原文がそもそも悪文である場合、機械翻訳で翻訳しても、結果として出てくるのは悪文でしかありませんでした。

無料の翻訳アプリの使い勝手がよくなる昨今、英語が多少得意な方であれば誰でも翻訳ができる時代になりました。

 

しかし、機械翻訳に頼りきって翻訳をしてしまうと大変です。

原文が悪文の場合、機械翻訳が悪文を質の高い文に直して翻訳してくれることはありません。

逆に、機械翻訳は原文に忠実に翻訳をしようとするので、悪文を翻訳した場合には悪文しかできあがりません。

 

今回は悪文を機械翻訳で翻訳した際の結果と、修正する際のポイントをお伝えします。

この記事を読めば質の良い英訳文を作成することができるようになるので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

一つの文は短く

日本語の文章でも英作文でも文を短く作成することで質の高い訳文をつくれます。

しかし、翻訳をする日本語の原文が長ったらしい悪文の場合、機械翻訳を使うと結果も長ったらしい悪翻訳文ができあがってしまいます。

 

そのような結果が出てしまった場合は思い切って英語の文を短くする必要があります。

たとえば、以下のような文章です。

 

日本語の原文

2005年に街全体に光ファイバーが整備された徳島県の神山町では、この光ファイバーを使って、世界各国の芸術家に2カ月ほど神山町に住んでもらいながら芸術作品を作ってもらうプロジェクト「アート・イン・レジデンス」といったユニークな活動を世界に発信し、神山町の魅力を高めることに成功しました。

 

Google翻訳で作成した英訳

In 2005, the town of Kamiyama in Tokushima Prefecture, where optical fibers were installed throughout the town, has succeeded in increasing the attractiveness of Kamiyama by introducing unique activities such as the "Art in Residence" project, in which artists from all over the world are invited to live in Kamiyama for about two months while creating works of art.

 

短い英文を意識して書き直した翻訳文

Kamiyama Town in Tokushima Prefecture succeeded in increasing the town's attractiveness.

The town installed optical fibers throughout the area in 2005.

Then, the project called “Art in Residence" started.

It invited artists worldwide using optical fibers and had them create artwork while they stayed there for two months.

 

違いは説明しなくても読みやすい文になっていることはわかりますよね。

 

受動態の表現は避ける

日本語の文では受動態の表現は多く使われます。

上記の文だと「光ファイバーが整備された」という部分は受動態です。

 

英語のネイティブは特に受動態の文を避ける傾向にあります。

「I was sent to the school by my father(父に学校に行かされた)」という表現よりも「My father sent me to the school(父は私を学校に行かせた)」という表現を好むのです。

 

先ほどのGoogle翻訳が作成した文章を確認してみましょう。

In 2005, the town of Kamiyama in Tokushima Prefecture, where optical fibers were installed throughout the town, has succeeded in increasing the attractiveness of Kamiyama by introducing unique activities such as the "Art in Residence" project, in which artists from all over the world are invited to live in Kamiyama for about two months while creating works of art.

 

「optical fibers were installed」と「artists from all over the world are invited」の二つの受動態表現が使われています。

 

短文を意識して書いた文章では「The town installed optical fibers throughout the area in 2005」と「It invited artists worldwide using optical fibers」というように能動態の文に書きかえています。こうすると主語も一貫するのでわかりやすい英文になります。

 

受動態の文はできるだけ避けるようにしましょう。

 

インパクトのある単語を使う

英文を書くときはインパクトのある、力のある単語を使うようにしましょう。

インパクトのある単語を選択することは英文を短くすることにもつながります。

 

Google翻訳の文を見てみましょう。

「Artists from all over the world are invited to live in Kamiyama for about two months while creating works of art」という文があります。

 

短文を意識した文では「Artists from all over the world」は「artists worldwide」に、「creating works of art」は「create artwork」に書きかえられています。

「worldwide」や「artwork」が伝えたいことを一言で伝える力のある単語であることがお分かりいただけるでしょう。

 

不必要な単語を省く

不必要な単語を省くことで文が短くなり、文全体としても力のある文になります。

Google翻訳が作成した訳文には59 wordsあるのに対して、短文を意識して作成した英訳文には48 wordsしかありません。

 

Google翻訳が作成した文には使われていて、短文を意識して作成した文には使われていない単語は以下の通りです。

 

about、activities、all、as、by、from、of、over、such、to、where、which

 

単語一つではほとんど意味をなさず、特に使わなくても意味が通じる単語ばかりだということにお気づきでしょうか。

 

このような単語を省くことで、わかりやすい、力強い英訳文をつくることができるのです。

 

まとめ

機械翻訳に悪文を翻訳させると、結果は悪文しか出てこないという結果になりました。

それもそのはずです。

機械翻訳は原文に忠実に翻訳をしようとするので、原文が悪文の場合、翻訳文も悪文になってしまいます。

 

原文が悪文のときこそ、プロの翻訳家にお願いをすることで、確認の連絡や打ち合わせを通じて、より良い翻訳文を作ることが可能です。

 

そもそもの原文が悪文しかないけれども、どうしても質の高い翻訳文を作らなければいけないという時は、迷わずプロの翻訳家にご相談ください。

 

 

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