湯徳慎一郎(ゆとくしんいちろう)です。

 

今回は、成約率の上がる見積書の作り方というテーマでお伝えしていきます。

 

 

見積書の書き方1つで

 

  • 仕事ができるかできないか
  • この人はちゃんとコミュニケーションが取れる人なのか
  • ミスなく、そつなく仕事ができる人かどうか
  • お客様のニーズをきちんと汲み取れる人かどうか

 

一瞬で分かってしまいます。

 

では、早速本題に入っていきます。

 

 

見積書の意義とは?

 

簡単に言うと

 

私たちは、お客様の要望に対して

 

  • この金額で
  • このようなお仕事をするよ

 

という意思表示です。

 

 

見積書の内容を言葉で説明できますか?

 

ほとんどの営業マン・フリーランスは、自分で作った見積書をお客様に説明することができません。

 

その理由は、見積金額の「根拠」を相手に伝えることができないからです。

 

  • なぜ、その単価に設定したのか
  • 原価はどのくらいかかって
  • どのくらい利益が出るのか
  • 利益額は妥当性があるのか

 

これが、自分の中で曖昧なまま、見積を出してしまうから、お客様に突っ込まれてしどろもどろになったり、仮に仕事が取れても後々契約トラブルに繋がってしまうんです。

 

 

 

見積作成のポイント

 

見積作成の大前提

 

見積書は本来、原価に利益を上乗せする形で作成します。

 

ここでいう「原価」とは、材料費、人件費、事務所の家賃、水道光熱費、携帯代、通信費、税金、その他設備諸々など、その業務にかかる支出を指します。

 

私の場合、職場は自宅兼事務所なので、基本的には

 

人件費+家賃、携帯代を業務に応じて按分したもの+税金=原価としています。

 

 

また、建築士として工事の見積書を作成する場合は、

 

工事にかかる材料、工事にかかる職人の人件費、事務所代、水道光熱費、通信費、税金、諸官庁への届出、その他設備などを原価として見込んでいます。

 

 

なぜ、多くの営業マンは赤字になってしまうのか?

 

しかし、ほとんどの営業マン、フリーランスは「原価」が分からない状態で見積書を作成しています。

 

  • 他の人がこの金額で出していたから
  • 会社で共通の単価が決まっているから

 

みたいな理由で、数字を当て込んでいるだけの見積書を作る方が、本当に多いんです。

 

社内で見積単価を統一する企業もありますが、本当は原価を統一したほうがいいんです。

 

 

自分の単価をいくらに設定するか

 

例えば、私の場合は一級建築士なので、

国土交通省が出している「令和3年度 設計業務委託等技術者単価」を基準にしています。

 

参考:https://www.mlit.go.jp/tec/content/001387446.pdf

 

国が出している基準では、このくらいの単価設定です。

しかし、私はこの金額でやらせていただきます。(ちょっと値下げ)

 

といった形で、私は単価設定をしています。

 

 

単価設定においては、その単価に見合った「証拠」を相手に提示すること鉄則です。

 

  • 具体的な実績をまとめてあること
  • 会社の実績ではなく、あなた個人の実績があることが大切です。

 

 

たまに、自分が在籍した会社が、売上が10倍になった。

それをあたかも自分の実績、みたいな形であげる方がいますが…

 

あなたは実際にどの業務で、どの程度貢献できて、それをどのように私たちに貢献してくれるんですか?

 

これが説明できないと、それは実績でもなんでもないです。

 

 

 

見積1つで信頼を獲得する方法

 

見積書を初めて見る人は

見積項目が細かく書いてある=信頼できる

と無意識に判断します。

 

 

例えば、営業支援業務 一式 300,000円と書かれているよりも、

営業支援業務工数単価
 現地調査、実態調査、ヒアリング1日/3人20,00060,000
 プレゼンテーション資料作成3日/1人20,00060,000
 お客様への訪問同行3日/1人20,00060,000
 プレゼンテーション出席1日/3人20,00060,000
 顧客へのフォローアップ3日/1人20,00060,000
 合計  300,000

このように書いてあるほうが、人は信頼するんです。

※あくまでも一例のため、金額は適当です。

 

 

見積作成時に「避けるべき」表現

 

一式という言葉は極力避けましょう。

その理由は2つあります。

 

 

1つ目

一式表記にすると、金額が悪目立ちしてしまう、高く見える

 

2つ目は

「一式=全部込み込みでやってくれる」という判断になりがち。

 

特に2つ目は契約後にトラブルになるケースが多いです。

そうなると、基本的にはあなたが泣くしかなくなるため、一式表示は避けて、業務の線引きをちゃんとするようにしましょう。

 

 

見積金額を上げるコツ

 

金額を上げる時のポイントは、

単価を上げるのではなく、ひたすら見積項目を細分化することです。

 

 

例えば、見積書作成業務を請け負う場合

 

見積を作るだけでも

 

  • 現地調査、実態調査
  • 原価の算出
  • 見込み利益の算出
  • 見積書のフォーマット作成
  • 見積項目の入力
  • 提出先とのやり取り

 

最低6項目はあるわけです。

 

日常タスクを細分化するように、1つの業務を工程ごとに細分化していけば良いのです。

 

細分化した上で、金額を積み増ししていくやり方が、金額を上げるにはとても有効です。

 

 

見積書に絶対に書かなければならないこと

 

本気で取りたい仕事であれば、以下の内容は必ず確認しましょう。

 

  1. 契約期間
    →特に「納期」は必ず確認する
     
  2. 契約の範囲
    →どこからどこまでが今回の見積に含まれるのか
     
  3. 支払サイト
    →締日がいつで、いつ入金してくれるのか
     
  4. 支払時期
    →着手金をいただけるのか、完了後一括になるのか、毎月定額になるのかなど

 

 

見積外のことが発生したら…

 

上述⑦がしっかり固まっていれば、追加見積を提案しても問題ないです。

 

ただし、1〜2日で終わるような業務で数千円、数万円にしかならないものであれば、今後のお付き合いを考えて、多少サービスをしても良いかと思います。

 

 

これは当たり前ですが、

 

  • 自分のミスで納期が遅れた
  • 余計な工数がかかった

 

などは請求してはいけません。

そこで赤字になるのは仕方がありません。

 

 

最後に…

 

私は職業柄、発注者サイドで仕事をする機会が多く、見積書のチェックバックをすることも多いです。

 

その中で、発注者が口を揃えて仰られる言葉が2つあります。

 

  • 安いから発注されるとは限らない
  • 実績が豊富だから発注されるとは限らない

 

実績が乏しくても、見積書1つでお客様の心を動かすことは可能です。

 

「見積書=お客様に対する誠意」

 

しっかりフォーマットを作って、仕組みを作れば、高単価で受注することも、匿名で受注することも可能です。

 

ぜひ、本記事が御社の業務に少しでも寄与できましたら幸いです。

 

 

P.S.

 

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