧州&CIS諸国へ一括販売
まとめ
昔から自社サイト越境ECもモール越境ECもあった 。そのうえで、ソーシャル越境ECの文脈では、「Facebook投稿が店頭、DMが接客、PayPalがレジ、郵便局が物流」みたいな、半分手作業の集合体から始まってきました。
そこから、WeChat代購、Instagram、ライブコマース、TikTok Shopへ進んできた。今は「SNS内で発見→比較→購入→拡散」までが、かなり近いところでつながるようになっています。

タイ古式マッサージ店のママがやっていたことも、本質的には同じ構造です。日本の商品があり、海外に需要があり、つながる手段がある。今は仕組みが洗練されただけで、骨格そのものはそう変わっていない。
ただ、その骨格の上に乗るインフラはどんどん変わっています。決済、物流、顧客対応、広告、分析、長文コンテンツ、コミュニティ。ここが一つにつながっていくほど、Xを活用した越境ECは、単なるSNS運用ではなくなっていくはずです。
これはInstagramやTikTokのように、ショート動画や静止画を主体としていないテキストメインのSNSである点が非常に有利とも思えます。また、通販の市場規模が世界で2番目に多いアメリカ人ユーザーが最も多く、1億人以上集まっている点も見逃せません。
近い未来のX越境ECを楽しみにしながら、今日はここで筆を置きます。
今後動きがあり次第、実際に手を動かしたPDCAも含めて、最新情報を順次お届けしていきます。 JOOMも然り。きれいにまとまってからではなく、動いている途中のものを出す方が、たぶんお役に立てると思うので。
最新速報はXポストで、長めの話はX記事・noteで、具体的な手法やサポートはコミュニティの中で。そんな感じで続けていく予定です。
▼Xでは、韓国を軸にCIS越境ECやアジア向けマーケティングについて発信しています。
https://x.com/fujit_ECbassman
▼公式LINEでは、越境ECや韓国ECに役立つ6大プレゼントを無料配布中です。越境EC支援へのお問い合わせもこちらから。
https://line.me/ti/p/%40776yhbdr
最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。
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稼働ステータス
◎現在対応可能
- 藤田 裕貴
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韓国進出に特化したご支援をしています。 プロフィールをご覧くださり、誠にありがとうございます。 韓国進出の戦略設計、越境EC運用からプロモーション、現地法人設立まで一気通貫でご支援しています。 経産省 認定支援機関。ものづくり流通小売歴16年。カリフォリニア州出身。新卒でアパレル企業に12年勤めた後、2020年に韓国越境ECで起業。韓国のEC・マーケティング・旅行の最新情報をわかりやすく発信中。ご支援200社様超。 ・事業 ■韓国EC運用、マーケティング支援 ■韓国越境EC一元管理ツール「Prime Shopper」運営 ■韓国14ヶ所のECモールに出店 ■韓国輸出入のWEBスクール運営(厚生労働省認定) ■天皇陛下に納めた京都製品の海外ECブランド運営 ■KOSDAQ上場企業の販売ツール代理店運営 「日本の心を紡ぎ、アジアの暮らしに華を。」をテーマに、日本の伝統・文化・生産者様&ベンダー様の想いをアジアへ届けるご支援を提供中。
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