日本語の文章を英訳してみても「どうも英語ネイティブの心に響いていない」と感じたことはありませんか?

それは、丁寧に翻訳することで英語ネイティブが日常的に使う表現とはちょっと違った英語になってしまっているからです。

 

契約書や説明書を翻訳する際には一語一句ていねいに訳す必要がありますが、映画やドラマ、動画の字幕翻訳などではシーンの雰囲気をいかした慣用表現を使うのがおすすめです。

また、メールの一文にかっこよく慣用表現を組み入れると相手は「この人、英語できる人だな。頼りにしても問題なさそうだな」という印象を持ってくれるでしょう。

 

ということで、今回はビジネスシーンでよく使われる英語の慣用表現を紹介します。

この記事を読み英語の慣用表現を使いこなせるようになれば、英語ネイティブの心をつかむことができるでしょう。

 

ぜひ最後までお読みください。

 

Back to Square one

ふりだしに戻る、最初からやり直すという意味です。

プロジェクトや事業がまったく進んでいないという意味でも使われます。

 

使い方1

My data does not prove my hypothesis at all. I guess I am back to square one.

(私のデータは仮説を証明するにいたってないのよね。ふりだしに戻るだわ。)

 

使い方2

After all that strategy, he still won't sign our offer. We are back to square one. 

(あれだけ戦略を練ったのに彼は私たちのオファーにサインをしてくれないの。最初から考え直さなければ。)

 

A long shot

非常に難しい、勝機が小さいという意味です。

スポーツのシーンでロングシュート、ロングパットは入りにくい、というようなことから非常に難しい、勝機が小さいという意味になりました。

 

使い方1

I think it is a long shot that he can be a company president.

(彼が会社の社長になるのは難しいんじゃないかな。)

 

使い方2

It was a long shot to bring him here for the negotiations.

(交渉するために彼をここに連れてくるのは至難の業だったわ。)

 

Hands are tied

ルールや法律、規制などでがんじがらめになって動けない状態のことを言います。

 

使い方1

If you go to Japan and start business there, your hands would be tied up with all the restrictions.

(もしも日本に行って事業をはじめたら、規制でがんじがらめになって動けないよ。)

 

使い方2

My boss is so strict, and my hands are all tied up.

(私の上司は厳しすぎて、もうがんじがらめにされて動けないよ。)

 

Up in the air

不確定なことが多く、何も決断できない状況のことを言います。

 

使い方1

We have an event coming up this weekend but so many things are up in the air.

(今週末にはイベントが予定されているのに、多くのことがまだ未確定のままです。)

 

使い方2

The product will be in the market by the end of the month but the copy for the product is up in the air.

(製品は今月末までに発売される予定ですが、コピーがまだできていません。)

 

To learn the ropes

基本的なことを学ぶという意味です。

 

使い方1

You have to learn the ropes before you go out yourself to sell this product.

(この商品を売りに行く前に基本的なことを学ばないといけないよ。)

 

使い方2

Welcome to this company but for the first three months learn the ropes.

(入社おめでとう。でも最初の3カ月は基本的なことを学んでくださいね。)

 

By the book

ルール通りに、マニュアル通りに物事を進めるという意味です。

 

使い方1

Do your jobs by the book for first 3 months at least.

(少なくとも最初の 3 カ月間は、マニュアル通りに仕事をしてください。)

 

使い方2

We got caught by financial auditor last year. From now on we do our work by the book.

(去年は会計監査に引っかかったので、これからは規則に従って仕事をします。)

 

To cut corners

By the bookの反対の意味で、コスト削減、時間の削減などで質やルールを度外視したり、ズルをしたりすることです。

 

使い方1

The only way they could make money was to go out and cut corners.

(彼らがお金を稼げたのはズルをしたからだよ。)

 

使い方2

New boss made us cut corners to make more profit.

(新しい上司は利益を得るために私たちにルール違反を強制しました。)

 

From the ground up

ゼロから何かを作り上げることです。

 

使い方1

I am so proud of you. You made this application from the ground up.

(このアプリケーションを何もないところから作り上げたあなたを誇りに思います。)

 

使い方2

I build this company from the ground up.

(私はこの会社を何もないところから築きあげました。)

 

That won’t cut it

何をやっても解決にならないという意味です。

 

使い方1

You make us lost our client. Simple apology to your boss won't cut it.

(私たちはあなたのせいで顧客を失ったのです。上司に謝るだけでは済みませんよ。)

 

使い方2

You took my client. Whatever you do for me won't cut it.

(あなたは私の顧客を奪いました。あなたが私のために何をしようとも私は許しません。)

 

The ball is in your court

決断するのはあなたの番という意味です。

 

使い方1

Whether signing this contract or leaving this office is up to you. The ball is in your court.

(この契約書にサインをするか、このオフィスを出ていくかはあなた次第です。決断するのはあなたです。)

 

使い方2

You have two weeks to decide. The ball is in your court for the next two weeks.

(決断するまで 2 週間あります。2 週間で決めてくださいね。)

 

まとめ

英語のイディオムの利用はなかなか難しく、覚えるのも大変です。

しかし、一度使い方を覚えてしまえば英語ネイティブの心をつかむこともできますし、信頼を得ることもできます。

 

動画などの字幕翻訳で慣用表現を使うことができれば、英語ネイティブにとって親しみやすい作品に仕上がることは間違いありません。

今回紹介したイディオムは10個でしたが、英語にはもっとたくさんのイディオムがあります。

 

多くのイディオムを適切な場面で使うことで英語ネイティブの心をつかむこともできれば、コミュニケーションをスムーズに行うことができます。

ネイティブの心をつかんだり、信頼されたりする文書や字幕、シナリオを作成したければ語彙力のある、表現力のある翻訳家にお願いすることをお勧めします。

 

英訳する文書がある場合は、お気軽にご相談ください。

 

 

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