「ECサイトを改善すれば売上が伸びる。」

これは半分正解で、半分間違いです。

もちろん、ECサイトのUIや導線、SEOや広告は重要です。

しかし、BtoB企業の支援をしていると、ECサイトを改善する前に営業の仕組みを見直すべきケースが少なくありません。

なぜなら、BtoB ECは「営業を代替するもの」ではなく、「営業を強くするための仕組み」だからです。


 

ECサイトは営業活動の一部でしかない

BtoCであれば、

広告を見て、
商品を選び、
購入して終わり。

という流れが一般的です。

一方、BtoBでは、

  • 問い合わせ
  • 見積依頼
  • 商談
  • サンプル提供
  • 稟議
  • 契約

という長い営業プロセスがあります。

つまり、ECサイトは営業活動の入口に過ぎません。

入口だけ改善しても、その先が整っていなければ成果は伸びません。


 

問い合わせが増えても意味がないケース

「問い合わせを増やしてください。」

そう依頼されることがあります。

しかし、実際にヒアリングをすると、

営業担当がすでに手一杯だったり、

問い合わせ対応に3営業日かかっていたり、

見積提出まで1週間かかっていたりするケースがあります。

この状態で問い合わせだけを増やしても、

営業の負担が増えるだけです。

場合によっては、

対応品質が落ち、

受注率まで下がることもあります。

だから私は、

「問い合わせを増やす施策」

よりも先に、

「問い合わせが増えても対応できる営業体制なのか」

を確認します。


 

本当に改善すべき数字はどこなのか

例えば、

問い合わせ数が月20件で、

受注率が20%だったとします。

この場合、

受注件数は4件です。

ここで広告を増やして、

問い合わせを40件にする方法もあります。

一方で、

営業フローを見直し、

受注率を20%から30%に改善できれば、

問い合わせ数が変わらなくても受注件数は6件になります。

どちらが効率的でしょうか。

もちろん状況によりますが、

営業改善の方が投資対効果が高いケースは珍しくありません。


 

「EC改善」ではなく「営業導線改善」という考え方

ECサイトだけを見ると、

改善できるポイントは限られます。

しかし営業導線全体を見ると、

改善できる場所は数多くあります。

例えば、

  • 問い合わせ項目を見直す
  • 資料請求を追加する
  • ホワイトペーパーを作る
  • 会員登録導線を整備する
  • 自動返信メールを改善する
  • 営業への通知を早くする
  • 商談予約をオンライン化する

これらはすべて、

営業改善でもあり、

EC改善でもあります。

私はこの全体設計こそが重要だと考えています。


 

ECサイトは「営業マンを増やす仕組み」

営業担当者は、

一日に対応できる人数が限られています。

しかしECサイトは、

24時間365日、

何人が見ても疲れません。

商品を説明し、

事例を紹介し、

資料を配布し、

問い合わせを受け付ける。

優れたECサイトは、

営業担当者の仕事を奪うのではなく、

営業担当者が本当に時間を使うべき商談に集中できる環境を作ります。

つまり、

営業の生産性を高める仕組みなのです。


 

だから最初に営業を理解する

私は初回の打ち合わせで、

ECサイトの話より先に、

営業について質問することがよくあります。

例えば、

  • どのような流れで受注していますか?
  • 営業担当は何名ですか?
  • 問い合わせには何時間以内に返信していますか?
  • 一番利益率が高い案件は何ですか?
  • 新規営業と既存営業の割合はどれくらいですか?

これらを知らずにEC改善を提案しても、

本当に成果が出る施策は見えてきません。

営業を理解して初めて、

ECサイトで何を改善すべきかが見えてきます。


 

最後に

BtoB ECは、サイトを作ることがゴールではありません。

営業活動を効率化し、

より多くの商談を生み、

受注率を高めることが本来の目的です。

だから私は、

「EC改善をしましょう」

ではなく、

「営業導線全体を見直した上で、ECが最も効果を発揮する場所を一緒に考えましょう」

というスタンスで支援しています。

ECは営業の代わりではありません。

営業をもっと強くするための、最も優秀なパートナーなのです。